![]() ちょうどその頃から台湾ではローカル線ブームとなり、訪れる人が急増。特に最近は休みともなると台北からの行楽客がどっと押し寄せ、休日の列車は鮨詰め状態になっています。私が最初に訪れたときは東京の通勤列車並みのパンパン状態で冷房車じゃなければきっとへばっていたことでしょう。 ![]() 沿線風景・路線紹介 沿線風景は、基点の三貂嶺を発車するとすぐ宜蘭線と分岐し、基隆河の鉄橋を渡ればいきなり山深い車窓となります。途中のトンネルは素掘りのままのものもあり、なかなかいいムードです。大華駅は民家が数件あるだけで周りになにもないところです。結構降りる人はいますが、ここから線路沿いを歩いて十分瀑布にいく行楽客や野山を散策するハイカーがほとんどです。大華から十分までは渓谷沿いを走るいい風景が続きます。ちょうど大華と十分の中間付近に十分瀑布がありますが、滝自体は車窓からはうまいこと見えません。チラッと見える滝はにせ物です。 この区間を走るとき列車はタイフォーンを鳴らしまくって進んでいきます。この十分瀑布へ行く道は実質線路しかなく、たくさんの人が線路上を歩いているからです。十分瀑布の入り口も線路が道路であるかのような配置であります^^。 この滝を訪れるには、十分駅から歩いて行くのが基本です。だいたい駅から30分くらい。線路沿いの道路を大華方向に歩き、大きな車道に出たらそのまま線路沿いに大華方向に歩いて行きます。そして途中にある案内板にしたがって商店の中を通って川下へ降りて行きます。または、最近川沿いに遊歩道が整備され、そこを歩いていくこともできるようです。川原の道を馬なりにしばらく歩き、鉄橋横のつり橋を渡ったところあたりから線路脇を歩きます。 ![]() この十分瀑布は先述のとおり大華からも行くことができます。こちらからも30分くらいの距離ですが、大華駅前には何もなく、線路敷も狭いため列車の待避などを考えるとお勧めできません。でも、かなりの人が線路を歩いていて、列車が来てもトンネルの中をお構いなしに歩いている人もいます。実際に私が乗った列車でもトンネル内で何度か急停車し、20分遅れとなりました。ただ、運転手はこうしたことに慣れているようで、別に慌てずに危なそうなときだけ警笛を鳴らしていました。おおらかな国です。 話は戻って、十分の駅は線内唯一の交換駅で、駅員がいてタブレット交換も行われます。腕木式信号も健在です。以前は硬券乗車券も売っていましたがペラ券に変わってしまいました。駅の待合室にはやもりがたくさんいて、いかにもアジアの鉄道という感じです。印象的だったのは空爆時の避難ルートが書いた掲示板があったことで、台湾の複雑な位置付けがこんなところで感じられるとは思いませんでした。 この駅の構内は少し広いのですが、これは97年まですぐそばの新平渓炭鉱からの石炭積み出しを行っていたなごりです。貨車もその当時のものが構内に留置されています。鉱山跡は「台灣煤礦博物館」として整備され、十分の新たな観光スポットとなっています。当時の鉱山トロッコも復活しており、なかなかいい感じです(当サイト別ページで紹介)。駅への道沿いにもお店がたくさんあってここでの昼食も可能です。メニューに指をさして注文できます。 ![]() 終点の菁桐は日本的な香りのする小さな駅で、かつて使われていた石炭の積み出しの施設が残っています。通常無人駅ですが休日多客時には臨時に駅員が駐在。さらにもう集集線ぐらいしかなくなった硬券キップも未だ購入できます。 また、ここからは台北までの直通バスがありますが、あまり本数が多くありません。台北市内にバスで行くには、あらかじめ時間を調べておいたほうがいいでしょう。(といってもどこにどう確認するかよくわかりませんが新店方面に連絡) 台北からの行楽客には、ここ菁桐まで車で来て、列車で大華や十分に遊びに行くひとも結構いるようです。車中、日本語で話しかけられた台北のおじさんはロッククライミングをしに車で菁桐できて、列車を使って行ったといってました。 ![]() ![]() 撮影ガイド ![]() |
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■三貂嶺 |
・山中の山間の駅、分岐駅ですが駅前にはなにもありません。平渓線の始発列車もこの駅からではありません。 1 2 -1999.7.18
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・三貂嶺駅でタブレットを受け取ります。
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・宜蘭線との分岐あたりは両線にとっての撮影ポイント。
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・この日は週末で編成も4両仕立て。
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■三貂嶺-大華 |
・三貂嶺を降り花連方向に線路沿いを歩いた宜蘭線との分岐付近から大華には小道が延びています。 1 2 -1999.7.18 3 4 -2010.5.2
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・午前中から日中が順光。
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・もう少し先の小さな集落付近。
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■大華-十分 |
・十分駅から十分瀑布へ行く道沿い(車道のほう)から。こんな感じの俯瞰撮影が可能です。 1 2 3 -1999.7.18
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・十分瀑布近く。かつて滝まではこの鉄橋の保線用通路を渡っていかないといけませんでした。なおバックの滝はニセモノ。
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・十分駅近くの有名なざわついたところ。半併用軌道のいい感じでよく旅行雑誌や番組で登場します。台灣の田舎って感じがしてなかなか趣があります。
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・列車が来ないときはみんな線路を歩いてこんな感じに。東南アジアらしい風景になります。一応歩くなと看板でてるんですが・・・。ちなみにこの界隈の食べ物屋さんですが、人が入っているところがおいしいところです。言葉が通じなくてもメニューに指をさして注文すればOKです。
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■十分 |
・交換駅らしい駅。日本のローカル線にムードが似ていて懐かしい感じがします。腕木式信号にタブレットも健在。 1 2 3 4 5 6 7 8 -1999.7.18 9 10 11 12 13 -2005.11.5
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・休日には大勢のハイカーが訪れ、のどかな駅も大混雑になります。駅員さんは慣れっこらしく、あわてる様子もなくのんびり時間が過ぎていきます。
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■平渓 |
・路線名由来の地。沿線ではまとまった街の駅で、当時は有人駅で硬券乗車券も常備していました。山の上にある駅で、街から駅までみなさん汗だくで上ってきます。 1 2 3 4 5 6 7 -1999.7.18
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■菁桐 |
・土日祝日には多くのハイカーでごった返します。駅はこじんまりした田舎駅でいい感じです。構内にある小さなヤードはかつては十分同様に石炭積み出しが行われていた遺構です。 1 -1999.7.18 2 3 4 5 6 -2005.11.5 |