※本鉄道は2004.8に運行終了となりました。

解説

ビューデザート鉄道は、ブリスベンの南に位置する小さな町ビューデザートを拠点とする保存鉄道で、もともとブリスベンから現シティトレインのゴールドコースト線ベサニアから分岐しビューデザートまでを結ぶ43.4kmのビューデザート支線の末端部の一部を復活して作られた保存鉄道でした。「でした」というのは2004年8月に運行停止となり、線路など所有物が抵当として押さえられ鉄道として再開ができない状態となりました。債務が大きく、交差する幹線道路との踏切は撤去されており、今後の復活もないと思われます。

このビューデザート支線は1885年に開業した由緒ある路線で、旅客減から1996年にベサニア~ビューデザート間の路線が廃止。その後、歴史的路線だということで保存鉄道として復活する話が浮上し、政府の補助金交付で終点のビューデザートから途中のローガン・ビレッジまでが1999年に復活しました。運転は隔週日曜日に運転され、ブリスベンに近いことから結構人気があったようです。

車両はレトロなクリームとブルーのきれいな色合いで、またSLもブルーを一部に纏ったカラーリングで、結構外観がきれいな列車編成でした。転写台を持っておらず、下り勾配となるビューデザートから出発する列車はSLが逆向きとなっていました。車両基地はビューデザートにあり、終着駅らしい1面だけのホームと小さな駅舎が印象的でした。

途中の車窓は丘陵地をいく、牧草地にユーカリがところどころ生える、このあたりらしい景色の中を進みます。木造鉄橋も多く残り、ローカルムード漂う路線でした。ブリスベンから手軽に訪問できるところにあったので廃止は少し残念です。

なお、この鉄道の経営破たんについては今もかなりごたついていているようです。設立当初から不明瞭な会計を行っていて隠れ債務が発覚。また車輪とレールの摩擦による火災、乗客のタバコと見られる火災など3度の火災を起こしたり、路盤が弱って脱線事故を起こしたりと運行上のトラブルも続き、結局焼けた木製鉄橋の修復費用と安全運行のための新たな投資資金の目処がつかず運行停止となりました。

その後政府に運行再開の補助金申請をしていたようですが負債問題で資金は下りず、結局債権者に所有資産を差し押さえられてしまい事実上の廃止となりました。 この件に関しては現在もマスコミから叩かれており、ちょっとした事件となっているようです。(今回は停止直前の訪問で撮影できました)


  かつての乗り場(Googlemap)

PHOTO GALLERY

Beaudesert

・始発駅のビューデザートはこじんまりした終着駅らしい駅。

      -2004.8.7


・いろんなところで手作り感を感じました。

     -2004.8.7



・キュランダ鉄道に使われているのと同様のコンパートメントタイプの車両が使われていました。

   -2004.8.7





Beaudesert-(Gleneagle)

・カラーリングがなんともいえないいい感じです。

     -2004.8.7


・上のポイントで上り列車を狙う。終点までもう一息。

      -2004.8.7


・乾燥した牧草地を進みます。

   -2004.8.7



・踏み切りはすべて手旗信号。列車と共に職員が踏み切り地点に出向きます。

     -2004.8.7




(Gleneagle)-(Veresdale)

・原野を行く西部劇風の雰囲気のところでした。

       -2004.8.7

・このあたりが一番レールが荒れていました。

   -2004.8.7



・レールは廃線状態、草ぼうぼうで路盤は見えません。

    -2004.8.7




(Woodhill)-(Cedar Grove)

・このあたりは切り通しを進みます。

   -2004.8.7

・このあたりの特徴的な風景のユーカリ林の中を進みます。

       -2004.8.7




(Cedar Grove)-(Jimboomba)

・木製鉄橋がいい感じで花を添えます。

   -2004.8.7



Logan Village

・小さな駅舎も車両のカラーリングに合わせて塗り分けられています。

      -2004.8.7

・ビューデザートからの列車が到着しました。静かな駅がにぎやかになります。

      -2004.8.7



・到着後SLの付け替えがすぐに始まります。

     -2004.8.7



・ビューデザートに向け出発。帰りの機関車は正面向きになります。

      -2004.8.7

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