台湾の鉄道 TITLE

▼台灣的鐵路是・・・ (台湾の鉄道とは?)
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最終更新日【2015.7.25】



台湾の鉄道は中華民国の直轄鉄道で、交通部(日本の国土交通省)「臺灣鐵路管理局」(以後台鐵)によって運営されています。台鐵以外の鉄道には台湾新幹線とも言われている「台灣高速鐵路(高鐵)」、台北市内の都市交通「臺北捷運」、台北南部の都市高雄を走る「高雄捷運」、阿里山への登山鉄道である「阿里山森林鉄道」があります。

台北市内の交通公園、郊外の烏來(ウーライ)、宜蘭から遠く山奥にある太平山には観光用トロッコもあります。また、台湾中南部各地には、つい最近まで運行されていたさとうきび用の軽便鉄道を活用した観光トロッコ列車が運行されています。台湾の鉄道はそのほとんどが官営であり、旅客を扱う民間鉄道は台灣高鐵だけとなっています。


台鐵(臺灣鐵路管理局)

台鐵路線は台湾をぐるりと一周するかたちで敷設され、途中支線がいくつか延びています。全長約1100Km、基本的には日本とほぼ同じような鉄道の仕組みです。複線化や電化も進んでおり、自動改札の導入やストアードフェア(悠遊卡:ヨゥヨゥカ)も定着し一皮むけた感じとなりました。軌間が1067mm、左側通行で日本と同じであり、また日本統治時代の古い駅舎が残るなど、なんとなく親しみが湧きます。

旅客列車の種類

列車の車種は大別して特急系と普通系に分かれます。特急系はスピードや停車駅によって名前と料金が区別され、一番早い「自強號(ヅー・チャン・ハオ)」と、停車駅がやや多い「莒光號(ジュ・グワン・ハオ)」の2タイプがあり、自強號はプッシュプルタイプ、電車、気動車の3タイプが、莒光號は機関車牽引の客車となります。最近登場した振り子電車の「普悠瑪號(プユマ・ハオ)」初代振り子電車の「太魯閣號(タールォークォ・ハオ)」は自強號で全車指定席(無座販売しない)の差があります。

また、これまで準急的存在だった「復興號(フー・シン・ハオ)」は2010年12月のダイヤ改正で西部幹線で定期列車が全廃、多客期の臨時列車限定となりました。復興號車両は東部幹線南段で「區間車」として残っていますが、屏東線南段と南廻線の電化で淘汰される運命です。

普通系の車種は2010年12月から「區間車(區間快車含む)」と「普快車」の2系列となりました。以前は「電車・冷氣柴客」「快車(平快/柴快)・普通車」と呼び方が違いましたが、電化と冷房化が進み、2006年11月から「電車・冷氣柴客」と支線「復興號」が「區間車」に、「快車・普通車」が「普快車」となりました。

2010年12月の改正では「普快車」がさらに減便となり、ほぼ「自強號」「莒光號」「區間車」の3形態にまとめられました。東部に残っている「普快車」は、台東線を走る非冷房の旧型ディーゼル車と南廻線で1日1往復のみ運行される旧型客車だけとなり、風前の灯となっています。

なお、普通列車の「普快車」は、かつては「平快」とか「柴快」とか、いろんな呼び方があったのですが、正しくは旧型客車列車を「普通車」、その気動車版が「柴普(柴油普通車)」、快速列車またはそのワンランク上(冷房付)の車両が使われたものが「平快車(平等號快車)」、その気動車版(DR2700使用限定)が「柴快(柴油快車)」という使い分けをしていました。

旅客列車のサービス

特急系の「自強號」「莒光號」の車内は日本の特急と同じような感じで、車内はすべてリクライニング転換クロスシートの冷房車となっています。日本より座席配列に余裕があり、グリーン車並みの座席確保があります。使われる車両で内装の良し悪しはありますが、基本、シートピッチはゆったりです。

日本同様、弁当などの車内販売もありますが、すべての列車、すべての区間で行われておらず、たまに回ってくるような感じです。(逆にゴミ回収の衛生係は良く回ってくる) また、日本と違って車内での酒類の販売はなく、飲んでる人もいません。あまり公共の場で飲む習慣がないので、日本人は注意が必要です。

優等列車は大半が9・12両編成と長いものが多く、本数もそこそこあるので乗車チャンスはまあまあなのですが、なぜかいつも混雑気味。特に週末は台北から郊外への旅行客が増えるため、朝夕の列車は乗車率100%越えとなります。

