令和改元スペ:英ロンドン地下鉄/DLR

スペネタ、イギリス ロンドン南郊の次はロンドン中心部、地下鉄とDLRのご紹介。まず地下鉄から。ロンドン地下鉄は断面違いで車両が大きく2つの種類「Sub-Surface」「Deep Level」あります。下記写真が規格差を表してます。開削で作った地下鉄が「Sub-Surface」、シールド工法みたいな、トンネルで作ったのが「Deep Level」。しかもこの2規格の供用区間もあって結構カオスだったりします。

(写真:Rayners Lane、2009.10)

ロンドンの海外玄関口ヒースロー空港に乗り入れる地下鉄はこの「Deep Level」。便利かなと思って使ってみたらスーツケースの置き場所に困り、苦労された方も多いのではないでしょうか。車両断面が小さいので天井に頭が付きそうで、向かい合う座席との距離も狭く足が当たりそうになります。東京の銀座線よりさらに小さいんですよね、この車両でラッシュになるってどうなるんだろうって考えてしまいます。ここピカデリー線で使われる「1973 Stock」は、1973年導入という形式で結構なお古。車内はリニューアルされているのできれいですが、2024年から始まるDL車両全面更新(NTfL)の対象となっており、全編成の置き換えが決定しています。↓

(写真:South Ealing、2017.9)

DLサイズの車両ってあちこちで走ってる印象、なんとなくロンドン地下鉄の3割くらい?のようなイメージ。現在の最古の現役車両がこのベーカールー線の「1972 Stock」。ぱっと見もお古な感じですよね。こちらも車両更新計画のNTfL対象です。↓

(写真:Paddington、2019.4)

こちらはセントラル線メインの「1992 Stock」。ちょっとデザインが新しい感じですよね。ただ、こちらも車両更新計画のNTfL対象です。↓

(写真:Ealing Broadway、2009.10)

こちらもセントラル線の「1992 Stock」。地下鉄とはいえ郊外では大半をこうした地上区間を走ります。そうそう、写真をみてお気づきかもしれませんが、ロンドン地下鉄は第四軌条方式での集電方法。電気供給で2本を使います。なのでレールは見た目4本あります。側面が給電線、真ん中が帰線。一般的に架線レス対応は第三軌条で給電レールが1本のもの。帰線をレールにしています。↓

(写真:South Ruislip~Northolt、2017.9)

で、第四軌条でポイントとなると・・・まあこんな感じでグチャグチャになりますね、保線が大変そうです。写真はSS(Sub-Surface)仕様の「D stock」、2017年で全車引退しています。ここの区間もDLとSSが交じり合うところです。↓

(写真:Kew Gardens~Richmond、2009.10)

現在のSS用車両はこの「S stock」に統一されました。ちょっと以前に比べ面白みはなくなりました。↓

(写真:Ealing Broadway~Ealing Common、2017.9)

ここ、ピカデリー線とディストリクト線が交わるアクトン・タウン駅はSS仕様とDL仕様の2つが撮影できる簡易スポット。写真の「D stock」は今は「S stock」に統一されています。↓

(写真:Acton Town 、2009.10)

ロンドン地下鉄、実は路線は地下鉄車両だけではなくて・・・↓

(写真:Wimbledon Park~Wimbledon、2019.6)

・・・他社線車両やオーバーグラウンドも入ってきます。軌間が同じなんですが、給電規格とかどうなってるんでしょうね。とにかくカオスなロンドン地下鉄です。↓

(写真:Wimbledon Park~Wimbledon、2019.6)

続いてドックランズ・ライト・レイルウェイ (Docklands Light Railway)こと、DLR。ドックランズという19世紀に繁栄した旧ロンドン港周りの廃墟地区の再生のため、1970年代から始まった再開発にて中核をなす新交通システム。1987年に開業し現在は7路線3系統(サブ入れて実質5系統)の規模となっています。全線自動運転で信用乗車制を取り、駅には改札がない、徹底して効率化を追求しています。さらに路線の大半は休止線や廃線を利用し、新交通システムとはいえハード面でのコスト抑制も徹底しています。↓

(写真:Westferry、2018.10)

現在のDLRの車両は大きくは2タイプ、「B90/B92/B2K Stock」と2005年から導入が始まった「B07/B09 Stock」。見た目新しそうなのが「B07/B09 Stock」ですね、写真の右がそう。すべてボンバルディア製、集電は第三軌条です。↓

(写真:West India Quay、2019.6)

ドッグランズ再開発はキャナリー・ワーフを中心に大成功をおさめ、DLRの乗客も増えています。2両1ユニットの車両構成で昔は2ユニット×2の4両編成が多かったのが最近は3ユニット(6両)が標準になってきています。↓

(写真:Canary Wharf、2019.6)

こちらは一昔前のカラーリングですね。現在は1両単位×2のユニットも車両間で行き来ができない構造、増員対応で将来的には全編成を連接型として収納人数を上げることを思案中。さて、どんな車両になるんでしょうかね。↓

(写真:Limehouse、2009.11)