解説

トラム3号線(T3)はパリ市南の市境付近を走る路線で、2006年12月16日開業の新しい路線です。開業時には「パリで約70年ぶりに路面電車復活」というニュースがありましたが、実は交通公団3本目のトラム。既存のT1、T2がパリ市の外を走るため「パリ市」という行政区では最初のトラムということで大々的に報道されました。

もともとパリの公共交通は中心部から放射状に延びる形で作られており、周辺部の路線どうしの接続がよくありませんでした。このT3の開業により、西から東へRER C線、M8、M12&T2、M13、M4、RER B、M7とつながり、利便性が大きく向上しました。さらに2009年にT2線がPorte de Versaillesまで乗り入れ、T2とT3の乗り継ぎが簡単にできるようになりました。路面電車とはいえほぼ専用軌道を走るT3

路線は中心地南東にある中華街のポルト・ディヴリー(Porte d'Ivry)から南西部、セーヌ川手前のガリリアーノ橋(Pont du Garigliano)まで、外環道路の役割をするブルヴァール・デ・マレショー(元帥大通り:Boulevards des Maréchaux)の上をほぼ走ります。

トラムということで道路との併用軌道になっていますが、大半は道路中央の緑地帯などを走る専用軌道風になっています。また車両はT3専用で、T2と同じ、アルストム・シタディス(Alstom Citadis)が導入されています。T2とは違う車種で、連接のかなり長い大柄な感じのものが使われています。日中10分毎の運転ですが利用客が多く、常時比較的混雑気味です。

車庫はM8との接続駅Balard駅から分岐し、本線から少し離れたところに構えられています。

現在、ポルト・ディヴリーから北への路線延長も計画されており、将来的には逆C字の路線になる予定です。また他にも各トラム路線は延長計画や新線計画があり、まだまだ発展途上といったところです。ちなみにRATP路線図にある「TVM(テー・ヴェー・エム):トラン・ヴァル・ド・マルヌ(Trans-val-de-Marne, TVM)」はガイドウェイバスでトラムではありません。

T3路線図
[T3路線図]
(C)RATP

Tips

住宅街を走るので景色を楽しむというよりはパリの住宅街ってどんなの?というのを味わうのにいいでしょう。南へ向かうメトロ各線とたいてい繋がっていますので、パリ市内の観光に飽きてきたり、団体ツアー最中や出張時の早朝鉄分補給に訪れるのもいいでしょう。

PHOTO GALLERY

Pont du Garigliano~Balard

・Balard駅へ列車がやってきました。この日は秋とはいえかなり冷え込んで霧がなかなか晴れませんでした。

     -2011.10.22


Balard

・メトロ8号線との乗換駅とあって乗客が結構います。

    -2011.10.22


・Pont du Garigliano方面。残り1駅だからでしょうか、ここからの乗客はあまりいません。

    -2011.10.22




Porte de Versailles

・メトロ12号線とトラムT2線の乗換駅。駅ホームはラウンドアバウトの上あたりに鎮座いしています。エキスポ会場がそばにあるのでイベント時は大変な混雑となります。

    -2011.10.22


Porte de Versailles~Georges Brassens

・意外とパリは坂道が多いです。

    -2011.10.22


シタディス402型

・車内はさっぱり、完全低床です。ドアはすべて自分自身での開閉です。

   -2011.10.22


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