自強號・莒光號は全席指定ですが、席がなければ立席用の乗車券(無座車票)を発行してくれます。立席用とはいえ、空いてる席があれば着席可能です。81km以上だと20%割引があるのでわざと無座票を買っている人もいます。乗った時に自分の座席にだれか座ってたら遠慮なく退いてもらいましょう。

ただ、「普悠瑪號」「太魯閣號」一部「莒光號」では無座車票は発行せず、座席指定できなければ乗車できません。座席指定を受けずに安易に乗車すると逆に追加料金を取られますのでご注意。

2010年7月からは、莒光號に商務車(グリーン車相当)が導入されました。料金は自強號と同額で莒光號料金との差額分が商務車料金という解釈です。車両は莒光號に1両商務車両が連結される形で運用され、2+1の3列シートが売りです。台北~台東の夜行列車、その帰り道での昼行運用列車に併結されており、特に夜行列車ではその快適性からほぼ満席で運用されています。

「復興號」は東部幹線主体での、週末限定の臨時列車で生き残っています。座席指定が可能ですが内装はかなり古びた感じで屏東線非電化区間に走る「區間車」と同じ車両です。一昔前の莒光號車両と思っていただければいいでしょう。莒光號と区別をつけるため、車体のカラーリングはブルーの基調となっています。車齢30年を超えたボロい車両が中心ですが座席はリクライニングシートなのでお値打ち感があります。

「區間車」は電車、冷房気動車(冷氣柴油客車:DR1000)、復興號客車が使われます。電車と冷氣柴油客車はEMU700系/800系以外、座席が全車ロングシートで長距離を乗るには少々疲れます。EMU700系/800系は千鳥式に固定クロスシートとなってますが、通勤式です。

現在、區間車は全線で運用されています。そのうち屏東線、南廻線を走る區間車は復興號客車が使われています。この区間の「區間車」だけはちょっぴりレトロな旅の雰囲気が楽しめます。

ちなみにかつての冷氣柴油客車(DR1000系)は基本、支線運用となっており、ロングシートの電車並み内装となってきています。登場当初は「自強號」なみの車内設備で転換クロスシートの快適な車内でしたが、支線の旅行客が増え、車内混雑緩和から、いつのまにか全車ロングシート化されてつまらない車両になりました。

「普快車」は南廻線の旧型客車1往復のみ残存しています。旧型客車はロングシート主体のインド製、簡易転換クロスシート装備の日本製があります。青色に白帯、オレンジのDLが牽引する姿がかつての日本のローカル風景に似ており、近々の廃止が惜しまれます。



料金体系

運賃は車種別に分かれて4種類あり、自強號料金、莒光號料金、復興號・區間車料金、普快車料金となっています。「區間車」料金はかつての「電車・冷気柴客」「復興號」料金と同じで、「普快車」が走らなくなった地域では実質料金値上げとなりました。

それぞれの料金ですが、優等列車は普通列車(と比べれば何割か増しの料金となります。もともとの料金が非常に安く、たとえば列車で台北から1時間ちょっとの新竹まで自強号を使っても180元(600円弱)、日本で特急1時間といえば2~3000円ぐらいはするのでずいぶん安い料金です。

ルールで日本と大きく違うところは、乗車区間単位ではなく列車タイプ別で乗車券を買わなければならないこと。違うタイプの列車に乗り換えのときは乗換駅で一旦下車扱いとなることです。例えば台北から平渓線十分までいく場合、台北から瑞芳まで自強號を使って區間車に乗り換えると、台北-瑞芳の自強號の切符と瑞芳-十分までの區間車の切符2つを買わなければなりません。

乗り越しについても日本とルールが違います。もともとの乗車券の降車駅でいったん下車した扱いとなり、下車予定駅~新しい下車駅の乗り越し区間は新たに乗車券を買いなおすことになります。乗り越し手続きについては日本同様、下車駅窓口で精算したり車内で車掌から購入することができます。請求料金が差額分支払とならない(高めに払う)点だけ覚えておけばいいでしょう。また、こうしたことから、途中下車という概念もありません。

また違和感があるのが指定した列車以外に乗車変更する場合、新たに切符を買いなおさないこと。座席指定する「自強號」「莒光號」「復興號」利用がこのケースに該当しますが、指定された列車の前後走る列車に乗ると乗車券が無効となってしまいます。無座利用であっても指定列車以外の乗車になると無効になってしまいます。なので、これらタイプの乗車券には利用列車名が必ず記載されています。日本とルールが大きく違うのでご注意ください。

