エアポート・レール・リンク(国鉄) タイの鉄道 / 鉄道がある風景 ~海外編~
 
鉄道がある風景

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Page Start 2015.12.23 最終更新日【2015.12.23】
「エアポート・レール・リンク(ARL/国鉄)」รถไฟฟ้าเชื่อมท่าอากาศยานสุวรรณภูมิ 
DATA
・スワンナプーム(空港)~パヤタイ:28.6kmm

(参考)
ARLホームページ(English)
タイ鉄道情報(日)

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解説
タイの首都バンコク中心部とバンコクの玄関口であるスワンナプーム国際空港とを結ぶ空港連絡鉄道、「エアポート・レール・リンク(รถไฟฟ้าเชื่อมท่าอากาศยานสุวรรณภูมิ:Airport Rail Link(ARL))」。空港と中心部の約30km弱を、急行は15分、普通列車は30分の所要で結びます。開業が2009年12月5日と新しい路線で、全線複線電化・高架/立体化されています。バンコク市街は国鉄東本線の線路脇を利用し、空港近くで分岐してターミナルビル地下へとつながります。車両はすべてシーメンス製デジロシリーズを導入し、急行用4編成、各停用5編成の9編成で回しています。

急行は160km運転とハイスピードで走り、チェックインカウターが設けらえたアソークに近いマッカサン行きとBTS乗り換え駅の終点パヤタイ行きの2タイプがあります。どちらも途中ノンストップでスピードを稼ぎます。車両は各停と外観は同じも急行用カラーと内装は専用仕様となっており、車内は固定式クロスシートと荷物棚が設置されています。マッカサンでのチェックイン対応での荷物車も1両割り当てられています。

ただ急行料金設定にて、普通列車の3倍ほどの値段設定(片道150バーツ)となっていること、30~40分に1本の不便さから人気がなく、さらには、わざわざ作ったチェックインカウンターのあるマッカサン駅も車の出入りが不便で超不人気とあって、開業当初から利用が伸びずにいました。2014.9.1からは急行専用車両の整備不備を理由についに急行運転はすべて運休となり、現在は各駅停車運用のみとなっています。発表では1年間運休となってますが、休んで解決する問題でもないのでどうなることやら・・です。

現在、各駅停車が概ね15分ヘッドで運転されています。車両もかつては急行と各停とを使い分けていましたが現在は関係なく使われてます。急行用は1両荷物車になっているのと座席車両は全席クロスシートのため朝夕ラッシュ時にはかなり窮屈。高架下には国鉄がまったく同じルートを走りますが本数が少ないので、ラッシュ時や休日日中は結構な乗車率となります。

運営は国鉄傘下の別の企業が行っていますが、事実上国有鉄道であり、国鉄版BTSといった感じです。乗車券システムもICトークンとICカードを使いますが、ICカードは他線との相互利用ができない専用カードです。料金差から急行と各停は別々の改札となっており、線内での乗り換えは改札外に出なければできません。

全線電化複線化され、交流にて架線から集電するタイプ。軌間は1435mmの広軌を採用。もともと他路線との接続計画を見越してのことだったそうですが、現在国鉄線から乗り入れることができないため、完全な独立鉄道となっています。将来的にはドンムアン空港まで延長され、線路もメーターゲージと広軌の併用になるらしいですが、開業はいつになることやら。。。


沿線風景

空港駅以外は全線高架上を走るので景色を楽しめます。市街地側起点となるパヤタイ駅はBTSパヤタイと歩道上でつながり、旅行客には乗り換えが便利です。鉄道高架下に連絡通路があるので雨でも濡れません。

2つ進んだ大きな駅はマッカサン駅。もともとは香港の空港連絡鉄道と同じ発想で、市内でチェックインが出来、そのまま空港へ鉄道で行けちゃう という発想でしたが、渋滞のひどいバンコク市内でわざわざ市内の渋滞を経てこの駅に来るより、そのまま空港へ行ったほうが早いという事情もあり、開業当初から閑古鳥となってしまいました。

その後も利用客が少ないので待機タクシーがいなくなり、さらに不便になって利用者がいなくなるという悪循環。さらにはチェックインカウンターの休止や急行の運休で、今やもぬけの殻状態になっています。一応MRTのペッチャブリー駅と乗り換えが可能なんですが、エスカレーターなど設備がなく、スーツケースゴロゴロで利用するのはかなりキツイとあって、当分日の当たらない状態が続きそうです。

こんな無駄な設備を作るなら混雑する電車の増便用に車両を増やしてもらったほうがよかったんですよね~。でも車両購入は外貨流出となるので箱そのものにお金が流れるのは途上国の常・・・。

さて、マッカサンを出て市内は空港までいくつかの駅を経ます。国鉄との分岐駅ラートクラバン(ลาดกระบง:Lat Krabang)は意外と乗降客がいて、国鉄との乗り換え客の多く利用します。ラートクラバンを出ると線路は大きく右に切って空港ターミナルへ。駅は地下にあり、急行用改札と各停用改札に分かれます。地下駅は天井から床までのホームドアが設置され他とは違った風景です。


撮影ポイント

全線立体交差化された路線のため、ホームからの駅撮りになってしまいます。ホームでの撮影は禁止されていませんが、BTSに比べて警備員がうるさい(質が悪い)ので注意を受けたら指示に従ってトラブルにならないよう注意してください。



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