フランスの鉄道 TITLE
鉄道がある風景

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Page Start 2012.1.28 【最終更新日 2012.1.28】
STAN(Service de transport de l'agglomération nancéienne)T1  
大ナンシー・トランスポート・サービス トラム1号線

DATA
STAN
(Service de transport de l'agglomération nancéienne)

トラム路線図(2011)
[トラム路線図] (C)CTS
  

"Stan" website  

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解説
ロレーヌ地方の中核都市ナンシーにはバスともトラムとも言えない、TVRシステムという不思議な乗り物が走ります。TVRは“Transport sur voie réservée”の略で、1本のガイドレールに沿って走るトローリーバスというのが正しい表現でしょう(ゴムタイヤ式LRTとも言われてます)。遠目にはトラムに見えるのですがちゃんとみるとバスっぽく、果たして鉄道?という中途半端さが悩ましいところです。(ここではとりあえず鉄道として扱いますね)

ナンシーはもともと鉄鋼業で栄えた町ですが、市内にはユネスコ世界遺産に登録されたスタニスラス広場、カリエール広場、アリアンス広場があり、観光地としても有名です。この3つの広場はつながっていて、広場周りにはシンボルとなる装飾が美しいネプツヌスの噴水や市庁舎、凱旋門スタニスラス門などが並び、結構見どころあって楽しめます。

駅からスタニスラス広場へつながる通りはちょっとした商店街になっており、カフェやお土産物屋も並びます。ナンシー駅から歩いて15~20分ほど離れていますが、散歩がてらに訪れるにはちょうどいい距離です。

さて、このヘンテコトラムの話に戻りますが、系統は1系統で「T1」と名乗り、他のバス路線と共通の位置づけで運営管理されています。運営はバスも含めてSTAN(Service de transport de l'agglomération nancéienne:大ナンシー・トランスポート・サービス)が担います。オペレーターはヴェオリアが行っています。

もともとナンシーのトラムは1958年とかなり前に廃止となりましたが、その後の1990年代からのトラム復活ブームで新設が決定。丘陵地の盆地ということもあり起伏が多い街に合わせるべく、勾配に強いタイヤ式が選ばれ、2000年に現路線が完成しました。車体にはバスと同じナンバープレートがついてます。これ、やっぱバスですね~

ここのTVRはガイドレールから外れて普通のトローリーバスとしても運行可能で、T1両端駅からはバスとして運行できるように作られています。

ただ、レールに戻る際の調整作業に時間がかかり、この脱着作業でのトラブルが絶えなかったそうです。結果的には仕組み上の欠陥ということで路線延長などは行われず、現在に至っています。

同じようなTVRはフランス北部の町、カーンでも採用されています。



[旅メモ]

ナンシーへはパリ東駅からTGVで1時間半。ナンシーから南へ行けばストラスブール、北へ行けばルクセンブルクという交通の要所で、訪問はどこかへ行くついで寄りがいいでしょう。街中の観光は半日あれば十分で、北にあるメスやルクセンブルクからストラスブール経由パリへ行く旅程などに組み込んでみると面白いでしょう。



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