気軽に乗車するにはルールが単純な區間車利用がお勧めとなりますが、スピードが遅いので遠距離移動はやはり「自強號」「莒光號」利用がお勧めです。事前に乗車時刻を調べての移動が必須です。

また、これら優等列車は乗車前だとたいてい満席状態のため、乗車距離がある場合には事前に乗車券を購入しておいたほうがいいでしょう。切符の購入は筆談で十分通用します。乗車日時、乗車区間、列車名、片道or往復、枚数等、わかるようにしてあげればOKです。

窓口はいつも行列ですが日本より早く順番が回ってきます。これは日本人と違って最初から乗る列車を決めているため、窓口で相談事や変更など少ないため。(あまりあーだこーだと相談すると並びなおしさせられるのも一因)

大きな駅では自動指定券発売機も設置されるようになりました。2013年から登場した新型機は座席指定時に窓側か通路側かが選べるようになりました。一方で無座切符の購入ができなくなっています。モニター画面をタッチしていくのですが、漢字主体でほぼ直感的に理解できるうえ、クレジットカード利用も可能となり、日本人には便利なマシンです。

なお、座席指定については、小さな駅発着の場合、座席数制限がかけられていることがあります。たとえば、玉里→志學で無座と出た場合、玉里→花蓮で買うと指定できたりします。80km以内は料金差があまりないので、座席指定できないときの裏ワザとして使ってみるといいでしょう。

ちなみに、座席番号で窓側(靠窗口)、通路側(靠通道)の区別は日本と違い、1と1+4の倍数、2と2+4の倍数が窓側、3と3+4の倍数、4と4+4の倍数が通路側となります。たとえば座席番号10番は窓側、44番は通路側となります。覚えておくと便利です。高鐵の座席番号は日本の新幹線と同じABCDE式でAとEが窓側、CとDが通路側となります。

乗車券(車票)類

現在、台鐵の近代化促進ということで2006年から乗車券の磁気化が始まりました。台東線南部を除き、ほぼ磁気化切符となりました。台北近郊・台湾北部、台南エリアでは自動改札がすでに運用されており、これまで定期券だけの利用だったのがすべての乗車券(非磁気化券除く)で自動改札が利用可能となりました。

2008年からは台北のMRTやバスで使える悠遊卡(ヨゥヨゥカ)が台鐵でも使えるようになり、2014年7月1日現在、基隆~苗栗・八堵~福隆、深澳線、平渓線、内灣線新竹~竹中と、台南・高雄エリアの林内~屏東、沙崙線で使えるようになっています。高雄捷運で使える一卡通(イーカートン)も悠遊卡利用可能駅で使用可能です(台北捷運では使えない)。

自動改札導入を機に券売機も指定席列車が買える新しいタイプが追加されました。高鐵のものと良く似ていますがタッチパネル画面で乗車時刻や列車を指定していくので、行列ができて窓口が混雑しているときに便利です。

現在の乗車券はすべて熱転写タイプになっており、地方の小さな駅でも熱転写タイプ乗車券が標準となっています。磁気券は地紋が2種類あり、青のものと黄色のものがあります。窓口購入だと黄色、自販機や地方駅発券の場合は青となっています。使い分けルールはよくわかりません。

非磁気券は花蓮・台東エリアの自販機で使われています。かつての緑地紋のデザインが生き残っています。自動改札がないためコストの安い非磁気券を使っているのでしょう。

また硬券乗車券もわずかながら残っています。ほとんど観光向けと言えますが、確認できてるところで平渓線終点の菁桐駅、集集線濁水駅・集集駅で取り扱っています。

記念乗車券も販売されており、周年記念や開業記念など、要所要所で発行されています。

以前あった日本のオレンジカードに相当する「自動售票機儲值卡」も販売されています。500元と1000元の2種類があり、それぞれ9割の価格で販売されています(450元・900元)。近距離用自販機でのみ使用できるようになっています。

フリー切符類も充実されてきました。2010年7月からは全線フリーパス「TR-PASS」が発売開始。3日券:1800元と5日券:2500元があり、4人分まとめた「四人同行票」はさらに割引があります。エリア内フリーキップとしては「花東悠遊券」「東北角一日券」「三支線(平溪、入灣、集集)一日週遊券」が発売されています。

