![]() このキャンベラは、1901年にオーストラリアがイギリスから独立した時、首都の座をめぐりメルボルンとシドニーが対立したことから建設が始まった都市で、メルボルンとシドニーとの間に直線を引いたほぼ中間地点(ちょっとずれているが中間点が山間部だったため今の位置にずらして建設した)にあることから、この地に作られました。1927年にキャンベラが首都になり、以降街づくりが行われ、当初計画のキャンベラは1960年に完成しました。 直轄地とはいえ面積は狭く、キャンベラの都市部分と国立公園部分がACTエリアとなっており、現在の人口は約30万人強で主に行政を生業とした人たちが生活します。すぐ隣町であるクイーンビヤン(Queanbeyan)はニューサウスウェルズ州になります。 ACTの鉄道 さて、このACTにはキャンベラの建設のために敷設された鉄道が走ります。シドニー~メルボルン幹線の途中ゴウルバーン(Goulburn)から分岐し、キャンベラのキングストン地区にあるキャンベラ駅までを結びます。もともとキャンベラの南コーマ(Cooma)を経てボンバラ(Bombala)の街まで結ぶ路線からクイーンビヤン(Queanbeyan)で分岐させたものです。 ![]() この路線で走る定期列車は現在カントリーリンク(CountryLink)が走らせているXPL(エクスプローラー号)のみで、シドニー~キャンベラを1日2往復運転されるだけとなっています。キャンベラとクイーンビヤンの間には大きな貨物ヤードがありますが、貨物の定期列車はすでに走っておらず、広い構内が少々もったいない状況となっています。 このヤードに置かれているレトロ車両はここを基点とする保存鉄道「ミケラゴ観光鉄道(Michelago Tourist Railway)」のもので、オーストラリア鉄道歴史協会(Australian Railway Historical Society)が運営・管理しています。 観光鉄道・保存鉄道 ACTには唯一の保存鉄道として「ミケラゴ観光鉄道(Michelago Tourist Railway)」があります。この鉄道はクイーンビヤン~ミケラゴ(Michelago)~コーマ(Cooma)の廃線跡を借りて1993年から運行されています。ACT唯一といってもACT内を走るのはキャンベラ~クイーンビヤンのみで、あとは州境の上、ニューサウスウェルズ州内を走る形となります。 運転はミケラゴやコーマまで行かず途中のローヤラ(Royalla)までとなっており、キャンベラ~クイーンビヤン~ローヤラで、またキャンベラ~クイーンビヤン~バンゲンドア(Bungendore)でディナートレインなどを走らせています。また、たまに本線上を走行するツアートレインも運行されます。運転は不定期で最近は2007年の豪雨による路線損傷で運行停止となっています。 ![]() これとは別にコーマにも保存鉄道「コーマ・モナロ鉄道(Cooma Monaro Railway)」がチャコラ(Chakola)~コーマの廃線区間を使って運転されています。時たまこの鉄道の列車がクイーンビヤン~コーマのレールを使ってキャンベラまで運転されることがあります。 |