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Page Start 207.6.30 最終更新日【2015.8.9】
専用線「二塚」 (中越パルプ高岡工場(二塚)専用線)
DATA
中越パルプ工業高岡工場(二塚)専用線
JR城端線二塚-工場 1.4km

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解説
二塚専用線は2015年9月30日の運行をもって廃止となりました。

専用線「二塚」はJR城端線二塚駅から南に位置する中越パルプ高岡工場(二塚)までを結ぶ1.4kmの工場専用線です。

二塚駅は一見典型的な小さなローカル駅(2面3線)ですが、ここの中越パルプ向けに1日2往復のコンテナ列車が発着します。2015年度の貨物時刻表から消え、今年度中の廃止が決定。メインスイッチャーの車検が切れる7月末説や上期末の9月末説などいろいろ出てますが廃止自体は決定したのですでにカウントダウンは始まってます。

荷主は中堅製紙メーカー

中越パルプ工業は北陸を基盤とする中堅製紙メーカーで、高岡工場は能町とこの二塚の2つをまとめて高岡工場と呼んでいます(以前別々だった組織を1つにまとめた)。どちらにも専用線が延び、現役で使われています。

二塚の高岡工場は新聞雑誌用の紙を製造しています。これまで鉄道による出荷業務はほぼ毎日行われ、基本は祝日含む平日・土曜運転で、出荷状況により日曜日も加わってました。現在は暫定ダイヤとなってますが、日曜日は運休も土曜日・祝日も一応運転しています。なお7/20から午前便のみの運行となっています

荷は全量コンテナ扱いで車扱はありません。城端線内はDE10が牽引、二塚駅~工場との運行、ならびに場内の入換にスイッチャーが使われます。

スイッチャーは4台?

ここのスイッチャーは確認済みで4台おり、主にライトグリーンの25t機「DB251」が使われます。場内入換もほぼこのDB251が使われますが、南側荷役線利用の入換限定でおんぼろ10t機半キャブの「257」または廃止された神岡鉱業からやってきた旧KM252の「DB252」が使われます。L型の赤の20t機「303」はDB251の代車のようですが、どういうパターンで動くのか不明ですがたまに使われているようです。

運転管理は中越テック(子会社)が行っており、工場近くに作業者詰所があります。工場内の荷役線は北側(工場門に向って左手)と南側(右手)の2カ所あるように思われます。基本北側荷役線が使われますが、南側は午後の入換時に使われ、その際10t機が専用に入換で使われるようです。南側でのコンテナ積み込みは行われているかどうかは不明です。


入換風景-2015年度暫定ダイヤベース:長くて読む気しない場合は下へ↓

場内の入換は以前より1時間ほど繰り上がって朝8時くらいからスタート。高い塀に囲まれており場内の様子は正門前か裏手庄川堤防からの観察となります。

午前は北側の荷役線から出荷します。GoogleMapで見る限り、荷役線は長い1本と側線1本、積み込み場所は建屋内と屋外の2つに分かれていると思われます。入換単位は4つに分けられ(JR貨物編成2便を各2分割)何らかのルールにしたがって入換をしているものと思われます。機関車は場内の線路の構造上、基本、南側に付く運用をしています。

午前入換は2つに分かれたコキ編成を1つに束ねます。1回はバックでコキを引っ張りにいくので、側線+荷役線の2編成を束ねている感じです。

9時半ごろ、列車の調えが終わると工場から貨車を推進運転で押し出してきます。貨車先頭にガイド役となる係員が添乗。編成が長いので(コキ10~12両)安全確認がたいへんそうです。交通量のある2車線道路との踏切信号「二塚踏切」までゆっくり進みます。

ここで信号切り替えのため列車は一旦停止。押しボタンをポチッと押して車道信号を赤にしてそのまま進みます。もう1カ所二塚駅までの途中に踏切があり、ここでも安全確認のため徐行(遮断機のない踏切)します。

二塚駅手前で一旦停止。本線へのポイントを切り替え、そのまま上り待避線へ本線を横切って押し込んでいきます。ここまでの一連の作業で約15分。押し込みが完了するとJR到着まで時間があるため、単機で一旦工場のほうへ戻っていきます。工場まで戻らず二塚踏切と工場正門の間にある中越テックの詰め所前に待機します(8:50くらいには戻っている)。

続いてJR編成が到着する時刻になると、詰所から再び単機で二塚駅へ。わざわざ中越テック前までスイッチャーを戻すのは何か理由があるのでしょうか・・・。詰所を9:35頃に発車。JR編成がつく前に本線ポイント手前に到着しJRの到着を待ちます。

JR編成は下り線ホームに入ってきます。運転本数も限られる城端線とあって、本線をまるまる使っての入換が行われます。JR編成は一旦ホームに停止後すぐ機関車を切り離します。JR機は上り線ホームへすぐ転線しいったん停止。続いて頭がなくなった編成に待っていたスイッチャーがそのまま連結され、すぐさま工場へ向けて出発です。

