![]() このうち鉄道部分(Transperth Trains)は運行区間すべてが電化・複線化され、パース駅を中心に5つの運転系統を組んだ都市型コミューター鉄道となっています。平日ラッシュ時には一部で急行運転も行われます。日中は15~30分に1本のダイヤが組まれ、コミューター・トレインとして十分に機能しています。 パースでは予ねてから都市交通に力を入れており、1991年にはDC中心だったパース域内鉄道をリニューアルし、全線電化・複線化ならびに全車両の総入れ替え、駅の改築、運転本数の増大など一気にグレードアップしました。 また交通の便が悪かった北部への鉄道ルートとして1992年12月にジュンダラップ(Joondalup)線のジュンダラップまでが開業、以降延長を繰り返し、現在はクラークソン(Clarkson)まで路線が延長されました。 ![]() また2007年10月には、パースから開発著しい郊外都市のマンジュラ(Mandurah)までの新線が開業。ハイウェイのセンターに配置された線路は真新しく、併せて追加導入された新型車両も映えます。またこの新線開業に伴いパース駅地下ホームも作られジュンダラップ線との乗り入れを開始、都市鉄道らしくなりました。 車両は2タイプあり、1991年の電化時に導入されたAシリーズと、旅客増対応と新線用に増備されたBシリーズがあります。 Aシリーズは2タイプあり、電化時に導入されたものと1998年に増備されたものがありますが外観はほぼ同じつくりになってます。 2両1ユニットが基本編成で、営業運転では2+2+2の6両編成になることもあります。 Bシリーズは2004年に導入され、Aシリーズとはまったく違うエッジの利いた流線型の顔つきになりました。3両1ユニットとなり、多客時は3+3の6両編成で組まれます。 Bシリーズはホーム長の関係から主にジュンダラップ線とマンジュラ線で使われ、Aシリーズはミッドランド(Midland)線、アーマデール(Armadale)線、フリーマントル(Fremantle)線を中心に使われています。 路線紹介 ■フリーマントル(Fremantle)線 パース都市圏の港湾機能を持つフリーマントルと市内を結ぶ路線で、鉄道敷設当初からある古い路線です。フリーマントルは歴史のある街で、古風な町並みと港町らしい雰囲気がよく、パース近郊の観光スポットとしても人気があります。 リゾートアイランドであるロットネスト島へのフェリーもここフリーマントルから出航します。 全区間複線となっており、ほぼ住宅街の中を走る路線となっています。終点近くのビクトリア・ストリート駅をすぎるとインド洋が見えてきます。スワン川を渡るとフリーマントル終点です。 以前はフリーマントルから先、サウス・ビーチ(South Beach)までの路線がありましたが、電化を気に廃止となっています。 ■ジュンダラップ(Joondalup)線 北方へ延びるジュンダラップ線は1992年10月開業の新しい路線で、交通の便が悪い北部都市圏をカバーする目的で作られました。路線の大半をハイウェイの分離帯がわりに鉄道敷設を行う形で建設されました。 その後路線は北進、まず1993年3月にカランビン(Currambine)駅まで延長。続いて2004年5月にはナウアーグアップ((Nowergup)の車両基地が完成。同年10月にはその途上のクラークソン(Clarkson)までの路線開業となりました。 現在は、この先さらにジンダリー(Jindalee)までの延長工事が進んでいます。このあたりは住宅地の開発が行われており、それに併せての新線建設となっています。 ジュンダラップ線は全線複線で車両は新型のBシリーズが限定運用されています。以前は地上のパース駅に乗り入れてましたが、地下ホーム建設に当たって2005年からホーム端の発着に変更。マンジュラ線開業後は発着を地下ホームに移し、マンジュラ線との直通運転を行っています。 ![]() 住宅街を走るため貨物列車の運転もありません。 ■ミッドランド(Midland)線 パースから東に延びるミッドランド線はフリーマントル線同様、1831年開業時からの古い路線です。 途中クライスブルック(Claisebrook)まではアーマデール線と平行に走り複々線の形状となります。 クライスブルックの次の駅、イースト・パース(East Perth)駅は大陸横断鉄道や東部カルグーリーなどを結ぶ長距離列車専用ターミナル。トランス・パースとは少し離れた別ホームから発着となります。 イースト・パースから以東は三線軌条となり(正確にはマウント・ローレイ(Mt. Lawley)駅手前から)、電化複線の三線軌条がミッドランドまで続きます。三線軌条自体はミッドランドから先メレディン(Merredin)まで続きます。三線複線区間が結構な距離があり、世界的にも珍しい鉄道となっています。 また、イースト・パース~ミッドランドまでの中間駅は3線軌条に変更の際ホームを島式に変更する大工事が行われました。旅客列車については1067mm仕様はこの区間ではトランスパースのみです。 現在、途中のベイスウォーター(Bayswater)~アッシュフィールド(Ashfield)から線路を分岐し、パース国際空港まで乗り入れる新線建設の話が浮上しています。 ■アーマデール(Armadale)線 アーマデール線はバンバリーまでの路線と供用で、開業も1889年と古い路線です。