今後の台鐵動向

現在、台北近郊や高雄近郊で「捷運化」工事が進められています。捷運化とは、駅の新設や運転の頻度化・高速化の工事、立体交差、駅施設の整備等全体を指す言葉として使われています。駅の整備は高架化や地下化があちこちで進んでいますが、高速化については大量導入してしまったロテム製EMU500系をどうするかで少し時間がかかりそうです(欠陥車)。

車両の快適性向上も自強號もTEMU1000系(太魯閣號車両)やTEMU2000形(普悠瑪號車両)の投入、EMU200系の車体を更新したEMU1200系投入、區間車用の新型車両「EMU700系」も大量投入で、ここ数年で大きく改善されました。2014年から増備が始まった「EMU800系」の大量導入も進んでおり、EMU500系は東部幹線と南部区間運転に移って客車の淘汰が進んできました。

今後も、高鐵への対抗から居住性を向上させ旅客減をなんとか抑えようと車両更新には力を入れていく予定です。旧型の自強號EMU100はすでに引退、EMU300の車体更新、莒光號の自強號並内装への変更、自強號の普悠瑪號化等々、車両の改善が進められています。「EMU800系」大量投入による區間車の増発、併せて莒光號の大幅縮小が計画されています。

なお、自強號PPタイプもEMU500同様、故障や不良が多く、今後どうするかが頭の痛い問題となっているようです。当面は電化が進むことでの車両不足から、だましだまし使っていかなければならないようですが、TEMU1200系の増強でサービス強化を図っていきたいのが本音でしょう。

立体交差も順調に進められ、台北周辺は2008年9月21日に松山~南港駅間の地下化が完了して一段落しました。これにより、板橋~南港までの地下化と汐止~五堵の高架がつながり、樹林駅から基隆まで踏切なしの立体交差が完了しました。 南港駅も捷運南港線とやっとつながりました。(やっと地下で直結して乗り換えが便利になりました)

一方、高雄側の地下化・捷運化も決定しすでに工事が着工されています。高雄駅や鳳山駅は仮設ホームに変わって工事現場みたいになってます。高雄周辺の鉄道風景は数年後にはがらりと変わる予定です。また、主要駅の高架化工事もすでにスタートし、台中エリアの高架化、桃園や嘉義など主要駅での高架化工事が始まっています。

路線

台鐵の幹線は台湾の西側を走る縦貫線で、基点の基隆から台北、新竹、台中、台南、高雄と結ぶ、台湾の大動脈です。高雄~枋寮の屏東線を含めて通称「西部幹線」と呼ばれています。途中竹南から海側を走る海線(縦貫線)と台中を通る山側の山線(台中線)とに分かれ彰化で合流します。

彰化の合流ポイントはデルタ線(成追線)になっており、山線海線の直通も可能となっています。全線電化が完了し、海線の一部を除き全線複線化されています。高雄からの屏東線も途中の屏東まで全線複線電化となっています。

屏東から先は現在非電化となっていますが、高雄駅地下化に伴う車両基地の潮州への移転工事に伴い、屏東線全線の電化工事が進められています。潮州までは複線化も同時に行われる予定です。

西部幹線ではTGV風のプッシュプルタイプの「自強號」を中心とした都市間輸送と地方都市を結ぶ電車(區間車)が基本となっています。新幹線(台湾高鐵)の開業で台北~高雄の長距離輸送の競争力はなくなりましたが、高鐵の駅は街から外れているところが多く、台南→台中など地方都市を結ぶ役割はまだまだ台鐵の役割です。

一方西側と対照的に東側は非電化の単線区間が残り、地形も険しく沿線住民も西側に比べてかなり少ないのが特徴です。 「東部幹線」と称される路線は、分岐駅の八堵から台東までいろんな路線で構成されています。八堵~蘇澳の宜蘭線、蘇澳のひとつ前の駅の蘇澳新站~花蓮の北廻線、花蓮~台東の台東線(通称は花東線)という具合です。

宜蘭線、北廻線は全線複線電化、台東線は2014年7月に電化・直線化工事が完了。花連から南の台東までは以前ナロー(ゲージ幅762mm)の線路だったのですが、1982年に改軌され、台北からの直通列車が運転されるようになりました。

西部幹線と東部幹線とを結ぶ、台東~枋寮は南廻線と呼ばれ、台東~知本は台東線電化時に一緒に電化も、以南は非電化単線(中央號誌站~古莊は複線)となっています。列車の運行は新左營~台東~花蓮等、南廻線をスルーする列車が大半で、線内発着は普快車・區間車のみです。戦後の新線とあって、直線主体のトンネルが多い区間となっていますが険しい山間や海岸沿いの高いところを走るため、途中の車窓は絶景です。

