解説

専用線四日市はJR関西本線四日市駅から北に延びる約500mの短い専用線で、コスモ石油四日市製油所で精製されたガソリンや軽油などを貨車を使って出荷します。

ちょうどJR本線の脇を走る側線のような配置となっており、線路に隣接する積み出し施設までJR線とほぼ平行に走ります。施設は三滝川堤防を背に国道23号線とJR線との間に位置しています。製油所はもっと海のほうにありますがパイプラインで施設まで引きこまれています。

運転は基本平日のみとなっており、午前と午後、1日2回の入出場が設定されています。冬場の繁忙期には土曜日運転もあるようです。以前は空タキの引きこみと満タキの出場での方法が違いましたが(空タキは四日市駅側線までスイッチャーが引取り、満タキはJR機が入口までやってきて引っぱり出し)、2012年春からJR機がどちらの作業も行うルールに変わってしまいました。

スイッチャーはちょっと新しい感じのL型の北陸重機製2両、12番と16番が在籍。スイッチャーが空タキを引き込んでた時は配線の都合から2台同時運用となり、1台が空タキ荷受け業務を、もう1台が場内入換をする業務を担ってました。12番が場外へ、16番が場内という使い分けをよく見ましたので、ある程度ルールを決めて使ってたのでしょう。今は1台だけなのでもう一方は予備機なのかいなくなったのか不明。


入換風景(2011.12現在)

9時頃に入換がスタート。場内入口の門が開きますのですぐにわかります。ここは現存施設の積み込み能力、油種の違いもあって、多くの車両を捌く入換が必須です。

空タキの引き込みは9:30~10:00くらいの間に出場。係員が出てきて四日市駅構内との連絡確認の構内放送があり、それが出場の合図となります。現在はJR機による引き込みになっています。

スイッチャー時代引取りは事前に留置されたタキ編成を取りに行くだけなのであっという間です。単機で出てきて結構猛スピードで四日市構内へ。スイッチャーが編成を連結するとすぐに場内へ戻ります。スイッチャーは頭について場内へ入ります。場内へ入った編成は北の端っこにあるスイッチャー車庫の中の限界線まで入って行き、このスイッチャーの荷受けの役割は終了します。

続いて場内用のスイッチャーが動き出します。スイッチャーは入り口側について到着した編成をガソリン、軽油、灯油に分割・再編していきます。そのため結構スイッチャーが構内を忙しく動きます。この入換が終わると一旦静まり返ります。

次の入換は満タキの出荷となります。出荷はかなりの重さになるからなのか、JR機が場内まで入ってきて引き取ります。10:30~11:00くらい、ちょうど塩浜からの石油貨物が四日市を出るタイミング、特急南紀が四日市に到着するあたりでしょうか。例の構内放送が流れ業務が始まりますから見逃す恐れは少ないです。

JR機はDE10が使われ、そのまま製油所内に入って行きます。2編成を1つにまとめる入換をしたあと、すぐに四日市駅へ引っ張っていきます。これで一連の入換作業が終了、午前の部が終わります。

午後は同様の作業を1400~1500で引取り、1600~1700くらいで出荷を行うようです。場内入換は入り口付近と三滝川堤防道路くらいしか見ることができませんが、構内の関係から入換でたいてい入り口を越えてスイッチャーが飛び出してきますので、意外と容易にゲットすることができます。


撮影ポイント

駅と構内までの専用線区間では、国道164号線とクロスする踏切まわりや出荷場境界の入り口付近と限られます。場内入換風景は柵で囲まれてまったくうかがえないと思いきや、三滝川堤防道路の堤防上から側線側が、国道23号線歩道からは荷役線側が覗きこめ、意外と簡単に入換風景がうかがえます。ただしあまり覗き込みするような行為は加減してください。

PHOTO GALLERY

◆時系列:朝イチ場内入換

・スイッチャーがまず入口手前まで出てきます。門向かって左奥にある荷役線の貨車を動かします。

          -2011.2.8

・両数によっては結構外まで出てきます。このあと迎え入れる空車のためのスペースつくりを行います。

           -2011.2.8


・別の日の朝の入換。この日は空車の引き込みがウヤで、単なる場内入換だけで終わりました。知らない間に16番の向きが逆になってました。

           -2013.1.4


・入れ替え中に特急に貨物に、いろんな列車が横をかすめていきます。

     -2013.1.4



・敷地外までしっかり出てきます。。

       -2013.1.4




◆時系列:朝四日市駅空車引き取り

・引き取り有無は写真の四日市駅構内の側線にタンク車編成があるかどうかで判断。ウヤのときはここにタンク車が並んでいません。写真1は運転あり、2はウヤ。

   -2011.10.11  -2013.1.4

・こちらはスイッチャー引き取り時代のもの。今は出し入れともJR機がすべて行います。いつも低屋根の12番が引き取り役でした。

        -2011.10.11


・側線に入るとスイッチャーは単に連結するだけ~。本線の列車はお構いなく、準備ができたら出発進行!

     -2011.10.11


・チビなスイッチャーなのに結構なスピードで飛び出してきます。

     -2011.10.11



・一気に製油所へ運び込みます。

      -2011.10.11



・係員が1人入り口で降り、そのままスイッチャーは突進していきます。

       -2010.8.31




◆時系列:朝空車引き込み後入換

・列車の引き込みが終わると引き続き入換が始まります。場外には結構外まで出てきます。スイッチャーは16番に交替です。

          -2011.10.11

・年に1回ずつくらいでスイッチャーの向きを変えるんでしょうか。撮った日で向きが違いますが中に転車台はないのでクレーンなんかを使ってまわしてるんでしょうか。

           10 11 -2010.8.31


・入換中に四日市港へ行くセメント列車が通過。

   -2010.8.31



・入換は盛ん。堤防側から覗くとこんな感じ。12番くんはお休みしてます。

          -2011.10.11



・空車を捌きながら積車を仕立てていきます。

        -2011.10.11



・積車の引取りの合図でもある南紀号が通過。

   -2011.10.11




◆時系列:朝積車受け取り

・四日市構内に止まっていたDE10が動き出します。

      -2011.12.19     -2013.1.4

・四日市駅から迎えのDE10がやってきました。塩浜からの石油貨物も同じような時間に発車するので撮影はバタバタ。

         -2011.10.11


・DE10が構内に入ったくらいで塩浜石油列車が通過です。迫力ある写真が撮れるのですが完全逆行で曇天時だけきれいに撮れます。

     -2011.10.11


・北から見るとこんな感じでDE10が入ってきます。DE10自身で2編成を1編成にまとめます。

         -2011.2.8



・編成の組み立てが終わったら駅へ戻ります。

           10 11 -2011.10.11



・積車引き出しが終わるとしばらく静まり返ります。

       -2011.2.8




◆四日市駅構内

・いまどきこんなにDL牽引列車が来る駅なんかあるんでしょうか。ここまでDD51が活躍するのはもう四日市界隈だけですね。

          -2011.12.19
   10 11 12 -2013.1.4


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