![]() この列車は旅行者に大人気で、多くの旅行者はクライストチャーチから途中のアーサーズ・パスまでを乗車するパッケージツアーを利用します。ブルーの客車が牧歌的風景に溶け込み、ヨーロッパチックな雰囲気を醸し出します。 ![]() シーズン中は10数両の長大編成となり、連結されるオープンデッキ車両は人ですぐに埋まってしまいます。車内は2+2シートでちょっぴり狭い感じがしますが、シートモケットも新しく清潔感があります。車内販売も乗車します。 切符は航空券のような紙で手書きで乗車日や席番号を書き入れた原始的なものです。旅行者としては記念に持ち帰りたいのですが乗車後は回収されてしまいます。 ![]() さて、沿線風景ですが、始発駅のクライストチャーチ駅はクライストチャーチの町外れに駅があり、駅舎は最近立てられた立派な外観です。ただホームは1面1線のなんともあっさりとした構造になっており、列車は先発のトランツ・コースタル号が発車した後、近くのヤードからバック推進でホームにやってきます。 駅の中は1日2往復しか列車が発着しないにもかかわらず待合室もあり、チケットカウンターは飛行機のチェックインカウンターと同じ形になっています。チェックインをして荷物がある場合は預ける、という完全な飛行機スタイルです。 クライストチャーチ駅を発車した列車はしばらく街中を走ります。南本線とミッドランド線の分岐駅であるローレストンで西進しサザンアルプスを目指します。 ![]() このあたりから車窓はニュージーランドらしい牧草地を進み、放牧された羊を見ながら進んでいきます。カンタベリー平野というとおり、ワーディントンまでは平坦な大地を進みます。スプリングフィールドを過ぎると山が迫ってきます。 これまで並行していた国道とは分かれ、丘陵地を進んでいきます。まわりの風景は映画「ロード・オブ・ザ・リング」のワンシーンのような風景となってきます。遠くには残雪残るサザン・アルプスが見えるようになります。 線路を絡むワイマカリリ川は氷河のなごりある川床でやけに広い河原と転がる石が印象的です。通常川沿いなどにはなんらかの家や人工物などがあるのですが、ここではまったく見られません。 ![]() カス付近になり、別れた国道と合流するあたりでワイマカリリ川を渡ります。車窓左側から雄大なアルプス連山が拝めます。大きな河原が広がる不思議な景色を横目に列車は進んでいきます。 谷が急に迫ってきたらアーサーズ・パス駅に到着。この駅では石炭列車と交換です。列車交換はアーサーズ・パスだけではなくグレイマウスまでの道のりで何度か石炭列車とすれ違います。 アーサーズ・パスでは結構の乗降があります。パッケージツアーが多い場合は列車の半分をここで分割し、グレイマウスまでは最小編成で運転されます。残った車両は帰りの列車に連結してクライストチャーチに送ります。 アーサーズ・パス駅を出ると峠越えとなります。ニュージーランド最大のトンネル「オティラトンネル」を列車は進みます。トンネル内はかなりひんやりしており、展望車両のままでいると少々つらくなります。 トンネルを抜けるとジャクソンズあたりまで山間部を走る風景となります。川ともつれ合いながらいくつかの鉄橋を越えていきます。線路を右にカーブすると湖や牧草の入り混じる風景を進みます。モアナ付近はブルンナー湖が車窓の左に広がります。ブッシュ状の林や牧草地帯を列車は進みます。 ウェストポート方面との分岐点スティルウォーターまで列車が来るともうすぐグレイマウス。終点のグレイマウス駅も1線1面の小さな駅で、終着駅らしい雰囲気がなかなかグッドです。乗客がすべて降りたら一旦列車はヤードに引き上げ、帰りの発車時間前に新たにホームへ入ってきます。 グレイマウスからはフレンツ・ジョセフ氷河に向け新たな旅程に出かける人、または単に折り返してクライストチャーチに帰る人、グレイマウスに残る人、それぞれが新たな旅に出かけていきます。 ツアーなどでクライストチャーチで数日間あって、レンタカー利用はちょっと・・・という場合にはこの列車での単純往復乗車の旅もいいでしょう。切符の手配は日本の旅行代理店でも可能のようで、ダメでも現地ホテルなどで手配できるようです。ホームページでも予約できますのでトライしてみてください。 撮影ポイント ![]() ローレストン~スプリングフィールドでも編成写真が簡単に撮れます。スプリングフィールド~カスは少々道なきところを行かなければならないのでいきたい場合は事前に下調べをしたほうがいいいでしょう。 国道と鉄道が接近するカス付近はサザン・アルプスをバックに撮影できる有名な撮影ポイント。道路わきから俯瞰気味に列車を簡単に撮影できます。 カス~アーサーズ・パスにかけても道路脇(対岸)から自由に撮影ができます。アーサーズ・パスを越えた西海岸側は単調な景色の中を進むため、編成写真っぽい感じが中心となります。 なお、この路線は貨物列車が頻繁に走っていますのでトランツ・アルパイン号と併せてお楽しみいただけます。 ◆トランツシニック;トランツアルパイン号紹介ページ / ⇒南島レイルマップ |
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■Christchurch |
・南島最大の都市の駅とは思えない小さな駅。地方空港を思わせます。駅構内にはかつての給水塔がシンボルとして残されています。 1 2 -2003.1.1 3* 4* -2003.11.19
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・駅の中も飛行場のよう。出発20分前までにチェックインしないと乗車できないことがあります。(たまに早発がある!)
