解説

オーセール駅で発車を待つパリ行き列車 ラロッシュ・ミジェンヌ(Laroche Migennes)からオーセール(Auxerre)、アヴァロン(Avallon)、オータン(Autun)を走る路線は、ワインで有名なブルゴーニュ地方を走るSNCFのローカル線の1つです。パリ・リヨン~ディジョン~リヨンの幹線途中のラロッシュ・ミジェンヌ駅から分岐しますが、途中のオーセールまでの列車はパリ・リヨン駅からの直通列車が日に何本かあります。全線非電化で、ラロッショ・ミジェンヌ~オーセール・サン・ジェルベは複線となっています。典型的なヨーロッパのローカル線で、特にオーセールから先は本数が少なく、いつ何時廃止になってもおかしくない状況です。

オーセールとラロッシュ・ミジェンヌ駅を結ぶシャトル列車はこうした2両のDCが基本形 使われる車両は、パリからの直通列車はDL+客車3~4両ほどのミニ編成で、ラロッシュ・ミジェンヌからの線内列車は1~4両のディーゼルカーが使われます。客車列車は小さな駅には止まらず急行運転のような感じの運用です。全車2等車が使われますが、たいていは簡易転換クロスシートになっておりゆったりしています。車内は混雑することなく、ローカル線の旅を満喫できます。

オーセールの街のシンボルの1つ、時計台 沿線風景はヨーロッパの田舎らしい美しい風景の中を走ります。ラロッシュ・ミジェンヌ~オーセールまではゆるい丘陵地の中を走り、牧歌的風景の中を走ります。オーセールは中世の街並みが残り、とても美しい街です。駅は川を挟んだ旧市街の反対側にありますが歩いて10~20分ほどで旧市街にたどり着きます。駅舎も凛々しく、本数は少ないながらもこの街においては鉄道の地位が高そうです。

オーセールから先は丘陵地の中を丘伝いに線路がひかれ、ところどころにあるブドウ畑の中を列車が進んでいきます。いわゆるブルゴーニュワインは一山越えたディジョン周辺のほうがメイン。途中アヴァロンからタクシーで行くヴェズレーやオータンも中世の古い町並みが残りますが、列車の本数が少なく、訪問はレンタカーのほうがよさそうです。

なおわたしの乗車はオーセールまで、その先は次回訪問・・・ということで、いつか いけたらなあと思っています。フランスといえばTGVなど近代的な鉄道のイメージが先行しますが、結構内陸部にローカル線があって、DL+ミニ編成の客車だとか、1~2両のDCが走っていて味があります。フランスご来訪のときにはぜひローカル線の訪問にチャレンジしてみてください。ローカル線沿いに点在する小さな街もすごく魅力的です。

観光スポット

オーセールはパリから手軽にいける田舎町です。パリ・リヨン駅からリヨン方面行でラロッシュ・ミジェンヌで乗り換え、またはオーセール行きの直通列車でだいたい1時間45分くらいです。古都オーセールの旧市街は中世の雰囲気をたっぷり残す

乗車券はパリ・リヨン駅で往復を買っておきます。窓口の人は英語がわからない(わからんフリをしているケースが多いと思う)場合があるので、メモに乗る列車の駅、時刻などを書いた紙を渡して発券してもらったほうがいいでしょう。発券のときは帰りの列車時刻がわからなくても一応列車時刻を指定します。どの窓口でもクレジットカードが使えるので、金額がわからなければカードを渡せばOKです。

オーセールは地球の歩き方などたいていの本に紹介されていますので、ガイドにしたがって街をぶらっとしてみればいいでしょう。小さな町なので半日あれば十分です。朝の便で来て、昼過ぎの列車でパリに戻れば午後パリ市内をぶらつく時間に当てれます。

なお、オーセールから先の列車は極端に少なくなりますので、この先を旅する場合は列車時刻に注意しましょう。

PHOTO GALLERY

■Laroche Migennes

・ラロッシュ・ミジェンヌ駅のオーセール行き乗り場は駅の隅っこにあります。オーセールから遠足でやってきた小学生たちがたむろします。

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・貨物の取り扱いも活発。短パンのおっさんが入れ替え作業に従事します。

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・入れ替え用のロコはなんともフランスらしい塗色。

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・発車を待つディーゼルカーの中。2+3列はフランスDCの特徴。大柄の人が多いので本当に2+3で座ると少々窮屈。

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■Auxerre

・オーセール駅は列車本数の割にはかなり大きな作り。昔ながらの構内信号所も現役。

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・かつては活発な貨物取り扱いもあったのか、使われないミニヤードが旅情をそそります。

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・駅舎はかなり立派。パリ行き客車が駅舎とみごとにマッチ、ヨーロッパらしい駅風景の一コマです。

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・パリ行き客車はなんともフランスっぽいカラーリング。このタイプの座席は固定式となっていて座席間隔も少々窮屈です。

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・駅舎は正面から見ても立派。旧市街とは少し離れていますが、その風格を漂わせています。駅構内も大きいので駅員の移動にはバギーを使っています。

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・本数の少ないオータンからの列車が到着しました。本数がない割に5両もつながれています。

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・オータン行きの荷物列車も到着。ここで普通列車と交換です。ここまでの運転がつまらなかったのか、カメラを向けたら運転手は大喜びでした。

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