解説

虹の郷(にじのさと)は静岡県伊豆市の修善寺の西に位置するテーマパークで、園内をイギリス村、カナダ村等などいくつかの国ごとのテーマを持った村でブロックし、それぞれで各々の文化を体験できるアトラクションや建物を配置しています。

面積は東京ディズニーランドとほぼ同じ大きさとかなり広く、また山間にあるせいか勾配が結構あるため、それぞれの村を結ぶ交通機関の1つとしてこのロムニー鉄道が運行されています。

このロムニー鉄道はイギリスに現在も存在する軌間381mmの15インチゲージ鉄道である「ロムニー・ハイス&ディムチャーチ鉄道(Romney, Hythe and Dymchurch Railway)」と「レーブングラス・アンド・エスクデール鉄道(Ravenglass and Eskdale Railway)」を模したもので、機関車は実際ロムニー・ハイス&ディムチャーチ鉄道とレーブングラス・アンド・エスクデール鉄道で使われている同型機をイギリスから輸入したものが使われています。

公園の園内鉄道と同じなのですが鉄道は本格的で、起伏にとんだ園内での走行はかなり絵になる鉄道です。ゲート付近のイギリス村と西端にあるカナダ村の約1.4km(路線長は2.4Km)を結んでいます。

路線は運行管理上エンドレスループの構造となっており、左回りで運行されます。イギリス村ロムニー駅もカナダ村ネルソン駅もループ上に駅が設けられ、機関庫はロムニー側にあります。イギリス村側のループは結構大きくなっており、山間を行く登山鉄道のような風景を走り、遊戯鉄道とは思えないリアルな雰囲気となっています。

機関車は4台のDLが担当します。DLはSL風のものとDLそのものとがあり、通常2編成が入るダイヤとなっています。イギリス村ループのたもとに車庫が設けられ、車庫に併設して展示館もあります。展示館には実際にイギリスで使われていたSLが展示されています。

ループ同士の中間部分は複線となっており、列車がぶつかり合う方向にお互い走らないようになっています。この区間は築堤の上を走るため妙にリアルな感じがします。カナダ村側のループには短いトンネルと鉄橋もあり、なかなか渋い味を出しています。

使われる客車は2タイプあり、クローズとオープンスタイルとがあります。クローズのタイプはレイヴングラス&エスクデール鉄道のオリジナルのものを使っており、木彫の車内はいい雰囲気です。

車内は15インチゲージに合わしているため少々窮屈で、大人はかがんで入らないと乗れません。おもちゃの鉄道といってもいい感じです。

乗車にはテーマパークの入園券に加え、片道大人400円、小人200円が必要となり少々高い感じはするのですが、乗車はお勧めしたいと思います。特にカナダ村からイギリス村への方向がお勧めで、イギリス村ロムニー駅手前で右手に大きく風景が広がるところは景色もよく、高原鉄道の雰囲気があっていいでしょう。

運転間隔は30分ヘッドで、ゲートから入ってすぐにイギリス村駅があるのでそこで時刻を確認しましょう。片道10分の所要となります。

なお、園内には匠の村などでソバ打ち体験などいろいろとちょっとした体験型のエンタテイメントがあるので、1日ゆっくりすごすのもいいでしょう。ただ鉄道だけ目当てであればイギリス村とカナダ村だけで十分でしょう。


 ※虹の郷

PHOTO GALLERY

■ロムニー

・ロムニー駅はゲート入ってすぐにある駅。こじんまりしたイギリスの田舎風の駅舎で味があります。

   -2007.5.27

・駅舎の中は駅というより遊園地のような感じもします。切符は軟券を売っています。

      -2007.5.27



・ホームは低床ですがそれ以上に車両のスケールが小さい。

     -2007.5.27



・遊戯鉄道とはいえ、機関車はしっかりしており、ロムニー駅も立派なつくりなので、パッと見は普通の鉄道に見えてしまいます。

       -2007.5.27




■ロムニー~ネルソン

・大きな築堤を進みます。どこかの山岳鉄道のような雰囲気です。

      -2007.5.27

・遊戯鉄道とは思えない雰囲気です。

        -2007.5.27



・SLタイプのノーザン・ロック2号がやってきました。

     -2007.5.27



・ミニゲージとはいえしっかりした編成に見えます。

    -2007.5.27



・15分間隔運転だとこのあたりで列車のすれ違いとなります。

       -2007.5.27



・緑の中を行く田舎鉄道の雰囲気がよく出ています。

        -2007.5.27



・本物の鉄道にしか見えませんが・・・。

     -2007.5.27



・ネルソン駅を発車した列車がやってきました。

    -2007.5.27




■ネルソン

・ロムニー駅に比べ遊園地っぽい雰囲気があります。

      -2007.5.27


■ネルソン~ロムニー

・ロムニー側のループ部分。もはや登山鉄道といった様相です。

    -2007.5.27

・眺めのいい区間にある道路を跨ぐ鉄橋。

   -2007.5.27


・ロムニー駅到着前の大カーブを曲がって列車がやってきました。

        -2007.5.27



・今度はジョン・サウスランド2号。ほんと、この風景はヨーロッパの山岳鉄道って感じですよね。

          -2007.5.27





□機関庫

・なかなか本格的な機関庫です。建物自体は博物館も兼ねています。

   -2007.5.27



□15インチゲージ鉄道博物館

・車庫を兼ねた博物館。C11そっくりのレプリカも展示されています。C11は営業運転には出ません。

      -2007.5.27

□客車

・中は木製のクロス配置。かなり窮屈で屈んだ姿勢は崩せません。

      -2007.5.27

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