解説

ブダペストを走るトラムは総延長200Kmを越えるスケールの大きい鉄道網で、地下鉄と併せ市内所要箇所を隈なく網羅しています。運行は地下鉄など市内交通機関を統括するブダペスト交通(BVK)が行っています。BVKのチケットで乗車可能で運転系統は市内中心や地下鉄駅に集まるよう工夫され5~15分間隔のフリークエンシー体制がとられています。

系統は全部で27(バス代行除く)あって、経路毎に番号がふられる形となっています。また区間運転は番号末に「A」が付きます。また「V」がつく系統はバス代行となっています。系統の基本構造は、環状運転系と郊外連絡の組み合わせであり、路線に概ね1~2系統が乗り入れ街中心部で重複区間を作って本数増を図るという感じです。

4番、6番は市内中心部の環状幹線、1番は高架道路を行く外環幹線、ドナウ川沿いに走る観光客が利用しやすい路線は2番と19番です。メトロ4号線の工事が終わり、ほぼ以前の形に戻りましたがモスクワ広場発着路線で番号改変と17番がバス転換されてしまいました。

トラムも地下鉄同様の信用乗車システムを採用しており、乗り降りはどのドアからでも自由です。ただし車内検札や乗降場での検札は頻繁に行われており、乗車券がなかったりチケットに刻印してない場合は有無を言わさずの罰金となります。

車両は旧共産圏らしい古めかしいものがチェコで作られたもの、90年代風のカクカクした外観のものは西ドイツからの中古輸入品で、全般的に連接車が多用されています。トラムカラーである黄色をベースとしたカラーリングは東欧らしく、ブダペストの古風な街並みにもよく似合います。

また一部路線には古豪車両が走り、吊革がほんものの革製で白熱灯に木床の古びた車両なんかあって、レトロな感じがなかなかGoodです。寒冷地なので冷房車はなく、たまに夏場に暑くなる日があると蒸し暑くなりますが、空気が乾燥しているため窓を開ければさわやかです。

郊外まで延びる線では専用軌道区間もありかなりしっかりとした路線となっています。特にモスクワ広場のトラム乗り場は乗り入れ系統が多く、敷地もかなり大きいので往年のトラム全盛期を彷彿とさせます。広場にならぶトラムは圧巻です。

2007年にはヨーロッパ各地ではやっている低床タイプの連接車(ジーメンス製:コンビーノシリーズ)が本格導入され、今後もこうした低床タイプの車両を増車していく方向にあります。この車両、1編成貫通路接続にて54mと、世界一の長さを誇っています。旅客の多い4番、6番の市内環状路線に新型車が投入され、いずれ全編成を置き換える計画になっています。ただしここ数年は財政難で新型車への置き換えはストップしてます。

ブダペスト鉄道路線図(PDF)


Tips

回数券(左)と一日乗車券 有名どころはたいていトラムでいくことができます。泊まるホテルにもよりますが、1日券を使って地下鉄もうまく活用すれば最速の市内観光が可能です。歴史のある街なのでいろんなスポットを訪れてみてください。

旅行ガイドブック(地球の歩き方など)はトラムナンバーも地図に記されているので便利です。そちらをぜひ活用してください。

PHOTO GALLERY

■系統4・6:MOSZKVA TÉR VÁ.

・幹線であるトラム4・6番はコンビーノにどんどん置き換えが進んで旧式はあとわずか。

       -2009.10.15



■系統4・6:MARGIT HÍD, BUDAI HÍDFŐ

・系統17番とHEVの乗換駅。結構な乗降があります。

   -1999.8.13



■系統4・6:MARGIT HÍD, BUDAI HÍDFŐ~MECHWART LIGET

・マルギット橋のドナウ川を渡るシーンをサイドから。今はコンビーノがメインで走ります。

    -1999.8.13    -2009.10.14

・くさり橋からだとこんな感じ。

     -2009.10.14



・マルギット橋の上で。

     -1999.8.13




■系統4・6:Corvin-negyed

・M2との乗換駅でもあり、乗客がすごくたくさんです。朝のラッシュ時なので特にそうなってるかもしれません。

        -2009.10.15



■系統4・6:Boráros tér

・ヘーヴの乗換駅。こちらもかなりの混雑です。

     -2009.10.15



■系統4・6:Boráros tér

・ペトーフィ橋を渡るコンビーノ。横から見たら確かに長いですね。

      -2009.10.15



■系統2:KOSSUTH LAJOS TÉR~ROOSEVELT TÉR

・ドナウ川沿いを議事堂脇を走る。絵になるポイント。くさり橋上からやブダ側川岸から撮影できる。王宮の丘からも俯瞰できる。

    -1999.8.10

王宮の丘からの俯瞰。この日は曇天でしたがいろんな角度で撮影でき飽きません。

   -1999.8.13

くさり橋を絡めての俯瞰。

     -1999.8.13



くさり橋上から。

   -1999.8.10   -1999.8.13  -2009.10.14





■系統2:ROOSEVELT TÉR

・ドナウ川をバックに早朝の風景。

    -1999.8.14



■系統2:ROOSEVELT TÉR~EÖTVÖS TÉR

・くさり橋たもとからの撮影。バックの白い橋は自由橋。

    -1999.8.10

・時間がたっても変わらない風景がヨーロッパのいいところ。

    -2009.10.14




■系統2:EÖTVÖS TÉR

・このあたりにはカフェなどが並び散策するのもいい感じです。

     -1999.8.10   -2009.10.15



■系統2:EÖTVÖS TÉR~VIGADÓ TÉR

・堤防上を走ります。

    -1999.8.14

・ドナウの船は観光船が中心です。

    -1999.8.10



・王宮からの俯瞰。

     -1999.8.13





■系統2:Boráros tér

・ヘーヴとトラム4・6番の乗換駅でちょっとしたターミナル。ただしまわりに店などはなく単なる乗換えスポットという感じです。

            10 -2009.10.15



■系統19・41:BATTHYÁNY TÉR VÁ.

