Last Modified :2015.2.18
香港の鉄道 TITLE
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●香港の鉄道とは?
香港は日本から飛行機で4時間強、中国広東省の南に位置します。台湾からだと飛行機で1時間という距離です。現在の香港は、1999年にイギリスから主権が中国に返還されて、中華人民共和国香港特別行政自治区となっています。中国といっても行政は昔の香港のままで、擬似的な国家扱いとなっています(1国2制度)。香港へは日本からの短期滞在だとビザなし渡航が引き続き認められてます。

香港は九龍半島と香港島や空港のあるランタオ島(大嶼山)を主にいくつかの諸島から形成されています。中心地は九龍半島先端の九龍地区と海峡を挟んだ向かい側になる香港島の北側で、半島のほうは主に商業地、香港島のほうはビジネス街という感じです。また半島側郊外は大規模な団地開発が行われており、高層マンションが林立する風景は香港ならではの光景です。

さて、香港の鉄道ですが、小さな国土に意外と多種多様の列車が運行されており、国際列車からケーブルカーまで、たいていの鉄道が揃う博物館のようなところです。中心部に張り巡らされる地下鉄、香港島の有名な2階建てトラム、半島西部の新界地区に走る欧米スタイルのトラム、中国広州と香港を結ぶ城際列車・・・と、狭いエリアにいろんな鉄道が走ります。また、ここ最近は新線開業ラッシュが続いており、地域の交通手段としてますます便利になってきてます。

鉄道は近代化が図られており、列車は香港島のトラムを除き冷房完備、転落防止と冷房効果を上げるため地下や高架駅ではほとんどにホームドアが設置されました。どの鉄道も「八達通(オクトパス)」という日本のSUICA、IKOCAみたいなものが利用でき(バス、フェリーもOK、一部コンビにでも使える)とても便利です。構内の案内表示も英語表記でわかりやすく、外国人でもスムーズな乗換えが可能です。


各鉄道の概要

★香港鐵路(MTR)

香港の鉄道はほとんどが香港鐵路が経営しています。香港鐵路(港鐵:MTR)は、香港九龍と中国広東省広州を結ぶ九廣鐵路と地下鉄を経営する地下鐵路が2007年12月2日に合併してできた会社です。合併のよってこれまで別料金だったのが一体運営によって値下げとなり、利用者にとってはベターな結果となりました。略称は新たに「港鐵」と名乗るようになりました。またトレードマークはこれまでの地鐵の*マークのようなものが継承されました。

旧九廣鐵路の路線は、2004年に九龍から新界までの新線が開通後、もとの路線を「東鐵」、新線を「西鐵」と改称。どちらも全線複線電化されており、「東鐵」については12両編成の電車が数分おきに走ります。どの列車も常に混雑状態でちょうど日本の山手線のイメージです。朝夕のラッシュはすさまじく、東京となんら変わりありません。

また、「東鐵」を使って中国との直通列車は広州と香港を結ぶ列車が10往復程度、上海・北京からの長距離列車が隔日で1往復運転されています。

新線の建設も活発に行われ、「西鐵」の第一次開業(南昌~屯門)が2003年12月に開業、旧名「馬鐵」こと馬鞍山鐵路が2005年12月開業(現馬鞍山綫)、「東鐵」からの中国国境への新たな支線である落馬洲支綫が2007年8月開業、合併後の2009年8月に西鐵綫尖東~南昌が開業し東鐵綫と接続。2004年10月に先行開業した紅磡~尖東が西鐵綫として紅磡~屯門の運転が開始されました。

現在は西鐵綫錦上路から落馬洲に至る路線、馬鞍山綫大圍から南進して九龍を経て香港島の金鐘までを結ぶ路線(沙中綫)が建設中です。

旧地鐵のほうは香港島と九龍地区を中心に現在7路線が開業。古くからの基本3路線である観塘綫、荃湾綫、港島綫、九龍東部の開発で開業となった将軍澳綫、エアポートエクスプレス(機場快綫)、エアポートエクスプレスとほとんど路線を供用する東涌綫、ディズニーランドと東涌綫を結ぶ迪士尼綫があります。

旧地鐵のほうも路線延長が引き続き行われており、最近では将軍澳綫の康城支綫が2009年夏に開業。港島線の路線延長も2014年末に行われました。

あと旅行者に注意がいるのが香港鐵路車内での飲食。すべてにおいて禁止されています。(見つかると罰金5000HK$) 改札内はいいようですが、飲み物くらいにしておきましょう。トイレも西鐵線や東涌線などの新線では各駅にトイレが設置されていますが古くからの路線にはトイレがありません。ご注意ください。

★電車

香港島北部を東西に走る有名な2階建て路面電車。いくつかの枝線があり、それらをカバーする系統が組まれています。現在新型車輌へ置き換え中ですが、電圧の関係なのか冷房車導入は進んでいません。ちなみに「電車」は港鐵傘下ではなく私鉄です。現在はフランスの企業ベオリアが運営を行っています。

★輕便鐵路(LRT)

半島西部に位置する新界西部の都市開発を目的に導入された交通機関で、1988年9月に開業した新しい交通網です。元朗、天水圍、屯門地区をカバーするように複数系統で運転されています。九廣鐵路が運営していましたが合併後は港鐵管理となっています。

車両は運転台が片側だけなので終点部や折り返し部にはループ線があります。複数の分岐点もあるため、さながら実物大の鉄道模型のような鉄道です。西鐵線の開業で系統も大きく見直され、天水圍周辺は新線も追加されかなり変わりました。以前は九龍からだとバスやフェリーを使っての訪問でしたが今は電車で簡単にいけるようになりました。

★ピーク・トラム(山頂纜車)

有名な香港夜景が見渡せるヴィクトリア・ピークへ登る観光ケーブルカー。観光用とはいえ、途中には住宅街が広がりちらほらと途中駅での利用者がいます。勾配がきつく、なかなかスリリングなケーブルカーで夜景は絶品です。夜は観光客であふれ返り1時間待ちになることもあります。山頂行きのバスもあるのでうまく使いこなしましょう。

★香港国際空港ターミナルトラム

ターミナル内の高速移動用に自動運転の新交通システムが設置されています。日本の空港にあるような一般的なものと同じです。全線建物内を走り、屋外には出てきません。

★香港ディズニーランド鉄道

香港ディズニーランド内には園内を一周する鉄道が運行されています。アトラクションの1つですがよくある遊戯鉄道の大きい版という感じです。


香港での鉄道撮影についての注意

鉄道施設内での撮影は危険行為と見なされているようです。明確な禁止事項ではありませんが、駅構内での走行車輌の撮影はフラッシュなしでも注意されることがあります。また、車輌でなくても地下鉄ホームの風景を撮影しようとしたところ「ヒステリック」と注意されました。フラッシュなしの撮影でも神経質です。LRTでもカメラを向けると運転手によっては怒る人がいます。ただ、香港島の2階建てトラムは観光用も兼ねているせいか、一度も注意されませんでした。

撮影禁止というルールはありませんが、トラブルにならないよう撮影に興じてください。なお、走行中の列車に向かってのフラッシュ撮影は常識の範疇から大きく逸脱する行為ですから絶対やめましょう。
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