解説

釧路開発埠頭は釧路市西部の新富士地区にあった貨物専用鉄道で、JR根室本線新富士駅と臨海道路を挟んで南にあるオイルターミナルとを結んでいました。距離は1.7Kmと短く、鉄道というよりも企業の専用線という規模でした。

開業は1970年。廃止された雄別炭鑛の新富士~雄別埠頭の路線を譲り受け埠頭線として運行を開始。1977年には西港線も開業となります。その後埠頭線は1984年に廃止され、西港線だけとなりました。

路線は新富士駅構内の端っこから公園隅を通って臨海道路を横断、一旦スイッチバックして石油ターミナルへ入る構造となっていました。機関車の入換は基本貨車を西港ヤードへ押し込む運用でしたが、西港線を走る際はちゃんと機関車が頭についての運行となっていました。

西港駅構内には石油貯蔵タンクが並ぶ中にタキがゴロゴロしていました。1日2~3本の列車設定がありましたが、 晩年は石油自由化(特石法・石油業法廃止)や物流の変化などで鉄道での取扱量が減少。晩年は閑散期の夏季はたまに動くといった感じで、撮影に行っても簡単には撮れない手ごわい鉄道でした。新富士駅でDD51とならぶKD50 02

西港発の石油は確か釧網本線経由の貨物で網走方面や帯広方面へも送られていたと思いますが石油自体は製油所がある室蘭や苫小牧から船で持ってきていたと思います。

現在、この鉄道の廃線跡は不自然に開いた空地くらいでしょうか。踏切はきれいに撤去され、西港構内もきれいに整理されてしまいました。徐々に年数が経つにつれ 痕跡がなくなっていくのでしょう。

なお、この鉄道で使われていたKD1301は近くの太平洋石炭販売輸送に譲渡され、D801として第2の人生を送っています。主力のKD5002は廃車になったと思われます。

PHOTO GALLERY

■新富士

・出発前の入換中のKD50 02。機関庫は向かって右奥にありました。

   -1997.4.23

・石油編成が整って西港へ向け発車・・・といってもすぐに西港についてしまいます。

      -1997.4.23




■新富士~西港

・西港駅の入換が終わって帰ってくる単機。時刻表はありましたが作業が終わると車庫へ帰るので専用線と変わりませんでした。

       -1997.4.23


■西港

・新富士からの列車はすべてスイッチバックの押し込みでの入換。スイッチバック先端から撮ってみました。

    -1996.7.27

・西港での入換は単に機関車が押し込み引き出しだけをしてるのでかなり退屈でした。

    -1996.7.27


・新富士南側の公園の小山や跨線橋からちょっぴり俯瞰もできました。

    -1996.7.27


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