解説

西浜松のJT専用線は 浜松駅と高塚駅の間にあるJR貨物西浜松貨物駅から分岐していた専用線で、日本たばこ浜松工場への路線とJR東海レールセンターへ続く(こちらは現存)路線の2路線から成り立っていました。

JRと専用線の分岐は貨物駅ヤード北側で、新幹線をくぐり北へ伸びるへろへろレールがそれにあたり、井戸田第二踏切手前で別れたレールは、西側はまっすぐJTのほうへ、東側はレールセンターへ伸びていました。

この専用線のスイッチャーはJR東海レールセンターのものが使われました。ブルーにオレンジ警戒色というちょっと保線業務風のスイッチャーで、屋根が大造りで頭でっかちに見えてしまいます。

JT自身はスイッチャーを持たず、貨車の入換は海スイッチャーがやってしまいます。ただ、簡単な貨車の移動は場内にアントがあり、それが使われていました。

運行は平日のみで、空コンテナを朝イチに、満コンテナを夕方に出すパターンで、日中に商品をコンテナに積み込んで出荷するパターンを組んでいました。


入換風景(2010年夏現在)

ここの入換は2012年夏?から午後のみの運行となったようですが、以下、それ以前の入換風景をご紹介。

運転は朝8時頃にレールセンターからスッチャーが出庫。JTの職員が工場から出来るのですぐにわかります。西浜松までの踏切が3ヶ所ありますが自動化されていないため、各踏切にて職員が張り付く体制が取られていました。意外と朝の通勤通学で交通量が多く、人による安全管理は欠かせません。

出庫したDLは西浜松北側にあらかじめ留置されたコンテナ車を取りに行きます。単にスイッチャーとコキ編成をつなぐだけですので、すぐに工場へ移動となります。踏切での安全確認をしつつのゆっくりしたスピードです。この専用線では往復とも進行方向側にスイッチャーが付きます。

場内にはいるとコキ編成を2つに分割する入換をします。1つを荷役線にそのまま残し、もう1つを側線に移動させます。移動が終わると単機ですぐに出てきてJTとレールセンターの分岐点で折り返し。すぐにレールセンター内へ入ってしまいます。これで午前の運行は終わりです。ほんの15分ほどの短い運行です。

場内では昼前あたりに先ほど分割したコキの入換が行われるようですが、確認はとれてません。アントがいるので、それを使った入換をしてるのでしょうか。

午後は15:30くらいに再びレールセンターからスイッチャーが出てきて、スイッチバック後JT工場へ入り、朝入れたコンテナ車を引き出します。午前と同じく職員が出てきて踏み切りに立ち、列車を西浜松まで見送ります。コンテナ車を西浜松構内の所定の場所に置き終えるとすぐに単機で戻ります。そのままレールセンターへ入って運転終了です。

ここの運行は工場側の専用線入口門が閉まってるとウヤ。レールセンター入口は新幹線施設ということで厳重管理されているため、スイッチャーが出てくるそのときだけしか開きません。


(現存するレールセンター線はこちら)

PHOTO GALLERY

■時系列:午前コキ引き取り

・8時前、工場入り口の門が開かれ係員が出てきます。

    -2010.6.10

・続いて工場門となりにあるレールセンターの門が開かれスイッチャーが出てきます。こちらの門は開けっ放しにできないので一旦乗務員が下りて開閉作業をします。

    -2010.6.10


・草ぼうぼうのアプローチを進み最初の踏切の井戸田第二踏み切りを越えます。この専用線は遮断機警報機がないので3カ所ある踏切の監視係として多めの人で対応しています。

     -2010.6.10


・工場へ向け進んでいきます。添乗している人は運転手と入換時の作業員。踏切監視員は工場から徒歩で出てきます。

   -2010.6.10


・西浜松の受け取り側線。ここにあらかじめ持っていくコキが置かれているので、スイッチャーが連結してそのまま引っ張っていくだけでOK。入換作業はありません。

   -2010.6.10


・西浜松での出発準備ができたら踏切係員が交通遮断をしていきます。

    -2010.6.10



・高架橋は奥が新幹線、手前がレールセンターへの引き込み線。踏切の交通量が意外と多いので安全確認のためかなりゆっくりと進んできます。

     -2010.6.10


・緩い勾配を登る感じになります。ここはカーブ内側に入って撮ったほうがいいですね。

     -2010.6.10



・列車が工場へ戻ると踏切係の皆さんが歩いて戻ってきます。

   -2010.6.10





■時系列:午前工場入換・スイッチャー入庫

・工場に入ると編成を2つに分けます。1つをバックで側線に、もう1つはそのまま荷役本線に留置。

    -2010.6.10

・作業が終わるとスイッチャーは機回しをしてすぐに工場から出ていきます。

   -2010.6.10



・アクセントとなる小さな鉄橋を渡って・・・。

     -2010.6.10



・小さな築堤を下りて行きます。

    -2010.6.10



・レールセンターへ入るには井戸田第二踏切を越えてスイッチバンクしないといけません。踏切係が1名残ってスイッチャーの転線を手伝います。

   -2010.6.10


・レールセンターへ続く線路へ入り門扉の前まで進みます。

    -2010.6.10



・門扉の開け閉めで一旦停車。そのあとは所定位置まで移動して午前の入換が終わりです。

    -2010.6.10




■時系列:午後コキ引き出し・引き取り

・晩年はこの仕様で1日1往復になってました。1500過ぎ倉庫前のゲートが開き、係員が出てきて踏み切り各所の配置につきます。

       -2013.12.2  -2014.2.13

・続いて隣のJRレールセンターからスイッチャーが出場です。向こうのゲートは構内が新幹線とつながっているためJTと違って出場後にちゃんと扉を閉めなければなりません。

           -2013.12.2


・スイッチャーはスイッチバックしてJT内にコキを取りに行かなければなりません。まず転線のため踏み切り越えし方向転換。

      -2013.12.2    -2014.2.13


・非自動踏み切りのため安全確認を徹底し・・・。

       -2013.12.2



・工場へとスイッチャーが入っていきます。

       -2013.12.2



・場内では2つの別れたコキをつなぐためスイッチャーが奥まで行ってバックで接続、再び先頭につくため場内を移動します。編成が出来上がるとずぐに工場を出てきます。

         -2013.12.2


・路地裏のような線路を進み西浜松駅へ向かいます。

    -2013.12.2



・貨物駅構内につながるアプローチを進んできました。

        -2014.2.13



・到着のタイミングでJR機が受け渡すコキを入換にて押し込んできます。

     -2014.1.31  -2014.2.13



・続けてスイッチャーが受け取って出発編成を整え・・・。

     -2014.1.31     -2014.2.13



・工場へ向けて出発します。

      -2014.2.13



・路地裏のような来た道を戻っていきます。

        -2014.1.31



・新幹線高架下をくぐって・・・。

   -2014.1.31      -2014.2.13



・工場側から。列車が戻ってきました。

        -2013.12.2



・引っ張ってきたコキを場内へ引き込みます。係員も手前踏切係以外は場内へ戻ります。

       -2013.12.2



・今度はスイッチャーがねぐらへ戻るため出てきます。

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・スイッチャーがレールセンターに入って終了です。

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■JT構内・外観

・建物は解体されるみたいです。アント君もいずこへ。

        -2013.12.2

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