苫小牧港開発
北海道苫小牧市
・新苫小牧~石油埠頭 10.2km
1998年3月24日最終日
1998年4月1日休止
2001年4月1日廃止
・駅数:5
新苫小牧 0.0km
一本松 1.2km
港北 2.8km
港南 6.1km
石油埠頭 10.2km
|
|
苫小牧港開発は、苫小牧貨物駅から勇払の西方にあった石油ターミナルまで伸びていた臨海鉄道でした。苫小牧港の開港に合わせて1968年12月に開業。進出する企業が増え、途中駅3つ(一本松、港北、港南)から分岐する専用線もいくつかあったそうです。
鉄道貨物の衰退から、最終的に港北発着の北海道曹達の化学品と石油埠頭発着のガソリン・灯油類が残ることとなりました。石油も石油埠頭に複数社タンクを構えてはいたものの、共同石油(今のジャパンエナジー)だけが鉄道輸送を続けてるだけでした。港北からの荷物も、晩年は休止状態で動いているのを確認したことはありません。
結局、共同石油の鉄道輸送撤退から1998年3月24日の運転を持って終了。同月31日付で休止届を出すこととなりました。廃止とせず休止としたのはもしかしたら・・・というのがあったようなのですが、所有機関車はそのタイミングで売却されてしまいます。
廃止は休止の3年後に完了。とはいえ、踏切は休止時にすぐカバーされて使用できないようにしていたりして、廃止を待たずにほぼ廃線状態でした。
ダイヤは1日2往復の石油輸送と1本の化学品輸送(港北発着)計3往復が設定されていました。しかし、晩年は平日でも運休の多い路線で、ゲットするのがたいへんなところでした。
機関車は最後まで4両体制で、本数から考えれば手あまり状態だったと思われます。手入れがよかったからなのでしょうか、すべて他社に引き取られ、D5603は旭川通運に渡って北旭川の油槽所専用線で活躍も予備機に転じ、さらに専用線が廃止、D5604とD5605が名古屋臨海鉄道へ(現在は引退)、D5606が専用線の十勝鉄道へ渡された後現在は室蘭の某鉄鋼会社構内鉄道へと渡っています。
路線は典型的な臨海鉄道らしい路線で、港南-石油埠頭はだだっ広い原野を突っ切る、大陸的なムードの漂うところでした。終点の石油埠頭駅から伸びる専用線群もへろへろとしたレールがちょろちょろ延び、実物大の模型のような感じでした。
新苫小牧駅は苫小牧貨物駅脇にあり、機関庫もここにありました。一本松は駅として機能していなかったと思います。港北駅は道道250号線跨線橋あたりで、北海道曹達への引き込み線がありました。港北の少し先までは日高本線と排水路かなんかを隔てた近い距離を並行に走っていました。
港北からは逆Cの時に石油埠頭のほうに方向転換し、トヨタ自動車、港南変電所あたり(港南駅はこの辺だったと思う)を通って太平洋側のほうへ突っ切っていきます。道道781号線とぶつかるとほぼ平行に石油埠頭に線路が伸びていました。
ここにはいろんな風景をカメラに収めようと何回か訪れたのですが、いつも運休で結局好みのカットは収められないままとなっています。残念。
なお、現在は大半の路線後は整地され、築堤や空地になったところでかつて走っていたんだろうなという痕跡が残る程度のようです。
|