※本鉄道は2006.1に運行終了となりました。

解説

バーニー・レイルはタスマニア島北西にあるバーニー(Burnie)市が運営するイベント観光列車です。現在、以前タスマニア島の鉄道路線を統括するパシフィック・ナショナル(Pacific National)が運行管理する貨物列車以外の運行停止を行い、2006年1月から運休となっています。州営に移ってからも運転再開の動きはありません。

もともとこの列車は、バーニーの東にある小さな町ペンギン(Penguin)で毎週日曜日に開かれる市場「ペンギン・マーケット」と市内をリンクさせるため、バーニー市が町おこしの一環として2001年からバーニーとウルバーストーン(Ulverstone)との間で運行を開始しました。

運行にあたっては隔週日曜日運転で1日最大3往復の設定がありました。使われる車両はDPタイプと言われる、タスマニア島の旅客列車廃止時に使われていたDCで、基本は2両編成、中間にラウンジカーを挟んで最大3両で運転します。

2001年の運行開始時と翌年は旅客が好調で、当初DP13とDP14の2両のみだったのですが、車両増備として中間車両を購入。2004年から3両体制となりました。

しかしながら、前述のとおり2006年1月にタスマニア鉄道上でのイベント列車が安全面から運行停止となり、このバーニー・レイルも運行できなくなってしまいました。現在もこの問題は解決しておらず、ストップしたままの状態が続いています。

さらに、2012年5月には放火でDP13がボロボロに・・・。復活はさらに遠のいてしまいました。

なお、使われているDPタイプの気動車は同島内にあるドン・リバー鉄道、海を越えてのヴィクトリア州ベラリン半島を走る保存鉄道「The Bellarine Railway」にも動態保存で残っています。


沿線風景

始発駅のバーニー駅はもともとバーニーとメルバとを結んでいたエミュー・ベイ鉄道(Emu Bay Railway)の旅客駅を活用したもの。ヤードの端っこにしっかりとした乗り場があります。

駅を出て街が終わるあたりから海岸沿いを走ります。海沿いをゆるくカーブしながらの運転となるため、スピードはそう早くありません。ただ、海を目の前にして走るので景色がとてもよく、観光にはうってつけです。

崖沿いを走って、直線に入り、周りの風景が街になってきたらペンギンに到着。ペンギン駅はかつてのタスマニア州営鉄道時代の駅をそのまま使います。

ペンギンを過ぎると再び海岸沿いを走ります。海が思いっきり広がる雄大な車窓を楽しめます。やがて街が遠くに見え右に大きくカーブし街中にはいるともうすぐウルバーストーン。鉄橋を超えるとウルバーストーン駅に到着です。

ウルバーストーン駅はすでに駅舎はなく、単なるホームのみとなっていますが、ホームもなくなってる駅が多い中、このあたりは旅客時代の設備がまだ残されているほうです。

列車はダイヤ上ではここで終点となりますが、実際は少しまだ走り、ガブルス公園(Gables Park)のビーチ前まで進みます。客扱いはしてなかったので折り返しまでの待機に使っていたのでしょう。

ちなみにビーチといってもタスマニアの海は潮が早く、また水温も低いため、泳ぐには適していません。基本、タスマニアでのビーチのすごし方は日光浴をしたりBBQをするというのが定番です。


 【バーニー・レイル所在地(GoogleMap)】 ペンギン旅客駅    バーニー旅客駅

PHOTO GALLERY



Burnie

・乗り場は貨物ヤードの奥のほうにあります。使われる車両も駅ホームに留置されています。

     -2006.1.6 

Burnie~Penguin

・バーニー市街の少し外れにあるエミュー川鉄橋を渡るDP気動車。

       -2006.1.8

・快晴なのですが海霧がちょうどかかってしまい水際を走る風景もご覧のとおり。

     -2006.1.8

・このあたりも超きれいなところなのですが・・・あらま。

        -2006.1.8

・海沿いをぐねぐね走ります。国道も海岸線に合わせてぐねぐね。

       -2006.1.8

・海霧が晴れてきました、やったー。こんな海岸沿いを走ってたんですよ。

     -2006.1.8

・あらら、また霧。夏場なのに温度が低く、霧がしぶとく居座ってます。

   -2006.1.8

・そろそろ晴れてくれないかな~。

   -2006.1.8

・ペンギン駅手前の踏切でやっと霧が晴れてくれました。よかった~。ここから先がさらにいい景色なんです。

     -2006.1.8



Penguin

・ペンギン駅はちゃんと駅舎が残ってます。というか、あとから新築したのかな?

      -2006.1.8

・ペンギン駅に少し停車した後、ウルバーストーンに向け出発。

       -2006.1.8




Penguin~Ulverstone

・ペンギンの町はあちこちに小さな花壇があってお花にあふれています。

   -2006.1.8

・ペンギン市街を抜けると再び海沿いを走り出します。

   -2006.1.8

・上の写真あたりでバーニーへ戻る列車だとこんな感じで撮れちゃいます。ペンギン市街手前の砂浜を進みますが日本のように海岸線をコンクリート固めしていないのでいいですね。

       -2006.1.8

・ウルバーストーン行き列車。とにかく青がとてもきれい。なんせ工場もないし人もたくさん住んでないので自然の色はほんと、自然の色なんですね。

       -2006.1.8

・ここはバーニーからホバート方面行き貨物の絶景撮影ポイント。なんせ貨物も週2~3本の不定期なので外国人が撮影するのはかなり困難。バックに見える街はペンギン。

       -2006.1.8

・上のポイントから少し進んだところに俯瞰できるポイントがあります。ここはオージーの鉄ちゃんに教えてもらいました。なぜか一緒に追いかけをして列車を待つ少しの間だけ情報交換をしてました。日本から来るなんてなんて鉄い奴だと思われてました。

      -2006.1.8

・ウルバーストーン手前の最後の海沿いを行く場所。バーニーへ戻る上り列車だとこんな感じで丘陵地麓の海岸線を行く感じがよくわかりますね。

    -2006.1.8

・で、手前に引くとこんな感じで海沿いを行く列車を収められます。いやあ、贅沢な風景です。

       -2006.1.8

・上の写真を撮ったところあたりを走る下り列車。ウルバーストーンに近づいてきました。まだまだ海沿いを走ります。

     -2006.1.8

・道路と線路の間にお花畑がつくられていました。タスマニアの人はお花できれいにするのが好きです。

     -2006.1.8




Ulverstone

・ウルバーストーンの町はまあまあ大きな町。でも駅はちょっと外れにあってすでに駅舎はなく、廃線らしい風景です。

       -2006.1.8

Ulverstone~(Gables Park)

・列車はウルバーストーンから先に進みなぜかビーチ前で停車。踏切の関係でここまで進めていたのかもしれませんね。職員は発車時刻まで小休憩です。

     -2006.1.8

▲TOP