国鉄添田線は福岡県田川郡に走っていたローカル線で、国鉄第一次赤字廃止対象路線として北海道美幸線と競い合ってた超赤字路線でした。現在のJR日田彦山線香春駅から南進し同線添田駅までの12.1kmを結んでいました。
前進は小倉から添田までを結んでいた私鉄の路線で、戦前の国有化策で国鉄に編入されました。一時は彦山方面からの列車が小倉まで乗り入れてましたが、その後田川線と香春駅との短絡線が作られ、田川市街を経由するようになると全列車とも後藤寺・伊田経由になり、残った香春~添田が取り残される形となりました。
役目を終えた区間路線は急速に赤字路線に転落となり、晩年は100円を稼ぐのに3,000円を超えるレベルにまで悪化していました。
主要都市地域をまったく絡まなかったとあって、始発駅も終点も、そして途中駅にも大きな集落もなく、また、西鉄バスが隈なく地域をカバーしていたこともあって、目立った反対活動もなくバス転換が決定。1985年3月31日を最後に廃止となりました。
現在路線跡は大任駅跡に公園があるくらいで、ほとんどが道路化されたり撤去されたりしてわからなくなっているようです。
想い出
もう乗車したのはずいぶん前とあって、かすかな記憶しか残っていません。たしか近郊区間の最安価格での乗りつぶしで訪れたのだと思います。香春駅前の無残に削られた香春岳が印象深く残っています。車窓も良くある筑豊の風景というのでしょうか、低い山と少しの平地が混ざり合った、平凡な車窓だったと記憶しています。
途中の大任駅は無駄遣いとして有名な未成線の油須原線接続駅でしたが、すでにレールが一部敷かれいつでも走りそうな雰囲気がありました。当時噂で地元用の秘密列車が走っているというのを聞いたことがありましたが、それくらいしっかりしたレールが敷かれていました。
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