東側の優等列車は、電化区間である台北~台東は電車系が主体、非電化区間と乗り入れ車両はディーゼルカーがメインとなっています。かつては旧型客車が全線にわたって頻繁に走ってましたが、北廻線・台東線電化完成後は、普通列車(區間車)は電車に、莒光號も自強號化が進んでいます。2007年2月にはJR九州のかもめ号に似た振り子式特急電車「太魯閣號」が運転開始し花蓮までが大幅に速達化しました。

台東線電化後は振り子タイプの列車「普悠瑪號」が大幅に増発され、台北から台東まで3時間台で行くことができるようになりました。台北からは高鐵と南廻線経由で台東に行くよりも普悠瑪號利用のほうが安くて早くなります。

東側の車窓は西側に比べて派手で、海あり山あり南国ムードありの風光明媚なところで、台北から花蓮あたりまで足を延ばしてもいいでしょうし、ちょっとハードではありますが台東も日帰り圏内になりましたから普悠瑪號と高鐵利用の1日台湾一周なんてこともできるようになりました。

台湾一周の幹線以外にも、內灣線、集集線、平渓線、深墺線の非電化4支線と高鐵駅と台鐵・市街を結ぶ連絡支線が2線あります。非電化支線は以前は旧型客車や非冷の気動車が走るいい感じの路線でしたが、今はどの線区も最新のDR1000型冷房気動車に統一されました。

內灣線は縦貫線新竹から分岐し、東に向けて山を登って行く路線です。 高鐵新竹駅との接続を図るべく竹中から分岐する六家線が2011年11月に開業し、新竹~竹中~六家が電車主体の運転系統に変更。竹中から先、內灣までがかつての支線のような感じになりました。內灣線はかつて収入の大半をセメント貨物輸送でまかなっていましたが、新線工事の開始とともに貨物輸送は廃止されてしまいました。

集集線は縦貫線二水から車埕に至る路線で、終点は観光地で有名な湖「日月潭」の最寄駅です。1999年に起こった台湾大地震では大打撃を受け長らく運休してましたが、木造駅舎で有名な集集駅の駅舎も復旧されほぼ地震前の姿に戻りました。休日は旅行客で混雑します。以前は途中交換設備が廃止されてましたが観光化が進み、濁水駅が再び交換可能駅に改造されました(タブレット復活)。

宜蘭線三貂嶺から分岐する平渓線は、基隆河に沿って走る観光路線で、途中の大華-十分間にある十分瀑布を訪れる人で休日ごった返します。かつては炭坑から鉱石を運ぶ役目をしていたのですが、今は台北近郊の観光路線として第2の人生を歩んでいます。 なお、十分の旧鉱山跡に観光用として鉱山トロッコが復活しています。

深澳線はもともと宜蘭線瑞芳駅から海岸方面の深澳へ伸びる路線で、旅客列車は1989年に廃止され、それに伴い末端部の深澳~濂洞6Kmが廃止。その後は深澳の火力発電所に送る石炭列車が運行されてましたが、2007年9月に廃止、休止状態となっていました。

そこへ八斗子に海洋科技博物館の建設が始まり、このアクセスルートとして深墺線の一部区間の復活話が浮上。2014年1月9日に瑞芳~海科館4.3kmが再開業しました。列車の大半は平渓線と乗り入れをしています。

高鐵開業とともにと台鐵を結ぶ短絡線も新たに作られました。高鐵台南と縦貫線沙崙6.4kmを結ぶ「沙崙線」は2011年1月2日に開業。全線高架の新線は30分ヘッドで高鐵駅と市街とを結びます。前述の「六家線」は2011年11月11日に開業。台鐵新竹と高鐵新竹(六家)とを30分ヘッドで結びます。どちらも専用のEMU600系が運用に就いています。

以上線区の他にも貨物専用の支線が存在します。



台中港線は縦貫線海線台中港から港区に伸びる路線で、港湾地域と本線を結ぶ役割を果たしています。 石炭、セメント、穀物輸送などがメインでしたが、今は穀物輸送のみになってしまいました。

