鉄道がある風景

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Page Start 2012.7.13 最終更新日【2012.7.13】
「香港鐵路(港鐵)東鐵綫」 MTR 東鐵線



DATA
香港鐵路―東鐵綫
紅磡~羅湖 35.7km
落馬洲支線 上水~落馬洲 7.4km
馬場支線 火炭~馬場(臨時駅)~大學

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解説
香港鐵路-東鐵線は中国本土と香港を結ぶ鉄道でかつて九廣鐵路(KCR)と呼ばれていた路線です。2003年12月に部分開業した「西鐵」と区別するため、香港内での名称を「九廣東鐵」と改称し、その後2007年12月に九廣鐵路と地下鐵路が合併、新社名が香港鐵路(港鐵)と改称、九廣東鐵は港鐵東鐵線となりました。

起点は紅磡駅。2004年10月に九龍の繁華街尖沙咀の尖東駅まで路線延長されましたが、西鐵線が全線開業した時点で尖東~紅磡を西鐵線に編入し、もとの紅磡駅の起点に戻りました。

西鐵線とはレールがつながり、直通運転も可能ですが、それぞれの路線で使われる車両数が違う(東鐵線10両、西鐵線7両)ため、旅客列車としての相互乗り入れは行われてません。

また2007年8月には新たな中国とのゲートを結ぶ支線として「落馬洲支線」が開業。上水から分岐し落馬洲までを結び、終点落馬洲で深圳地下鉄4号線の福田口岸駅と接続します。

香港域内の列車は中国国境ゲートのある羅湖行きと落馬洲行きがだいたい交互で運転されるダイヤが組まれています。以前たくさんあった上水折り返し列車が落馬洲行きになった感じです。朝夕ラッシュ時には途中馬場駅付近にある車輌基地からの列車やりくりに伴う区間運転も行われます。

本数は多く、ラッシュ時は2~3分に1本、日中でも5~7分に1本の割合で運転され、さながら東京の山手線と同じ感じです。朝夕の通勤も相当なもので日本と変わりありません。また、日中も中国から/への越境者で常に混雑している状況で、大きな荷物を持った人がラッシュ時間にも乗り込んできて結構迷惑なときもあります。

車両は2タイプが使われ、東鐵線電化時に導入された英国メトロキャメル製と落馬洲支線や西鐵線対応用で増備された日本製SP1900系が走ります。

メトロキャメルタイプはアコモ改造が行われて新しい車両に見えますが、モーターは吊掛けの20年選手の車両です。このタイプは東鐵線限定運用で、他線での利用は行われません。SP1900系は東鐵線では少数派ですが、他の旧九廣鐵路新線での主力車両となっています。

東鐵線運行車両にはすべて1等車(頭等車)がついています。日本のグリーン車と同じ感覚で乗車料金も倍近く払います。モケットの固定クロスシートの内装で、ステンレスロングタイプの座席が並ぶ一般車両とは一線を画しています。

1等車に乗車の際はチケットを買うか、オクトパスカードで専用の端末にタッチしてから乗車しなければなりません。検札の際チケットがなく、またオクトパスカードの処理をしてなければ有無を言わさず高額の罰金が科せられます。旅行ガイドにも詳しく書かれていますので乗車の際には気を付けましょう。 SP1900の車内。NEWS番組が流れるモニターがついています。座席お尻部分はやっぱりステンレスで、ここは香港人として譲れないところなんでしょうかね。




沿線風景

起点駅の紅磡駅は中国本土への国際列車が発着する国際ステーションです。駅舎は割と大きなつくりですが駅構内は狭く、きちきちの敷地内に国際列車ホームと国内列車ホーム、貨物ヤードが組み合わさったようなつくりになっています。特に貨物は窮屈で機関車の付け替えがやっとという感じです。主な荷物は埠頭からのコンテナや本土から香港に持ち込まれる物流関連の品々です。

