解説

アイダ・ベイ鉄道(Ida Bay Railway)は、タスマニア州都ホバートから車で2時間南(約100km)に位置するサウス・ポート近郊にある観光鉄道です。

もともと開拓時代にこのあたりに敷設された軽便鉄道を観光用に転用したもので、現存するタスマニア島の軽便鉄道はこのアイダ・ベイ鉄道のみとなっています。また、オーストラリアの最南端に位置する鉄道としても有名です。

起点駅であるルーン・リバー(Lune River)駅は車庫兼拠点駅となっており、職員はこの駅に待機しています。駅の周りには小さな集落しかなく、原生林の中にポツンと存在します。駅は駅舎のある割としっかりしたつくりになっています。

路線はルーン・リバー駅からディープ・ホール・ベイ(Deep Hole Bay)駅まで約7kmあり、軽便鉄道だけあって軌間は762mmのナローかつヘロヘロ線路が原生林や藪の中を貫きます。起点駅はループ構造になっていて、機関車の付け替え作業がいらないようになっています。(終点も同様にループ線)

もともとはルーン・リバーからさらに内陸へ線路が延び、廃線跡も残っています。またルーン・リバーから1kmくらいいったところに分岐線があり、まっすぐ伸びる線路のほうは現在使われていません。

列車はサトウキビ鉄道などで使われる小型のDLが遊園地にあるようなオープン客車を2両つないでの運行となっており、自転車程度のスピードでゆっくりと走ります。

沿線風景は原生林や草地、河口付近の半湿地風景の中を進んでいきます。ちょうどミニ列車でのピクニックといった感じでしょうか。終点からは河口の浜辺まで歩いてすぐで、ここの白砂ビーチは必見です。また終点付近の開けたところでBBQなどすることができます。

BBQをするときは事前に係員に申告する必要がありますが、結構みんなクーラーボックスなどを列車に積み込んで家族ぐるみで乗車する姿が見受けられます。

列車は10~4月の夏季だと1日4本の設定で毎日、5~9月の冬季で1日3本、水、土、日、祝日運行のダイヤ設定があり、出発時間帯にお客さんがいれば出発となります。所要は往復で2時間、終点で時間を取る場合は運転手に声掛けしておきましょう。

なお、ここへの訪問ですが、アクセスは車のみ、あたりにはお店がないので食事などは持参していきましょう。(駅併設のカフェでも簡単な軽食を取ることができます)


  ★Ida Bay Railway /  Google Map 場所

PHOTO GALLERY

Lune River

・列車がなければどこの廃駅?という風貌。2006年に手を入れられてから設備の更新が図られました。

         -2006.1.4

・モーターカーというほうがふさわしいDLに客車が1~2両連結されます。小ぶりの外観はさながら遊園地の乗り物です。

       -2006.1.4



・駅に隣接して小さな車庫があります。

      -2006.1.4



・海に向けて出発、大きなループ線をぐるっと回って森の中に消えていきます。

      -2006.1.4



・内陸へ向かう廃線はへろへろのままです。

   -2006.1.4





Lune River~Deep Hole Bay

・大きな木々の間を通り抜けてきました。

     -2006.1.4

・ブッシュの中を進んでいきます。夏場だったら蚊がいっぱいいそう。

     -2006.1.4



・ビーチから列車が帰ってきました。単純往復も楽しそうです。

     -2006.1.4

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