・HEVや地下鉄との乗り換え駅です。以前は駅前は少々寂しい感じでしたが整備されてきれいになりました。

   -1999.8.13      -2009.10.14



■系統19・41:Batthyány tér ~ Halász utca

・河川敷が整備されてこのあたりもきれいになりました。対岸は国会議事堂がよく見えます。

           10 -2009.10.14

・教会もあって絵になる風景です。

     -2009.10.14




■系統19・41:HALÁSZ UTCA~LÁNCHÍD

・並木道の中を進む電車はいい感じです。このタイプのトラムはもう引退したようです。

     -1999.8.13

・ちょっと寂れた感じがいいところです。

   -1999.8.13  -2009.10.14




■系統19・41:LÁNCHÍD

・停留所周りは廃墟の家が並びましたが整備され、くさり橋近辺とあって旅行者の利用が結構あります。

    -1999.8.14

・くさり橋上から。ドナウ沿いを行くいい感じの路線です。

     -1999.8.14



・停留所の周りには何もありません。

     -1999.8.13    -1999.8.14



・対岸から。

   -1999.8.14  -2009.10.14





■系統19・41:LÁNCHÍD~YBL MIKLÓS TÉR

・くさり橋をくぐるあたりはかなりのカーブ。そろそろっと走ります。

        -1999.8.13   -1999.8.14



■系統24:Keleti pályaudvar

・ケレティ駅に入ってくる唯一のトラム。駅前の細い路地から発着します。

    -2009.10.14

・ケレティ駅バックだとこんな感じ。路地から発車する控えめなトラムラインです。

      -2009.10.14




■系統2・24:Közvágóhíd

・ヘーヴ乗り換え駅でもありトラム2・24終点とあって乗降客は多いです。

        -2009.10.15

・あんまり整備はされてなくてかつてのハンガリーらしさが残ります。

       -2009.10.15




■系統24:Nagyvárad tér

・M3との乗換駅。この日は工事か何かの迂回運転で4番トラムが走りました。

      -2009.10.15



■系統24:Elnök utca~Nagyvárad tér

・外周区間を走る24番はさっぱりした街中を走ります。。

    -2009.10.15



■系統47:DEÁK FERENC TÉR

・M4地下鉄工事中は運休してましたが現在は復活した模様。。

    -1999.8.12  -2009.10.13



■系統18:MIKÓ UTCA~KRISZTINA TÉR

・デリ駅からの裏道路線。静かな住宅街。

    -1999.8.11



■系統18:MIKÓ UTCA

・ヨーロッパらしい町並みのところです。

   -1999.8.11



■系統18・(旧56):MOSZKVA TÉR VÁ.

・モスクワ広場はたくさんのトラムが集まり壮観な風景。現在写真の56番はなくなってます。

      -1999.8.13

・都市部が路面電車時代だった雰囲気が残ります。次々と電車が発着します。

    -1999.8.13    -2009.10.15




■系統61:MOSZKVA TÉR VÁ.

・59番は61番に乗り入れるようになりました。

     -2009.10.15



■系統59:MOSZKVA TÉR VÁ.

・59番乗り場は隅っこにあります。モスクワ広場にはあらゆる種類のトラムが集結します。

     -2009.10.15



■系統59・61:MOSZKVA TÉR VÁ. ~NYÚL UTCA

・かつては56番でしたが今は59番に変更されてます。終点まで専用軌道を走ります。路面電車というより郊外電車の雰囲気です。

     -1999.8.13



■系統59・61:NYÚL UTCA

・フューヴォシュヴォルジュ方面18番と56番トラムは59と61番の交互運転となりました。18番はモスクワ広場どまりとなってます。

     -1999.8.13  -2009.10.15



■系統59:Szent János Kórház

・61番線での59番折返しポイント。ループ構造でくるりと回ります。

      -2009.10.15



■系統61:VÖLGY UTCA~HEINRICH ISTVÁN ÚT

・このあたりまで来るとかなりの山間になってきます。

   -1999.8.13



■系統59:HEINRICH ISTVÁN ÚT~HŰVÖSVÖLGY VÁ.

・最後の終点近くは勾配が結構急です。現在56番はこの路線を走りません。

    -1999.8.13



■系統56:HŰVÖSVÖLGY VÁ.

・終点からはセーチェーニ鉄道駅はすぐ。

   -1999.8.13



■系統62:Örs vezér tere

・へーヴと地下鉄M2の乗換駅とあって回りは結構繁華街。バスターミナルも兼ね交通の要所となっています。TW6000が主に使われてます。

         -2009.10.14


■系統17(廃止):Batthyány tér

・2014.4.13で運行を終了し翌日からバス化された路線。これはなつかしの風景となってしまいました。

  > -2009.10.14

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