林口線は縦貫線桃園から台湾海峡へ伸びる貨物路線で、現在は運行休止となっています。もともとセメントや産業資材、発電所向けの石炭を運ぶ路線で戦後開業した路線です。2005年からは「桃林鐵路」として無料の旅客試験列車を平日土曜除く朝夕それぞれ1往復運行していました。一方本業だった貨物輸送は石炭輸送以外は廃止、晩年は石炭列車も金・土・日・月の変則運転となり、桃園駅高架化工事に伴い2012年12月31日を最終運行として長期運休(事実上廃止)となりました。

また、上記路線よりも専用線的存在の貨物支線が3つあり、基隆、花連、高雄に本線と港湾施設を結ぶ臨港支線があります。それぞれ、主にセメント、石油、特殊貨物(台鐵車両など)を運搬しています。特に花連港線は永楽~新城・和平・新城などのセメント・砕石設備から繰り出される貨物列車が多数運行されています。高雄臨港支線は高雄駅と臨港とを結ぶ路線でしたが地下化工事のため、運行休止となっています。

これ以外には台湾最南端の観光地「墾丁」へのアクセス鉄道として南迴線から分岐する「恆春線」の計画も持ち上がっていますが今のところ工事の進展はありません。


台灣高速鐵路(高鐵)

台湾版新幹線こと「台灣高速鐵路」は2007年1月5日に板橋~左營が仮開業(正式開業が2月1日)、残る台北~板橋が3月2日に開業し本格営業が始まりました。海外初の日本の新幹線ということですが、信号システムはフランスとドイツのもので、正式には新幹線システムではなく、車両と軌道が新幹線と同じ というのが正しい表現です。

営業速度の最高スピードは300km/hと日本の東海道新幹線より早く、カーブも少ないため乗り心地は快適です。グリーン車である商務車のサービスは飛行機並みで、窓口や駅係員などの社員の対応も良く、日本が逆に見習ってもらいたいくらいです。台北から高雄へも2時間弱でいけるので、台湾西側はほぼ日帰り圏になりました。

現在、台鉄の台北~南港地下完成を受け、南港までの路線延長工事が始まりました。開業は2012年を予定していましたが例のごとく工事は遅れ、完成時期は2014年頃に延びると思われます。

高鐵の乗車券類ゲットは比較的簡単。窓口で乗車駅と乗車予定列車を告げれば購入OK。基本は日本と同じ感覚です。券売機での購入も直感で利用可能。行先、利用日を指定し、現金かクレジットカード払いかを選択。クレジットカード払いの際はシステムが別になるため上の小さなウィンドウに出てくる中国語で対応する必要があります。カード払いをするか⇒OK、暗証番号⇒OK で決済が終わりますが、わからなかったら躊躇なく窓口へ。

使われる車両は東海道山陽新幹線を走る700系と同等のもの。内装は少し台湾風に手を加えられてますが(自動ドアがボタンを押さないと開かないなど)、基本日本の新幹線そっくりです。

編成はすべて12両、開業当初は全車両指定席でしたが現在10~12号車が自由席となっています。商務車は6両目に設置され、1回だけフリードリンク、おしぼりサービスが付きます。車内販売も回ってきますが台鐵同様酒類は販売されません。弁当も時間帯によっては販売されます。飲み物類は常温なので冷たいものがほしければ車内に設置された自販機で買わなければなりません。

現在、海外旅行者向けに格安の高鐵パスが発売されています。為替で金額が変わりますが2013年5月現在、3日連続パスで7800円とかなりお値打ちな価格で売られています(台北~台中1往復で元が取れてしまう)。券種は代表的な3日連続パスの他、5日連続、3日個別指定の3つがあるようですが、日本で購入できるのは3日連続のみとなっています。


臺北捷運

台北市内の都市高速鉄道を担うのが「臺北捷運(MRT)」です。道路の混雑緩和に都市高速鉄道網を台北市内に張り巡らす計画の元、市内中心部の路線網がほぼ完成し、淡水線、文山内湖線、新店線、中和線、小南門線、板橋線、土城線、小碧潭線、南港線、蘆洲支線、新莊線、信義線、松山線が開業しています。

文山内湖線は新交通システムタイプ、その他は地下鉄タイプ(第三軌道集電、軌間1435mm)となっています。鉄道駅は豪華なつくりとなっており地下駅でも開放感ある明るい構内となっています。


高雄捷運

台湾南部の台湾第2の都市、高雄の都市高速鉄道を担うのが「高雄捷運(MRT)」です。臺北捷運の成功を受け、各地で捷運ブームとなり、新幹線建設と合わせ計画が進行。2006年末に部分開業予定となっていましたが実現できず、2007年10月31日予定も守れず、12月31日もアウト・・・そして2008年3月9日にやっと開業となりました。

