解説

#本専用線はすでに廃止されています。

JR関西本線南四日市駅からは南に位置するJSR四日市工場へ伸びる専用線があります。関西本線を南北に挟んでかつては西側東側の専用線がいくつかあったようですが、現在は東側のJSR行きだけとなっています。このJSR専用線もさらに南に平行して三菱化学まで伸びていました。

距離は1kmとちょっと長めなのですが、ほぼ関西本線に平行して伸びているため、へろへろ感はそれほどありません。工場入り口付近で少しだけ進路を東に振りますが、ほぼ線路伝いと言っていいでしょう。場内ヤードは柵や樹木で囲まれていますが、積み込みエリアは南北に長いため、ヤード入り口から中の様子が覗けます。

機関車は2台あって山九が担当。南四日市駅東側にちょっとしたヤードがあり、そこに2台が野ざらしで置かれています。青の2軸車がL型、凸型それぞれ1両あり、日によって使い分けされているようです。

荷はすべてコンテナで、昼前後に南四日市に到着するコンテナ列車がJSRの荷とつながっています。運転は平日のみ(土日運休、祝日も運休)で、午前、午後の2往復が設定されています。

この2011年春のダイヤ改正で、南四日市発着の列車が臨時列車に格下げとなりました。現在もこの専用線の運行は以前と変わりなく続いているようですが、あるタイミングでトラック化されてしまうのかもしれません。


入換風景

朝は8時前に前日到着分のコキをそのまま工場へ搬入します。10分ほどかけて工場前まで進みます。工場前には門があり、まず門の扉を開きます。またその前を公道が走っていますので、車の通行確認を行って踏み切りを操作し横断、DLがそのまま引っ張って場内に入っていきます。

編成が場内に入るとすぐに門を閉じ、一番奥にある荷役場までコキを牽引。編成をさらに短くするため入換作業が始まります。通常奥の荷役場だけの使用なら入換中は門の手前まで出てきても、場内ヤードのリーチが長いため外に出てくることはありません。ただ、入り口側にある荷役施設から出す場合があり、そのときには配線の関係上、列車が外まで出てきます。

それぞれ小分けされたコキへの積み込みが終わると編成をまとめる作業を行い、駅へ帰る時間までしばし休憩です。10時ごろに門が開かれてDLを先頭に列車が出てきます。係員がまた門を閉めるため、一旦列車は停止。閉門すると再び動き出し、南四日市駅南側すぐの踏み切り手前で一旦止まります。

通行量の多い道路なので係員がタイミングを見て踏み切りを操作。列車は一気にヤードへ引っ張っていきます。続いて、前日午後にひっぱり出してきた同編成に連結、束ねて1本の編成に仕立てて午前の入換が終了します。

そのあとJRコンテナ列車が到着し、JR機による入換が行われ(といってもコキに機関車が増解結し転線するだけ)、仕立てた編成を引っ張って出発します。

13時から再びDLによる入換がスタート。到着したコンテナ編成を2つにわけ、1つを工場に午前と同じように引き込んでいきます。入換といっても単に連結器をはずして引っ張るだけなので大げさな入換はありません。

工場に到着すると午前と同じように作業を開始。帰りは15時頃に同じように工場から南四日市駅まで搬送され、DLがコキから切り離されて留置場所へ移動して作業が終了し、専用線の1日が終わります。

ここの専用線は基本的にコンテナだけなので、かなりシンプルな入れ替え作業となっています。つなげたり切ったりは工場内だけで駅構内は単純な増解結だけとなっています。


撮影ポイント

線路に並行する道路から自由に撮影できますのでお好きなところでどうぞ。なお、車で行かれる場合は平行する道の幅が十分でなく、また交通量も多いので、駐車場所には注意が必要です。

なお、四日市近辺には、塩浜、四日市、四日市港とこの南四日市以外にも3つも専用線が固まっています。運行時刻についてはいろんなブログサイトを読み解けば最新情報をゲットできますので、まとめて回ると効率的でしょう。


 GoogleMap

PHOTO GALLERY

■南四日市

・午前の工場出荷から帰ってきて入換スタート。昨日運び込んだコキとつなぎます。

       -2010.8.31

・午前の入換終了。あとはJR機が来るまでお休みです。

    -2010.8.31



・午後便到着後の入換。単にDLを切り離し定位置に戻すだけの簡単な作業で終了です。

       -2010.9.3



・2台の専用機たち。

   2   -2010.8.31     -2010.9.3



・土曜日動いてるかな、期初だからないだろうなあと思いちょっと寄ってみると案の定動いてませんでした。

   -2010.4.24


・田植え前の水張りが終わり春らしい風景になりました。

       -2010.4.24



・DB25が動いてるシーン。

    -2011.2.8



・お昼の入換え風景を駅サイドから。係員が出てきたら入換の合図。到着しているコキを分割するだけなので入換というよりスイッチャーの転線作業ですね。

         
   10 11 12 13 -2013.5.9



・駅ホームサイドからの場内風景。昔は貨車がウロウロしてたんでしょうね、かなりの省力化です。駅も知らない間に無人駅になっちゃいましたし。

          -2013.5.9





■南四日市~工場

・午前便がやってきました。工場門あたりから撮影。踏切手前で安全確認のためいったん停車します。

       -2010.8.31

・工場門の開門と踏切操作が終わると場内へ入っていきます。

      -2010.8.31



・午前便の帰り。この日は凸型のDB25が動いていました。踏切を渡った後、工場門を閉めるためいったん停車します。

       -2011.2.8


・南四日市駅南側にある踏切手前でもまたいったん停車。何度も撮影チャンスがあるのでありがたいです。

     -2011.2.8


・こちらは午後便。日の当り方が変わるだけで変化はありません。

        -2010.9.3



・午後便西側からだとこんな感じ。まだ日が回りませんね~。

           -2013.5.9



・午後の入場は日のあたる西側から撮りました。

       -2010.9.3



・午後便の駅への戻り列車。踏切前でいったん停止。踏切操作後構内へ入っていきます。

       -2010.9.3





■場内

・場内に入ると荷役の関係でしょうか、コキ4両を2両2両に分割します。門から普通に観察可能です。

    -2010.8.31

・南側から場内をみるとこんな感じ。外から見えるからということで拡大解釈で撮影しましたが、ちょっと怪しげな撮影の仕方になるのでお勧めできません。隣接する陸橋からも撮影できそうですがかなり顰蹙だと思います。

   -2010.9.3


・発車前の仕立て。柵越しに容易に撮れるのですが、なんか隠し撮りしているような感覚になるので気が引けます。

        -2011.2.8


・出場シーン。柵手前までやってきてからの開場です。

       -2011.2.8

▲TOP