途中ベッケンハム(Beckenham)から分岐するソーンライ(Thornlie)支線があり、こちらは2005年8月に開業した新しい路線です。沿線は静かな住宅街となっており、郊外電車としての機能も併せ持ちます。 支線を除き全区間複線となっており、バンバリー方面からの貨物列車は途中のムンディオング(Mundijong)からクイナナ(Kwinana)への貨物線に入り、トランスパース区間に入ってこないよう工夫されています。 旅客列車としては他にパース~バンバリーを結ぶオーストラリンダ号が同じ区間を走り、同区間の特急列車のような存在になっています。 ソーンライ支線はミッドランドからクイナナへの貨物バイバス線を利用し作られ、ベッケンハム~ケンウィック(Kenwick)で交差する部分でつながれています。 運転系統は行き先に分けて区間急行と普通の2タイプがあり、アーマデール行は途中カンニングトン(Cannington)まで急行運転、以降アーマデールまで各駅停車となります。 また、ソーンライへの列車はカーニングトンまで各駅に停車。次の路線途中にあるベッケンハムには停車せず、終点ソーンレイまで行ってしまいます。 現在、アーマデール方面の列車はパース止まりとなり、他路線への直通運転はされていません。ホーム東南端の行き止まりホームからの発車も設定されています。 ■マンジュラ(Mandurah)線 マンジュラ線はフリーマントルの南に位置する中核都市であるロッキンハム(Rockingham)とマンジュラをパースと結ぶ路線で、2007年10月に開業した真新しい路線です。 これまでロッキンハム、マンジュラへのアクセスは車かバスしかなく、渋滞などもあってパースへの所要時間もそれなりにあり不便を強いられていましたが、この新線開業により一気にパースが近くなりました。 路線の大半はジュンダラップ線と同じ、ハイウェイの中央分離帯代わりに設置されており、完全立体交差となっています。 ここで使われる車両はBシリーズ限定で、パース駅は新設された地下ホームから発車となっています。運行はジュンダラップ線と共通運用となっています。 |
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■■■Perth(地上) |
・大屋根を設けた独特の雰囲気の駅。こうしたつくりだと開放感があっていいですね。信用乗車制なので駅には改札がありません。 1 2 3 4 5 -2005.5.5
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・ラッシュ時は乗降者も多くなります。
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・電光板も掲げられ、本拠地らしい駅です。旧駅舎も素直に収まっています。
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■Perth(旧ジュンダラップ線) |
・ジュンダラップ線パース駅の地下化前は、地上ホーム西端から申し訳なさそうに発着していました。 1 2 3 4 -2005.5.5
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■North Fremantle~Fremantle |
・有名な撮影地ポイントのスワン川河口の鉄橋。運がよければブラックスワンと絡めて撮影できます。 1 2 3 4 5 -2005.5.2
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・横を走る道路の歩道から簡単に撮影できます。
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■Claisebrook~East Perth |
・ハイウェイをくぐってイースト・パースに列車がやってきました。 1 2 -2005.5.4
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■East Perth |
・東部への長距離列車発着場所とトランスパースのホームとは少し離れています。 1 2 -2005.5.4
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■East Perth~Mt.Lawley |
・標準軌と狭軌の三線軌条はマウント・ローレイ手前からスタートです。 1 2 3 4 5 -2005.5.4
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■Mt.Lawley |
・三線軌条での乗降の都合から、旅客列車が走る場所は内側レールが共用となります。小さいながら駐車場も完備しています。 1 2 3 4 5 -2005.5.4
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■Challis |
・郊外の小さな駅。自動券売機で乗車券を買っての乗車となります。 1 2 3 4 5 -2005.5.4
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■Challis~Sherwood |
・フリークエンシーダイヤなので比較的利用者も多いですね。 1 2 3 -2005.5.4 |