最初に開業したのは紅線の小港駅から高雄県橋頭郷にある橋頭駅までの28.9キロ。24の駅を所要45分の距離です。高鐵の左營と高雄国際空港とも接続し市内を貫通するので、高雄の都市交通は一気に便利になりました。開業後4月6日までは開業記念ということで市民に無料開放していました。

車両は台北のものとよく似ていますが、車両は一回り小さくした感じで車体の帯はみどりとなっています。また東西を走る橙線は2008年9月14日に開業。同線は西子湾から大寮までの全長14.4キロで14駅が設けられてます。途中美麗島駅で紅線と交差します。橙線の完成で第一期分の工事区間が全通しました。このほかトラム路線の工事も進んでいます。


その他の捷運

現在、台北や高雄同様の捷運が台中や台南で計画されています。台中の当初計画は全長16.7km、台中市の北屯区、北区、西屯区、南屯区と高鉄駅のある烏日郷とを結びます。2015年開業の予定です。

一方、台北市内と中正国際空港とを結ぶ機場捷運は工事が結構進んでいましたが、契約条件で大モメとなり開業予定の2013年末部分開業は果たせませんでした。論争はすでに解決しなんとか2015年中の全線開業に向け、工事が進められています。この機場捷運は桃園捷運とも接続し、高鐵桃園を経て中壢に至る路線が併せて建設されています。桃園捷運はさらに桃園市内へ路線延長される計画があります。

また基隆にLRT構想が浮上、基隆駅から海洋科学技術博物館予定地へ至る8.67キロと西11埠頭を基点に東明橋付近へ至る1.61キロの2線が計画されています。旅客予想から収益はとりづらそう、果たして工事がスタートするか否か・・。


森林鉄道・遊戯鉄道・製糖鉄道

阿里山森林鐵路は政府の林務局によって管理されている森林鉄道です。2008年6月19日から一旦民営化され、「宏都阿里山国際開発」が運行を担うことになりましたが、その後の豪雨被害の復旧作業を怠り、おおもめとなってこの2010年5月に再び国営に逆戻りとなりました。

西側縦貫線嘉義駅から標高差2247mの阿里山まで登る登山鉄道で、レール幅は762mmのナロー、車両も1+2席クロスシートのひとまわり小さな車両がお客を乗せてゆっくりと登って行きます。

99年の震災でかなりのダメージを受けましたがその後ほとんどが復旧。しかし、2008年の台風7号の豪雨被害により嘉義~奮起湖が運休となり、続けて2009年の大水害により全線で大きな被害を受けて全線運休となりました。

2010年6月にご来光を拝める祝山線と阿里山~神木の区間が復旧、2010年末に嘉義~竹崎が復旧しましたが、2011年5月の倒木事故で再び全休。2011年12月25日に沼平線が復旧、2012年1月20日に神木線が復旧し、山上の支線・区間運転がスタートしています。

途中区間は残っていた平坦部の竹崎~奮起湖が2014年1月27日に復旧、残る奮起湖~神木の区間は2014年後半以降の復旧を予定しています。なお、阿里山からのご来光の別路線である眠月線は地震以降運休のままです。



台北の南部の山中にある街、烏來にには、観光トロッコ「烏來觀光台車」が走ります。片道7分ほどのちいさな鉄道で、遊園地にあるような遊戯鉄道といってもいいでしょう。まさにトロッコという代物です。

また、観光トロッコとして有名なのが、宜蘭からバスで数時間の太平山(標高2000mm近く)にある「蹦蹦車」。いわゆる森林鉄道で太平山森林遊樂區の太平山~三疊瀑布を走ります。こちらは阿里山鉄道のトロッコ版?って感じでしょうか。林務局が運営を担います。

花蓮縣にも規模の小さな小火車が走ります。壽豐から山に入り鯉魚潭という湖のほとりにある池南國家森林遊樂區にはこのあたりを走ったかつての森林鉄道の一部を利用し、短い区間ですが観光トロッコを走らせています。かつて使われたロープウェイなども保存されています。

MRT台電大樓駅近くにある「台北市兒童交通博物館」公園内にも「台糖五分仔車」というトロッコ列車があります。サトウキビ列車を改造した荷台みたいな車両が公園の外周をCの字に走るのですが、現在安全運行上の問題から運転は中止され、荒れ放題になっています。

