解説

馬鞍山(マーオンシャン)線は東鐵線大圍(タイワイ)から烏溪沙(ウーカイサー)まで北東に伸びる路線で、九廣鐵路の新線として建設されました。開業が2004年12月とあって新しい路線です。

もともとの名前は馬鞍山鐵路と名乗ってましたが港鐵傘下になってから現在の路線名となりました。線名のとおり馬鞍山地区のニュータウンへの足として新設されましたが、大圍から先、九龍方面を経て香港島の金鍾までの延長工事もスタートしています。この区間が開業すれば東鐵線の慢性的な混雑もかなり緩和されることでしょう。

馬鞍山線は全線立体交差でほぼすべてにわたって高架鉄道となっており、駅などもかなり重装備となっています。走行音の騒音対策として高架橋全線に防音壁と車輪部が隠れる高さでの防音板も敷かれています。また同じ時期に建設された西鐵線とは違い、ホームドアの設置はありません。

車両は旧九廣鐵路の第二世代タイプSP1900型の2次車であるSP1950型が専用で使われ、4両という短い編成で運行されています。各ホーム等は将来の増結を想定して有効長を多めに取っています(6両まで対応)。こちらの車両も防音対策で足回りはカバープレートで覆われています。全列車ともワンマン運転となっており、運転手がドアの開閉を行っています。

またこの路線は他線区と違って右側通行となっています。これは大圍駅での東鐵線乗り換えの便を図るためで、香港唯一の右側通行となっています。現在は東鐵線との乗り入れは行わず、東鐵線とは短絡線が1本あるだけで、基本的には馬鞍山線単体での完結運行となっています。

沿線風景は香港郊外の典型的なニョキニョキマンションの中を進みます。ほぼ高架上を走るとあって眺めはいいですが、マンション群がなんとなく殺風景な印象を与えます。海岸部を埋め立てて作ったニュータウンとあって街の区画は整備されきれいな町並みが続きますがなんとなく暖か味がありません。

騒音対策なのでしょうか、各駅とも地上からホームまでかなりの高さがあり、エスカレータやエレベータがないと乗降がたいへんです。大圍駅の乗り換えも九龍から馬鞍山方面への乗り換えはコンコースとホームとの高低差が大きく、結構手間がかかります。


撮影ポイント

全線高架橋で防音壁が高いとあって、あまり撮影にお勧めするところがありません。大きなカメラを構えると係員に注意されることもあります。ちょこっと撮るのはいいようですが、お気を付けください。

<厳重注意>香港では2024年春に国家安全条例(いわゆる反スパイ法)制定され、鉄道の撮影も対象に入る恐れが出てきました。香港島の二階建て電車やピークトラムなど観光色が強いものやスマホでの撮影レベルは大丈夫そうも、港鐵や城際列車などの香港のコアとなる鉄道インフラものは撮影を控えたほうがよさそうです(特に一眼レフなど本格カメラ/レンズ利用については注意のほど)。

PHOTO GALLERY

大圍(タイワイ)

・ホームドアがない西鐵線という感じ。将来の増車用にホームが長くとられています。この線は右側通行なので写真は烏溪沙(ウーカイシャー)行き。

       -2010.10.30

・烏溪沙から列車が到着。日中でもすごい人が乗っています。

   -2010.10.30

・烏溪沙行き列車が入線です。

   -2010.10.30

・烏溪沙側ホームを。何の変哲もない感じですね。

    -2010.10.30

・駅構内は東鐵線ホームとの間を利用した大きな吹き抜けが特徴的です。

   -2010.10.30

・使われている車両の内装は西鐵線とは若干違います。

   -2010.10.30




大圍(タイワイ)~車公廟(チェクンミウ)

・大圍ホームから。高層ビルをバックにいい感じで手軽に撮れます。

      -2010.10.30

・車公廟ホーム端から。防音壁が少々うるさく写ってしまいます。

     -2010.10.30




車公廟(チェクンミウ)

・あまり特徴のない駅です。なぜかここだけは乗降が少ないです。

   -2010.10.30



第一城(ダイヤッセイ)

・ここも周りは高層マンション群が広がります。交通手段としての鉄道は重要そうです。ホームは人がいっぱい。

     -2010.10.30

・駅舎は強固なコンクリートに覆われているような感じ。結構ごつい作りの駅がお好きなようです。

    -2010.10.30

▲TOP