工場への引き込みは安全確認が容易なためか、5分ほどで工場正門前まで来てしまいます。編成をすべて場内に入れず、正門前で分割します。コキの5~6両目あたりが場内に入ったあたりで一旦停車。後ろ側コキを切り離し第一編成が場内に入っていきます。

北側荷役線へはスイッチバックで入ります。南側へ一旦進んだ後、スイッチバックし推進運転で荷役線に押し込んでいきます。その姿が正門から確認できます。

荷役線への押し込みが終わると単機でまた正門前まで戻ってきます。線路上に残った編成を同じように北側荷役線へ押し込んでいきます。2回目の押し込みは結構時間をかけて行ってます。側線を使ってちょっとした入換を行ってるかもしれません。

二塚駅に残った高岡行き編成は、JR機を留置した編成にくっつけるだけの簡単な入換で完了。ただし側線から発車できないルールのようで、1130すぎの普通列車が出発した後2番線上りホームへ列車をいったん引き出して押し込み転線します。発車時刻になると高岡へ向けそのまま出発となります。高岡からは富山貨物までそのまま牽引していくようです。

午後の入換は13:00過ぎから。午前と同じ動き+南側荷役線に留置されたコキ編成を連結して編成を仕立てて出てきます。どうもよくわからないのが南側荷役線にいるコキ編成。ここで積み込み作業はしてなさそうなので、北側荷役線に回すための順番待ちで待機している感じです。

午後の入換は13:00-40頃、午前と同じ推進運転で工場から出てきます。午前同様15分ほど時間をかけて13:45頃二塚駅に到着。上り待避線へ押し込んで単機で工場へ帰ります。

午後便は午前便のように中越テック前で小休止せずそのまま工場へ戻ってしまい、場内の入換を行います。おそらくこのとき南側荷役線で待っていたコキ編成が北側へ押し込まれ、入換作業が行われるのでしょう。南側荷役線に常駐している?257かDB252が北側荷役線へ押し込むのか、DB251がやってのけるのか、次回訪問時に観察したいですね。



入換が終わると単機で工場から出場。JR編成到着前に二塚駅手前で待機します。午前と同様、JR機が転線し頭がスイッチャーと入れ替わります。14:50頃二塚を出発します。

工場まで来た編成は午前と同じく正門前で2分割します。最初の編成は午前同様北側荷役線へスイッチバックで押し込みます。南側から送り込まれた編成をどうしてるのかが気になりますが、ホイッスルが何度か聞こえるので入換まがいのことしているのでしょうか。北側には側線が1本ありますから、そこへぶち込んでいるのかもしれません。

その後スイッチャーは戻ってこず、放置されたコキ編成はどうなるのかと思ってると、平日は別のスイッチャー10t機(またはDB252か303)が正門前まで出てきます。10t機「257」塗装が剥げて少々痛々しい外観でよく動くなあというのが印象です。(どうもDB252は調子が悪いようで調子のいいこのおんぼろ10t機を使っているようです。)土曜日は単にコキがつながったままのスイッチャーがお尻だけつけて引き込んでしまい場外にスイッチャーは出てきません。

この後場内への引き込みが終わると入換が終了するのか静かになります。おそらくこれで1日の作業が終了するのでしょう。

[簡単入換時刻「たぶん」(誤差±10-15分):2015.7現在 日曜日運休]
 8:00~8:30 工場内入換
 8:30~8:45 工場→二塚
 8:48~8:50 二塚→中越テック(単機)
 9:35~9:38 中越テック→二塚(単機)
 9:45~9:55 二塚駅構内入換
 10:00~10:10 二塚→工場
    -------- 工場内入換:編成2分割
    -------- 工場内入換
 午後便運休~

     -------- 工場→二塚
    -------- 二塚→工場(単機):土曜日?は中越テック止
    -------- 工場内入換:土曜日はなし?
 14:25~14:28 工場→二塚:土曜日は中越テック発?
 14:45~14:50 二塚駅構内入換
 14:50~14:55 二塚→工場
 14:55~15:? 工場内入換:編成2分割
 15:10~15:15 第二編成引込


撮影ポイント

この専用線の魅力は途中集落内での併用軌道風のところ。ヘロヘロレールの雰囲気がいい感じです。機関車がなんともオーソドックスなのとコンテナ牽引ということで味気ないのですが、短い路線ながら風景に変化があります。

距離がそこそこあるので、田んぼが広がるシーンから工場をバックに撮れるシーンなど、絵になる写真を撮ることが可能です。庄川堤防からも電線など邪魔が入るも場内が覗け、 正門前と違った入換風景も見ることができます。

撮影に関してはいろんな方があちこちから来るからでしょうか、危険行為さえしなければ比較的問題なく撮ることができます。正門前からの機関車出場シーンの撮影もあまりとやかく言われませんが、トラックの出入りがあるため安全には十分気を付けなければなりません。マナーを守って楽しい撮影に興じましょう。

[二塚駅JR貨物発着時刻:2015.3現在]
 午前便 到着0941 発車1215
 午後便 到着1425 発車1554

「鉄道がある風景」/RailScape
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