解説

え?これ駅?列車来るの?・・・そんな言葉が出てしまう駅だった紀州鉄道日高川。駅は国道42号線にへばりつくような終着駅で、もはや駅というよりも廃線後の廃駅さながらの様相でした。列車がこなければタダの空き地にしか見えなっかった荒れ方でした。

1日9往復がこの日高川まで運転され、それ以外の列車はほとんど西御坊で折り返していました。廃止に関しては、廃止区間が1駅だったからでしょうか、廃止反対の声も聞きませんでした。 本来の路線計画では日高川を渡る鉄橋を作り、川向こうまでの路線だったとか。そのせいかレールは日高川堤防のすぐ手前まで伸びていました。

もともとこの紀州鉄道は1972年8月まで御坊臨海鉄道と名乗っていました。当時、この鉄道の廃止が検討されていたのですが、ある不動産屋がネームバリュー欲しさにこのつぶれかけの鉄道を買収、紀州鉄道という名前になりました。そんなことから、今の紀州鉄道は売上のほとんどが不動産事業からのもので、この鉄道は不動産会社だといっても過言ではありません。軽井沢の別荘地など、各地でたくさんの不動産開発を行っています。

とうの昔に廃止となっていたろう路線が、今は企業の沿線への社会貢献として、一部区間は廃止になったものの、初乗り100円という破格値でサービスを提供しています。


想い出

18切符を使って1日4本しかない列車を乗りに行ったのを覚えています。夏の暑い日で水を求めて西御坊まで歩きで戻りましたね。

PHOTO GALLERY

■日高川

・廃駅かと思うようなあれた駅。気動車のエンジンがかかってなかったら廃止後放置されたような雰囲気です。

     -1986.8.30


・日高川の堤防から。駅全体がよくわかりますね。

   -1986.8.30




■紀伊御坊

・岡山臨海から来た気動車は営業運転をやったんでしょうか、ずっとここに止められてましたね。

    -1986.8.30


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