香港内列車の発着は2島4本のホームとなっており、東鐵線と西鐵線編成が向き合う並びとなって列車接続が図られます。

紅磡を出ると市街の中を抜け築堤を走ります。旺角駅は顴塘線、筌灣線の旺角駅とは少し離れたところにあり、乗り換えは次の九龍塘駅が便利。九龍塘駅は乗り換え駅として乗降が常に多い駅で多くの人がホームにあふれます。

九龍塘を出るとすぐトンネル。トンネルを抜けたら大圍。初期の開発団地群が並び香港らしいニョキニョキマンションが目に入ってきます。ここからは馬鞍山線が分岐します。

大圍から先、しばらくは団地の中を走る感じで、高層ビルを車窓に眺めながら香港らしい風景を楽しめます。次の火炭駅からは大學駅まで路線が2つに分かれます。実際は平行にレールが走っており、一方が本線(西側)、一方が操車場との連絡線の役割を果たしています。沙田競馬の開催日には頻繁に馬場経由の列車が運転されますが基本は西側線路を使います。

大學駅あたりになると高層ビル群が途絶え、少し鄙びた感じになってきます。次の大埔墟までは駅間があり、海を横目にのどかな風景を楽しめます。

大埔墟駅に近づくと再び高層ビル群の中へ入っていきます。次の太和駅までは1つの町になっています。香港鉄道博物館はこの両駅の間の線路際にあります。

太和を過ぎると丘陵地を走る風景に変わり、駅間も長くなります。再び高層ビル群が見えてきたら上水地区のニュータウン入口の粉嶺駅。上水駅は新界地区への連絡駅で、元朗方面へのバスが多く発着します。

列車はさらに丘陵地を進み、落馬洲への支線が途中分岐。えびなどの養殖池を横目に遠く深圳の高層ビル群が見えてきたら、中国国境と接する終点羅湖に到着です。

ここから深圳へは深圳川を挟んで歩いて越境する形になります。羅湖は駅を降りる際には必ずパスポートが必要です。現在日本国籍であればビザなしで中国本土に入国できますので、深圳へ立ち寄る場合はパスポートを携帯ください。中国サイドの深圳側では中国国鉄の深圳駅と地下鉄羅湖駅と接続しています。なお香港側の羅湖駅は駅外へ出れません。

また落馬洲駅も羅湖と同様の仕組みになっています。パスポートがないと落馬洲駅で降りれないため、上水で列車を降りなければなりません。なお、落馬洲支線は終点の落馬洲までの間に2駅新設され、西鐵線と接続する工事が進められています。将来の地域開発と併せこれら駅も開業する予定です。


撮影ポイント

紅磡駅北側にかかる跨線橋上から撮影可能、も、障害物多いです。大學駅ホーム両端からが駅撮りにはおすすめ。東鐵線ではホーム端に信号機材などの障害物が多いのですがこの駅はカーブの関係もあって比較的少なくて撮り易いです。またこの大學駅を降りて香港中文大學側出口を出て、上水側へ線路伝いに歩くとすぐ跨線橋があり、そこから上下線に対して撮影ができます。

また、火炭側に線路に並行して続く道路を進むと跨線橋が見えてきます。ここからも列車が撮影可能です。

太和~粉嶺では丘陵地を走る感じのいいところが多いです。いくつかある跨線橋上からいろんなカットが狙え、この路線の基本的な撮影ポイントとなっています。ただこの区間は交通の便が悪く、駅から跨線橋があるあたりまで歩くにはちょっと距離があります。まわりには何もないので夏場の撮影にはご注意を(水を必ず携帯!)。

また、落馬洲支線はほとんど地下と高架上を走るため撮影には不向きです。

あと、各駅での駅撮りも可能ですが、香港では鉄道撮影は禁止はされてませんが駅での撮影に関しては職員に注意されることが多く、トラブル防止のためにもささっと撮って、注意されたら素直にカメラをしまうなど配慮に心がけましょう。東鐵線だけは他線ほど注意されることはありません。(撮影中は一度も注意されませんでした。ホームドアもないからなのでしょうか。なぜか対照的に馬鞍山線はうるさいです。)



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