解説

烏來觀光台車(トロッコ)は、少数民族タイヤル族の住む観光地「烏來」(ウーライ)にある観光トロッコで、集落入り口にある温泉街を抜けた山肌から川上にある烏來瀑布(滝)とを結んでいます。

もともとは木材切り出しのためのトロッコで、新店までの路線がありました。そのうち烏來集落部分を観光用に転用、観光トロッコとして再利用されています。路盤はへろへろ、森林鉄道っぽいつくりとなっています。 全線複線でエンド部分はループ構造となっています。

台車乗り場は烏來地区メインの集落、烏來温泉集落のドンつきにあります。集落内は日中車乗り入れ禁止となっていて、乗り場まではバス停または駐車場から少し歩いて行くことになります。かつて入口では入村料として50元取られましたが今は無料となっています。

入り口付近は観光客相手の店がならび、いかにも観光地といった雰囲気です。店の大半は食べ物屋で、キビで作ったお酒や団子、竹の中にもち米を詰めた「竹筒飯」、ソーセージ、ビーフンなどを売る店が並び、通りはいい匂いが立ち込めます。週末は台北からの手軽なハイキングを楽しむ人でごった返します。この通りを抜け、ゲートをくぐってを渡ると目の前にトロッコ乗り場の大きな看板が現れます。

路線は温泉集落から烏來瀑布の手前まで敷かれ、トロッコは川縁につくられた道沿いの線路を走っていきます。トロッコの基本編成は3両、1両4人乗ることができますが、モーターの付いた先頭車両は運転士と旅客2名のみとなります。

車両基地は温泉側、烏來站から500mほどのところにあります。車両カラーは2000年頃まではエンジ1色、その後黄色と緑のツートンカラーに、現在はブルー1色となっています。運賃は片道50元で切符は一昔前のクレジットカードレシートのようです。

温泉から滝方向へのトロッコは、きつい登り勾配となるためエンジン全開で登ります。音や排気ガスを見ていると50ccバイクのエンジンを取り付けている感じで変な雰囲気です。逆に下りはエンジンを止めて慣性の法則で走行、ブレーキペダルのみで操作をするまさにトロッコとして運転されます。

観光トロッコといえば何やら「いかにも作った」ぞという感じのところが多いですが、ここは鉄道臭が漂いどこかのナロー鉄道のような雰囲気があります。なお余談ですが昔は人が押して登って、帰りは慣性の法則で下るという仕組みだったそうです。

沿線風景・路線紹介

基点となる烏來站(駅)は温泉街からを渡ったたもとの階段を登り(結構段数がある)、中腹にある駅から乗車です。列車は右側通行でキップを購入後順番で乗車していきます。

烏來站を出ると小さな集落の中を進み、軒先をかすめて進みます。途中車庫と検車場を兼ねた建物2棟の間を抜けると緑の中に入り、山べりをぐんぐん登ります。

この間、トロッコじゃなく並行する道からは途中、川原を掘ると温泉になる場所があって行楽客が穴掘って入ってます(和歌山にある川湯温泉と同じ)。

並行する道路が見えてきたらもうすぐ終点。最後は右にカーブしてトンネルに入って出てきたら瀑布站。駅から滝までの道のりにもお土産屋が並びます。新たに出来た烏來台車博物館にあわせて遊歩道も整備され、以前と違ってレールが敷かれるなど少し観光地化が進みました。

かつては鄙びたお土産物屋がならんで日本の古き観光地のような雰囲気でした。有名な烏來の滝は烏來台車博物館裏の見学台から目の前に見ることが出来ます。

また滝のたもとからは古風なロープウェイが発着し、烏來を見下ろす展望台へと通じます。時間があれば滝を見下ろしながらのショートトリップもいいでしょう。

また山上には「雲仙樂園」というちょっとした自然公園がありますので時間があまったら行ってみてもいいでしょう。最近整備されて昔よりきれいになったようです。

烏來への足

烏來までの足ですが台北駅または捷運新店駅(新店線終点)からバスに乗車します。どちらも新店客運の系統「849」を利用します。(2015.4現在) 以前は1601番でしたが改番で849となってるので注意です。

