解説

外国に阪堺電車とはびっくり エドモントン・ラジアル鉄道の通称「ハイ・レベル・ストリートカー」はエドモントン市内を走る保存鉄道で、廃線となった旧CPRの鉄橋を利用し世界中から集めたレトロなトラムカーを走らせています。愛称のHigh Level Streetcar のとおり、エドモントン市内を流れるノース・サスカチュワン川の渓谷にかかる高さのある鉄橋が売りものです。

列車の拠点はダウンタウンの川向う、アンティークタウンとして有名なオールド・ストラスコーナ(Old Strathcona)。レトロタウンと相まって観光客に大人気です。全線単線閉塞で車庫はオールド・ストラスコーナにあります。運転日はハイシーズンの週末が中心になり、運転は概ね40分に1本、所要時間は片道14分です。観光シーズンは結構混雑しますので乗車するにはそれなりの覚悟をしましょう。

オールド・ストラスコーナからは緑地帯の中を線路が走り、107St.と交差する付近のギャランティー・クラブ(Granite Club)、鉄橋の南詰めのガーナー・サウス・エンド・ハイ・レベル・ブリッジ(Garneau South End HLB)、LRT(ETS)グランディン(Grandin)駅の接続駅グランディン・プラザ(Grandin Plaza)を経て、終点ジャスパー(Jasper)へと続きます。ジャスパー駅はLRTのコーナ駅にも近く、地下をLRTが走るジャスパー通りはエドモントンの街の大通りでもあります。

MAP
HLS ルートマップ (C)ERRS


このハイ・レベル・ストリートカーにわたしが訪れたときは、なんと阪堺電車が運用に就いていて、サボも東湊と臨時が掲げられてました。かつて阪堺電車をよく利用していたので懐かしい反面、外国の見慣れない光景という奇妙な感覚を覚えました。

プレートなどもそのまま日本時代のままで残されているんですが、なのに白人の運転士・・ということでなんともへんてこな感じになります。また聞き覚えのある釣りかけモーターの音が渓谷に響き渡るのも不思議な感じです。チンチン電車もこんな第2の人生が送れるとは贅沢な限りです。

なお、使われる車輌はその日その日で決めてるようでいつも阪堺電車が出てくるとは限らないようです。エドモントンを訪れる際にはぜひ立ち寄ってみてください。

ハイ・レベル・ストリートカーを運営するエドモントン・ラジアル鉄道協会は近くにあるフォート・エドモントン・パークのトラムも委託運行しています。こちらもなかなかいい感じでエドモントン来訪の際はぜひともお立ち寄りください。


撮影ポイント

全線開けたところを走っているので好きなところで撮影可能です。鉄橋の下、河川敷の公園から見上げるシーンを。また南側渓谷上を走る道路から鉄橋を渡るシーン。ギャランティー・クラブあたりの芝敷きの直線区間など。ハイシーズンは利用者が多く、運転頻度も多くなりますのでシャッターチャンスが多くあります。


PHOTO GALLERY

■Granite Club ~ Garneau South End HLB

・ギャランティ・クラブ駅まわり。駅といっても乗り降りする「ポイント」でホームすらありません。

     -2003.8.16


・もう少し鉄橋寄り。

     -2003.8.16




■Garneau South End HLB ~ Grandin Plaza

・大きな鉄橋と小さなトラムと少々アンバランス。風が強い日はちょっと怖いです。

    -2003.8.16

▲TOP