BTS バンコク・スカイトレイン タイの鉄道 / 鉄道がある風景 ~海外編~
 
鉄道がある風景

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Page Start 2009.5.31 最終更新日【2015.2.16】
「スカイトレイン(รถไฟฟ้า)/BTS:Bangkok Mass Transit System」
 正式名:(รถไฟฟ้าเฉลิมพระเกียรติ 6 รอบพระชนมพรรษา:国王陛下ご生誕72周年記念高架鉄道)







DATA
BTS
スクンビット線
22.3km
シーロム線
14.5km


(参考)
BTS Website
BTS 路線図

バンコク都市交通計画図
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解説
バンコクを走るスカイトレイン(รถไฟฟ้า:ロットファイ・ファー)と呼ばれるBTS(Bangkok Mass Transit System)は、市内の深刻な渋滞緩和策として1999年12月に開業した都市交通です。それまでは市内にこうした大量輸送できる鉄道がなく、バスか車かバイク・トュクトュクぐらいしか移動手段がありませんでした。

国鉄が市内にも路線を持ってますが長距離相手で日本のような国電区間がなく、輸送機能として役立っていません。BTSの建設に当たっては日本のODAなどが利用され、ドイツの技術導入で建設されました。

路線は全線高架橋を走り、黄緑色の路線カラーの「スクムビット線」と緑色の路線カラーの「シーロム線」の2路線があります。集電は第三軌条を使ったゲタ集電で、地下鉄が地上を走っている感じです。列車は左側通行で日本と同じです(タイは車も日本と同様左側通行)。

車両タイプは2つあり、開業当初に導入されたシーメンス製と路線延長時に追加投入された中国製が活躍します。当初は3両編成で乗車料金もやや高めとあって人気がなかったBTSも、今やかなりの混雑となっています。中国車導入で始まった4両化も2013年終わりには完了しました。

車内はよくある都市型鉄道の内装になっていて、シートはプラスチックとなっています。全車冷房完備で夏場はとてもクールです。乗車券の仕組みは香港のようにリサイクル乗車券が使われています。1日券は自動改札対応で、何度も乗り降りする場合はこちらを利用したほうがいいでしょう。なお、地下鉄とは別会社のため地下鉄の乗車券との互換性はありません。

2012年5月からこの不便を解消する「rabbit(ラビット)」というスイカやイコカのようなIC非接触型カードが発売されました。2012年内にMRTとの供用が始まるとのことだったのですがタイらしく遅れていて2014年になっても変化なしです。エアポート・レール・リンクも同じようなICカードが発売され、MRT含めて3つもカードが乱立しています。うーん、日本のJR VS 私鉄 って感じですかね。

BTSは開業後も延長工事で路線を拡大しています。アジア通貨危機後工事は停滞しましたが、2009年5月にシーロム線サパーンタークシンからウォンウィアン・ヤイまで延長。2011年8月12日にスクムウィット線オンヌットからベーリンまでが延長されました。

2013年1月12日にシーロム線がウォンウィアン・ヤイから西へ1駅ポーニミット駅まで、さらに2月14日にラッチャダー・ラーチャプルックまで延び、BRTと接続しました。さらに延長工事が進められ、ラッチャダー・ラーチャプルックから西のバーンワーまでが新たに2013年12月5日開業しました。

一方、スクムウィット線も南端の終点ベーリングから南へサムットプラカンまで工事が行われています。

合わせてホームドアの設置工事が2012年からサイアム駅からスタートしました。今後主要駅での設置に向け工事が進められます。

余談ですが、スカイトレインの正式名は「(プミポン)国王陛下ご生誕72周年記念高架鉄道」という名前で、開業年の1999年に国王が72歳になられたことから、こうした名前がつけられたそうです。ちなみに、タイ語では72ではなく6となっているのですが、12年で1サイクルと考えるタイの単位(いわゆる十二支)で6回目、つまり72周年となります。

スクンビット線(Sukhumvit Line/สายสุขุมวิท )

バンコク北部のチャトゥチャック公園から中心部を経て、南東へ伸びるスクンビット通り沿いのベーリングまで延びる路線です。

基点のモーチット駅はスカイトレインの車両基地となっており、シーロム線への車両の送り込みもサイアムの渡り線を使いここから行われています。また地下鉄(メトロ)のチャトゥチャック公園駅とも接続し、乗り換えも便利です。

全線高架を走りますが、途中戦勝記念塔があるアヌサワリーチャイ・サモーラブーム駅あたりで塔を回るように線路が敷かれています。

パヤタイ駅はスワンナプール空港へつながるエアポート・レール・リンクの乗換駅。空港まで最速15分で結びます。

デパートなど商業の中心地、サイアム駅はシーロム線との乗換駅で、2階建て構造となって向かい合わせに乗換えできるようになっています。

アソーク駅では地下鉄スクンビット駅と再び接続。周辺は歓楽街となっています。その後もスクンビット通りを進み、終点ベーリンに到着です。

なお、現在ベーリンから先の延伸工事が行われています。

シーロム線(Silom Line/สายสีลม )

王宮の東、サナームキラーヘンチャート(国立競技場)から繁華街サイアムを経て、逆Cの字に弧を描いてバーンワーに延びる路線です。全線高架でサイアム駅でスクンビット線と接続します。

基点の国立競技場駅はサイアムからすぐの折り返しように作られたような駅で、観光名所の王宮から少し離れ、少々不便なところにあります。

サイアムを過ぎると南に進路を取り、オフィス街や商業エリアの中を進んでいきます。サラデーンでは地下鉄と接続。商業施設も多いことから結構乗換客がいます。チョーンノンシーではBRT(バス)と連絡します。

チャオプラヤ川手前にあるサパーンタクシン駅はチャオプラヤ川を走る船乗場に接続する駅で乗降が多い駅となっています。この駅は他の2面2線構造とは違った1面1線構造となっていますが、もともと駅の計画がないところに2009年5月まで暫定的に終点になっていたため、その名残としてこの駅のところだけ単線となっています。 船乗場とのアクセスがよく、いまさらつぶせないため、少し違和感のある駅として残っています(ただし廃駅だけは決定)。

サパータクシンから終点ウォンウェンヤイまでは2009年5月15日に開業。ただし記録上は、王妃誕生日である8月12日が開業日となっています。実際の開業日から公称開業日まで存在しないということで、この期間だけ延伸部分は無料となっていました。粋な計らいですね。

チャオプラヤ川を渡りハイウェイ中央を走っていくとウォンウェンヤイ。駅はハイウェイ真ん中にあり、国鉄マハーチャイ線ウォンウェンヤイ駅とは500mほど離れています。同じハイウェイ沿いを進み進路を北に変えたあたりで国鉄線と交差します。将来駅の設置も検討されているようですが、国鉄線の存続の話もあり今は将来に向けた仕掛けはありません。

やがて終点のバーンワー。ここはバンコクメトロ(地下鉄)フワランボーン駅から西に進む延伸部分の途中駅バーンワー駅との接続駅。メトロが開業するとかなり便利な駅になりそうです。なお地下が主体のメトロもこのあたりは高架橋を走ります。メトロは2016年に開業予定です。


撮影ポイント

地上を走るのでホーム端などからどこでも手軽に撮影可能です。好きなところで好きなカットを狙ってください。なお撮影等は禁止されていませんが、ホームには警備員が必ずいますので、無理な撮影はやめ、注意されたら指示に従いましょう。

またホームドア工事が各駅で行われています。工事で一部ホーム端へ行けなくなったりしてますのでご注意ください。



「鉄道がある風景」/RailScape
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