この849系統のバスは台北駅(公園路)から台湾大学のある公館、新店、洪荒峡を経て烏來までを結びます。台北~烏來の所要は90分、新店~烏來は30分強なので、新店からの乗車が便利です。ただし、週末午前中に烏來へいく場合はバスが混雑するため台北からの乗車がお勧めです。または早朝~8時台前半発のバスで先に行くと空いてます。

運転間隔は概ね20分毎での運転となっています。(烏來バス停には時刻表がありますがまったく違った時間に発車していて意味がありません)

849系統は前乗り前降り「三段票収費」。現金の場合は行き先を運転手に告げ全区間を支払い行先札をもらい、下車時にその札を渡します。

現金払いは旅行者にとっては料金がいくらか聞き取りにくいなど面倒なので、ユユカ(悠悠卡)利用がベストです。乗車時にピッとして下車時にもピッとします。(以前は対応していないバスなどもありましたが今は全バスOK) ただし残額が少ないと差額料金を払うなど面倒になるので乗車前の残額確認は怠りなく。

(2015.4現在、片道バス料金は台北~烏來:3段分で45元、新店~烏來:1段分15元 です)

PHOTO GALLERY

■烏來

・入り口の看板はわかりやすい。ただし乗り場までは結構な階段を登らないといけません。

     -2010.4.17

・乗り場と切符売り場はこんな感じで遊園地の汽車のよう。

        -2010.4.17



・路線図と簡単な紹介。日本語も記載。

     -2010.4.17



・この日はこれで運転終了。お客を降ろして車庫へ向かいます。線路はエンドループ形状なので、くるっと廻って反対車線へ移動です。

        -2010.4.17


・2月は緋寒櫻が咲くシーズン。とはいえ、2月はじめはまだちょっと早かったかな。

        -2015.2.7



・1編成だけピンクが入ると雰囲気変わりますね。客街でトロッコが行列になっています。

     -2015.2.7



・結構山際を線路が走ります。複線形状なのでなんとなく不思議な感じですね。

      -2010.4.17  -2015.2.7





■烏來~瀑布

・烏來駅の少し先にある車庫までは少し住宅の軒をかすめるような区間を走ります。

          -2010.4.17

・細い路地を走るような感じでレールはありますが複線なので結構違和感あります。

        -2015.2.7



・山間の住宅地を抜けていきます。

   -2015.2.7



・車庫は烏來站から200mほどのところにあります。結構しっかりしたつくりです。

      -2015.2.7



・車庫を過ぎるとひたすら山すそを走ります。平行する道路より高いところを走ります。

   -2015.2.7



・線路と道路の高さが同じになるあたりが撮影ポイント。上りも下りもどっちも撮影可能です。

           10 11 12 13 -2015.2.7



・滝をバックにした撮影も可能。

      -2015.2.7



・少し先へ行くとカーブがきれいに見れます。

           -2015.2.7



・終点が遠くに見えてます。壁側は迫立った崖になってます。

           10 -2015.2.7



・もうすぐ終点。平行して道もあるので行きはトロッコ、帰りは歩きという選択肢もあります。

    -2000.5.1     -2015.2.7





■瀑布

・終点のループはトンネルを横に掘っての即席仕上げ。もともとここでの折り返しではなく、場所も狭かったのでしょう、こういうつくりになったと思われます。かつてはこのようにシンプルでしたが・・・

       -2000.5.1 

・今は装飾で少しケバくなりました~。

         -2015.2.7



・ふもと側と違い、こちらは道端からの乗車。お客さんが来るまでこうして車両を止めています。

     -2000.5.1      -2015.2.7



・前の道路と駅の区別がよくわかりません。

     -2000.5.1





■瀑布~博物館

・列車は走りませんがオブジェとしてレールが博物館へつながります。

           -2015.2.7


■瀑布街並み

・街は観光地化されたとはいえしんなりした静かなところです。ロープウェイも塗装がきれいになりました。

           -2015.2.7


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