解説

南海天王寺支線は南海天下茶屋駅から今池町をとおり、JR関西本線天王寺へと伸びるミニ支線でした。地下鉄堺筋線の延伸とともに1993年3月31日をもって営業終了となりました。

この線はかつては急行も走っていた準幹線でした。新今宮駅がなかったころ、国鉄接続の支線として活躍したそうです。しかし、廃止前には1両だけの電車が走る、地方さながらのローカル線になっていました。

廃止は段階的に行われ、地下鉄工事部分と重なる天下茶屋-今池町間がまず廃止され、南海電車に接続しない盲腸線となります。路線はこれまでの複線から単線の折返し運転となり、沿線サービスとして飛田本通という駅ができました。ただこの駅はいったい誰が使うの?という中途半端なものでしたが利用客は結構いてました。そして地下鉄堺筋線の延伸工事が完了後、残った1.2Kmも廃止されました。

私は南海七道駅の利用者だったので、天王寺に用がある時にはしょっちゅう使ってました(電車賃がやすかった)。そのため、部分廃止されて以降、結構不便になった記憶があります。

現在も遺構は結構残っており、阪堺電気軌道今池町には当時をしのばせる跨線橋などあります。

所属 南海電鉄
対象線区名 天王寺支線(全線)
廃止区間/最終日 天下茶屋-今池町 1.2km/1984年11月17日最終日、今池町-天王寺 1.2km/1993年3月31日最終日 
区間内駅数
区間内駅名 天下茶屋、今池町、飛田本通(部分廃止後開業)、天王寺


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■天下茶屋

・天下茶屋駅は1番線ホームが通常の折り返しホーム。2番線ホームに入るのは住之江からの出庫車両と入庫車両のみで1日2本×2だけでした。終日2運用でたいてい1521系が使われてました。

    -1984.5.6   -1984.5.27

■天下茶屋-今池町

・途中の踏切は有人踏切でした。当時は今池町あたりは治安がかなり悪いので財布やカメラを持ってうろつくのも怖かったです。(なので今池町の駅舎とかの写真がない)

   -1984.5.6

■今池町-天王寺

・天王寺駅へは国鉄線の南側をへばりついて敷設されてました。

    -1984.5.27

■天王寺

・かなり隅っこに駅があったんですが、当時は有人駅で南海そばもあったんちゃうかったっけ?

    -1984.5.6

■飛田本通-天王寺

・地下鉄工事が始まり独立線となったとき。1521系1両がいったり来たりしてました。車検のときはクレーンでつるして住之江に持って行ってたかな?10年近く走ってたんだよなあ。。。

    -1986.8.2

■住之江

・早朝にあった天王寺行き2本の1つ。この日は7000系がめずらしく入線してました。

   -1984.11.25

■天下茶屋-岸ノ里

・住之江からの直通列車は南海本線上り線から下り線、高野線の上り線、高野線の下り線を通り、天下茶屋2番線に入ってました。かなりの横断なので早朝だけ許されてたのかもしれませんね。入庫の時は南海本線下り線にまで渡って移動してました。

   -1984.5.27

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