解説

おもちゃのような電車で中もかなり窮屈な感じでした。 軌間762ミリ、軽便鉄道の生き証人のようだった「下津井電鉄」。現在の岡山県倉敷市に走っていた鉄道で、急勾配をギシギシ音をたて吊り掛けモーターをうならすその走りっぷりは、電車版南部縦貫鉄道といった感じでした。普通の電車よりふた周りほど小さな車内は、沿線顔なじみの団欒の場でした。

元々の路線はJR宇野線茶屋町から下津井までの20.8Kmを路線としていました。しかしモータリゼーションの影響で旅客数が減少、茶屋町-児島 間が1972年春に廃止となり、残り区間も道路整備が進む瀬戸大橋開通後廃止となることが決められました。

ただ、瀬戸大橋開通後の開通フィーバーで観光鉄道として残そうという動きがあり、児島駅の改築やヨーロッパから中古車両を輸入するなど、生き残り をかけようとしました。しかし、開通フィーバーの熱も冷め始め、思ったほどお客さんも集まらなかったため、結局予定通りの廃止となってしまいました。

廃止後は遊歩道などに転用されたりしたようですが、下津井か児島駅は保存するかどうか悩んでる~って感じの電車置き場(まだあるのかな?)になっていました。きちんと整備したらいいのにと思いますが、この電車、あまり地元には愛されてなかったのでしょうかね。

下津井駅はローカルムードたっぷりでした。 岡山にはこの下津井電鉄の他にも岡山臨海鉄道や同和鉱業などの小私鉄王国でしたが、今や岡山電気軌道と水島臨海鉄道だけになってしまい、近代的な車両が整備されて雰囲気も変わってしまいました。

軌間762ミリの鉄道も三岐鉄道北勢線、近鉄八王子線・内部線だけとなってしまいましたが、現役として残っているほうが奇跡かもしれません。


思い出

もう少し足重に通ったらよかったというのが今の感想、鷲羽山のあたりで海をバックにいいロケーションがあったのですが・・。

観光鉄道としてもう少しやりようがあったのかなって思ってしまいます。へろへろのレールの上を激しく横揺れする列車は、超昭和な雰囲気だったのですが・・・。

PHOTO GALLERY

◆東下津井~下津井

・オメガカーブがあった有名な撮影スポット。今も線路跡は残っていますが周りの風景は変わってしまっていんでしょうね。

     -1990.2.21

・海のほうをバックにするとこんな感じに。

    -1990.2.21



・次の列車は富士フィルムの全面広告車。デジカメ時代の今だとフィルムって何?って世界なんでしょうね。

    -1990.2.21


・下津井方向はカーブの大回りが撮影可能。カーブ付近の緑のフェンスはマニア対策?とっても邪魔でした。

       -1990.2.21


・ちょっと角度を変えると瀬戸大橋が何とか写り込みました。

    -1990.2.21





◆下津井

・終点らしい駅。木造駅舎もありましたが廃止後はつぶされたのかな?保存されるかなっ思ってましたが意外とばっさりでしたね。

     -1990.2.21

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