同じくサトウキビ列車を復活させて運転しているところが新店近郊の烏樹林にある「烏樹林五分仔車」。祝日にはたくさんの観光客が訪れます。これにあやかろうと他にも新營、高雄、溪湖、蒜頭でも台糖觀光小火車(台糖休閒文化園區五分仔車)が運転されています。このほかにも台糖が運営する観光用五分仔車があります。

集集には集集線と平行してミニSLが敷設され、休日限定で運行されています。914地震後に観光客相手の鉄道として営業する予定だったのですが当局からの許可が下りず、10年以上経った2013年に入ってようやく営業許可が下りました。

平渓線が通る十分には旧炭鉱を博物館として復元した「新平溪煤礦博物園區」があり、当時の運炭トロッコを復元しています。当時使っていた路盤をそのまま使っており、そのヘロヘロ感が魅力的です。

レトロな雰囲気で人気のある観光名所「九份・金瓜石」でもかつての鉱山トロッコの復活がアナウンスされましたが、工事の進捗情報は入ってきてません。当初予定されたロープーウェイの建設は強風対策の解決が図れず建設が見送られ、併設されるケーブルカーの建設についても音沙汰なしです。

旧山線(舊山線:完全複線化前の台中線単線区間)である三義~后里の一部区間が観光路線として復活し、列車が運行されています。2010年6月からスタートし、夏季シーズンを中心に1カ月に1~数回運行されています。SL牽引やDL牽引の旧型客車などを不定期に走らせています。

さとうきび運搬用の鉄道は台湾南部に多くの路線がありましたが、次々とトラック化され、現役は虎尾にある1工場だけとなりました。もともとこのあたりで収穫されるさとうきびを運ぶための製糖鉄道で、かつて日本の南大東島にあったのと同じです。路線延長は1995年当時で1578Kmもあり、収穫時期の12月~2月にかけての季節運転となっていましたが、急速にトラック化が進み次々と路線が廃止。最後の虎尾も毎年廃止の噂が絶えません。


その他

台北駅には鉄道グッズを売る専門店があります。台北駅1階西側にある「台鐵夢工場」では台鐵に関わる鉄道グッズが売られており、キーホルダーや鉄道模型、Tシャツ、鉄道本や雑誌などいろんなものが並びます。2012年の台北駅リフォームでかつてあった「台鐵本舗」が閉店。変わって今の夢工場となりましたが、硬券キップガチャガチャや怪しい鉄道雑誌類がなくなってしまいました。

また、夢工場右隣には姉妹店である「便當本舗」があり、いわゆる駅弁を専門に売っています。かなりの人気で2号店が地下コンコースにできています。

この本舗の向かいにあるセブンイレブンには「台灣鐵路旅客列車時刻手冊」いわゆる時刻表が売られており、1冊25元で購入できます。以前は在庫が結構あったのですが、最近はネットで時刻表をダウンロードできるためかダイヤ改正後しか在庫がなく、購入するのがむずかしくなっています。(なぜか高雄ではホームの売店で簡単に入手できます)

台湾では日本のような総合時刻表はなく、地方をバスで移動するときなど困ることが多いです。以前一度総合時刻表が発売されましたが不評だったらしく(150元で台鐵時刻表より高かったため)第1刊限りで廃刊になってしまいました。

高鐵関連のグッズは、高鐵各駅にあるセブンイレブンまたは車内販売で販売されています。開業ブームも一段落し販売コーナーは縮小されています。

台北駅地下、捷運乗り場へ続く地下通路には「台北捷運Shop」があり、MRT特別デザインのユユカ(高い!)やTシャツ、鉄道グッズが売られています。「台鐵本舗」に比べると品揃えは少なく、面白味はありません。

旅行ガイドや本などは「誠品書店信義店」がお勧め。101や三越が並ぶ市政府のある信義区一角にある巨大書店で、たいていの本はここで手に入ります。「誠品書店」は他にもいくつかありますが、24時間営業の「誠品書局(誠品書店敦南店)」もお勧めです。

鉄道雑誌に限れば、臺灣大学近くにある(Google)書店「台灣e店」がおすすめ。台湾版鉄道ダイヤ情報の「鐵道情報」という雑誌のバックナンバーが揃えられています。その他、鉄道関連誌が多数置かれていますので訪台の際はチェックされてはいかがでしょうか。





「鉄道がある風景」/RailScape
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