解説

パースの沖合いのインド洋に浮かぶロットネスト島(Rottnest Island)には「オリバー・ヒル・トレイン(Oliver Hill Train )」という観光鉄道が走ります。

ロットネスト島はリゾートアイランドとして有名で、フリーマントル港からフェリーで90分のところに位置します。ロットネスト島にはクウォッカという有袋類のウサギみたいなネズミがあちこちにいて、この島を見つけたオランダ人がネズミの巣がある島=ラットネストと名付けて島の名前になったそうです。

島の大きさは東西11km、南北4.5km、面積19k㎡と小さく、もともとは刑務所として、また第二次世界大戦時はフリーマントル港を守る軍事要塞として使われてきました。

オリバー・ヒル・トレインの前身はフェリーが発着するトムソン・ベイから島を見渡せるオリバー・ヒルに設置した砲台とを結ぶ軍事施設で、砲弾などを運ぶトラムとして設置されました。

終戦後は撤去されてしまいますが、1990年代からの島の再開発で観光施設としてこの鉄道が復活。「Oliver Hill Train and Tunnels Tour」のアトラクションとして使われます。

実際の乗車にはこのツアーに参加するか、単なる往復乗車も可能。乗車するにはトムソン・ベイにある観光案内所で予約が必要です。

起点駅のセトルメント(Settlement)はロットネスト・アイランド市街はずれの小道脇にあり、砂まみれの線路の横に1両分の小さなホームがあります。ツアー開始時刻になるまで列車は来ません。車が走らないのでとっても静かなロットネスト島。写真は2つの湖を貫くディックピー・ドライブ。

線路は塩湖のガバメント湖の縁を回り、空港脇を通ってオリバー・ヒルまでをつなぎます。車庫は途中の飛行場脇にあり、出発時刻になると出てきて、ツアー終了後はすぐに車庫へ引きさがります。動力はディーゼルかバッテリーかどっちかわかりませんが、窓ガラスのないセミオープン客車1両が使われています。

車窓は砂丘や木々のない山肌を進むため景色はすこぶるよく、ゆっくり観光するにはお勧めのルートの1つです。かなりゆっくりとしたスピードで、ガイドの案内のもと、進んでいきます。終点のオリバー・ヒルは高台にあることから、島内を見渡すことができます。砲台の見学などが終わり、列車でセトルメント駅まで戻ってツアー終了となります。

サンゴ草みたいなのがあちこちに生えています。 なお、島内ツアーは鉄道以外にもいろんなコースがありますので、滞在時間に合わせてご検討ください。

ちなみに車庫は途中空港を避けるようにカーブするコーナー部分からデルタ線状になった先にあります。キングスタウンあたりです。


旅メモ

ロットネスト島へはパース、フリーマントルなどから急行船が出ており、所要90分です。シーズンにもよりますが本数も結構あり、パースからの日帰りも可能です。午前便で島へロットネスト島の高速船発着場。渡り、午後最終便で帰ってこれます。滞在時間は数時間となりますが、島の宿泊施設の料金が高く、日帰り利用の観光客も結構います。

島は小さいのでレンタサイクルでぐるりと一周するのもお勧めです。意外とアップダウンがあるので体力は消耗します。丘の上からの展望を期待する場合は何かのツアーに入ると楽ちんです。この島がなんとなく、任天堂ゲーム「Wii Fit」の島に似ていたりします(火山はありませんが)。

PHOTO GALLERY

Settlement(セトルメント)

・パッと見なにかの廃線オブジェ?と思ってしまう駅。駅まわりには乗車券発売窓口はなく、船着き場あたりにあるインフォメーションセンターでツアーを申し込まないといけません。

       -2005.5.2

・オリバーヒルに向けて出発進行。半併用軌道風のアプローチがいいですね。

    -2005.5.2




Settlement(セトルメント)~Oliver Hill(オリバー・ヒル)

・空港を迂回するのにちょっとした丘陵をまたぎます。列車は丘から降りてきたところ。

       -2005.5.2

・サイドからだとこんな感じ。

      -2005.5.2



・ガバメント湖対岸から同じ場所を湖を通して。湖は汽水とはいえ海に近い塩湖ですが海とつながっていません。

    -2005.5.2


・ガバメント湖畔にある滑走路脇を走ります。

      -2005.5.2



・すっきり写真が撮れるのはこのあたりくらい。あとはオリバー・ヒルてっぺんからも撮れますがレンタサイクルでうろうろしすぎてオリバー・ヒルまでたどり着けませんでした。

     -2005.5.2


・ディックピー・ドライブからパースレイクスを通して望遠で滑走路方向を。

    -2005.5.2


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