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1* 2* -2003.11.19
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■Weedons-Rolleston |
・ニューイヤーホリデーで乗客が極端に少ないのか、最短編成でやってきました。 1 2 3 -2003.1.1
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■Darfield-Sheffield |
・ダーフィールドから列車がやってきました。駅としてはありますが区間駅はちゃんとしたホームなどがありません。予約を入れない限り列車は止まってくれません。 1 2 -2003.1.9
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■Sheffield-Springfield |
・このあたりは道路と平行し、好きなところで思い思いの写真が撮れます。 1 -2003.1.9
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■Cass-Arthur's Pass |
・ワイマカリリ川を渡るこのあたりは丘陵地を走っていた列車の視界がいきなり大きくなる。撮影スポットとしては最高の場所。 1 2 3 4 5 -2003.1.9
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・大自然の中を列車が進んでいきます。人工物は列車のみ。
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1 2 -2003.1.9
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■Arthur's Pass |
・峠越えを前にここで運転の小休止が行われます。石炭列車との交換も行います。 1 2 3 -2003.1.9
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・列車が到着すると観光客であふれかえります。みんな記念写真に夢中です。
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1* 2* 3* 4* 5* -2003.11.19
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・峠越えに向けここで機関車の増減車が行われます。
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1* 2* 3* 4* -2003.11.19
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■Otira-Jacksons |
・峠を越えると狭い谷あいを進みます。アーサーズ・パス側と天気ががらりと変わったりします。 1 -2003.1.9
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■Jacksons-Inchbonnie |
・こんな木製鉄橋がまだまだ残っています。日本だと安全基準でアウトですね。 1 2 -2003.1.9
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■Moana-Kokiri |
・このあたりはちょっとブッシュの中を進みます。風景的にはちょっと退屈する感じ・・・。 1 2 -2003.1.9
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■Kokiri |
・石炭列車と交換で運転停車。 1 2 -2003.1.9
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■Greymouth |
・終着駅のグレイマウスは1線1面の小さな駅。 1* 2* 3* -2003.11.19
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・駅前の道が小さな街を作ります。
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1* -2003.11.19
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・機関区もあり、石炭運搬車もここで整備されているようです。グレイマウスから南への路線はホキティカのミルク工場向けの貨物が週数便運行されています。
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1* 2* -2003.11.19
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・クライストチャーチ行きの発車時刻が近づくと誰もいなかった駅構内に人があふれます。
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1* 2* 3* -2003.11.19 * © Kazumoto Ogawa |