解説

西鐵線は元九廣鐵路の路線で、九龍と新界地区の屯門とを結ぶ、開業2003年12月の新しい路線です。開業当初は九廣西鐵と呼ばれていましたが、2007年の港鐵合併後からは西鐵線と名乗るようになりました。

開業当初は九龍側の工事が追い付かず、MTR東涌線と接続する南昌が起点駅でした。2009年8月に南昌~尖東までが開業。先に開業していた尖東~紅磡が西鐵線に編入されて紅磡~屯門の全線開業となりました。

新界地区への九龍からのアクセスはこれまでバスかフェリーだけだったため、西鐵線の開業で利便性が飛躍的にアップしました。また新界地区を網羅していた軽便鐵路(トラム)とも接続。新界の鉄道による公共交通網が完成しました。

新線とあって安全対策から、ホームは天井から床までのホームドアがすべての駅に設けられ、ホームは冷房完備で快適です。

使われる車両はSP1900系で、東鐵線からの乗り入れはありません。編成も7両編成と東鐵線より少なめですが、将来の旅客増対応でホームは10両まで増やすことができるよう作られています。車庫は錦上路駅南側に八鄉車廠があり、東鐵線車両もなぜか留置されています。

現在、錦上路駅から北へ分岐する新線(北環線)も建設中で、中国越境ルートとして東鐵線落馬洲支線落馬洲とつながる予定です。また落馬洲支線に途中駅を新設し、錦上路駅から上水へ抜けるルートも同時に開業する予定です。


沿線風景

基点の紅磡駅はホームがちょっとせせこましい東鐵線との乗換駅。列車はここから南昌まで地下を走ります。真新しいホームは地下鉄という感じでコンコースも広めに作られています。南昌は東涌線との接続駅。下り線、上り線どおしでの同一ホームの乗換えが可能となっています。

南昌~美孚までは地上を走りますがすっきりした地上を走るわけではなく、車窓は楽しめません。次の美孚駅は荃灣線の乗換駅。ここから再び地下を走ります。荃灣西を出ると地下区間からそのまま大欖隧道(トンネル)へ突っ込んでいきます。

しばらく駅間があり、結構長いトンネルです。トンネルを出ると左手に八鄉車廠(車庫)が広がります。錦上路駅はちょっと大作りな駅。ただ、周りは開発途上で野山が広がります。

ここから終点屯門まで高架橋を走ります。新界地区の風景を眺めながら車窓を少々楽しめます。次の元朗駅は繁華街に続くターミナル駅。バスや輕鐵に接続し乗降も多い駅です。

次のターミナル駅は天水圍。低価格団地として開発された天水圍地区の中心駅で、天水圍地区内を循環する輕鐵との接続駅です。

終点屯門は川の上に作られた高架駅。引込み線はなく、単にどん詰まりとなる構造で、島式ホームとなっています。2つの番線から列車が交互に発着します。駅と輕鐵駅とも高架で結ばれており、ちょっと近代的な雰囲気が漂います。駅前は特に繁華街というわけではなく、単なる乗換駅という感じです。


撮影ポイント

駅はフルホームドアとあって、車両をすっきり撮れるお手軽ポイントはありません。高台からいくつか撮影できるようですが撮影はかなり手ごわい路線です。

PHOTO GALLERY

紅磡(ホンハム)

・東鉄線との乗換駅。2面4線の構造となっており、向かい合って列車の乗換えができるようになっています。ここだけホームドアがありません。

       -2010.10.30

尖東(チムトン)

・荃灣線との乗換駅。少し荃灣線駅までは離れています。雰囲気は新線らしいきれいな駅です。

    -2010.10.30

南昌(ナムチョオン)

・東涌線との乗換駅。高架駅なんですが上に高速道路が走り終日薄暗い状態です。

    -2010.10.31

朗屏(ロンペン)~天水圍(ティンソイワイ)

・天水囲駅端っこのガラス越しに何とか撮影できる場所を発見。ただずっと張り付いてると警備員が出てくるので、列車が来る前にコンデジでささっと撮るのがコツ。

    -2010.10.31

天水圍(ティンソイワイ)

・ホームドアのおかげで高架駅でも空調は快適。コンコースも広くて新線らしさが出ています。LRTに接続するのでお客さんは結構多くいます。

       -2010.10.31

・高架駅下の1階が軽鉄ホーム。

   -2010.10.31




屯門(テュンムン)

・どこか日本のニュータウン駅のような、またはソウル地下鉄高架部分のような感じもします。軽鉄乗換駅で南側に乗り換えホームがあります。

      -2010.10.31

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