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チェコの鉄道 TITLE
鉄道がある風景

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【最終更新日 2011.5.15】


美しいプラハ城 チェコ共和国

チェコ共和国はかつてのチェコスロバキアが2つに分かれてできた国で、1993年建国から現在に至ってます。歴史的にはナチスが併合した国でもあり、旧共産圏でソ連の間接支配のもと、自由化で騒乱が起こったプラハの春でも有名な国でもあります。

もともとはボヘミア王国として地域に君臨していましたが、強国に挟まれ幾たびもの騒乱に左右され、チェコとしての主権が落ち着いたのは戦後になってからでした。

カレル橋からの眺めもすばらしいプラハの町並み 大きさは北海道を少し小さくしたくらいの大きさに1000万人が暮らします。北海道の人口が600万人弱なので、北海道の大きさに倍の人数が住んでいる国というイメージでいいでしょう。ほぼ全土が丘陵地で、内陸性の気候で夏はドライで心地いいですが冬の寒さは厳しいです。

言語はチェコ語で近隣のドイツ語やポーランド語とも違う言語です。チェコ人のルーツはスラブ系ですが、顔つきはドイツ系の顔つきです。分離したスロバキアはスロバキア語を主語としますが、チェコ語の方言という感じだそうです。

戦後チェコスロバキアからドイツ人やハンガリー人を追放したことから近隣諸国とは少し距離を置かれている感じが残っています。当のチェコはソ連支配下の時代がもっとも暗黒だった意識が強く、今もロシアに対しては大きな敵意を持っています。

通貨はコルネという独自通貨で、ユーロ統合を試みてましたがリーマンショックで実現が危ぶまれ、その後ユーロ参加は見送られてたままとなっています。

経済はもともと工業国の位置づけだった(国産車シュコダ、タトラを抱えていた)こともあり、ベルリンの壁崩壊後安い労働力を求めて西欧から大挙して投資が行われ、経済的にも大きく発展しました。最近は言語的によく似たウクライナから出稼ぎ労働者を受け入れる立場になっています。

また、共産時代は共産国同士で工業支援同盟を結んでいたのですが、そのときの相手がベトナムだったことから、意外性がありますがベトナムとの結びつきもいろいろとあります。

チェコの鉄道とは?

ELが引く典型的な客車列車 チェコの鉄道はほとんどが公共機関が経営する形をとっています。最大は旧国鉄のチェコ鉄道(České dráhy)で、全土をカバーします。都市交通としては地下鉄が首都プラハに、トラムがプラハ、ブルノ、リベレツ、モスト、オロモウツ、オストラヴァ、プルゼニの7都市で走ります。他にケーブルカーや一部路線では保存鉄道も走ります。

チェコ鉄道(CD:České dráhy)

全土をカバーするチェコ鉄道はもともとは国鉄で、2003年に上下分離が行われ、鉄道運営会社としてチェコ鉄道がスタートしました。将来の民営化も視野に入れているようですが、近代化などの課題もあり、いまのところ公営企業として運営されています。上下分離ではありますがそれぞれの会社が同じ持ち株会社の傘下にありますので、まだまだ公共色が強いです。

鉄道の開業は1839年と古く、鉄道黎明期から走る古い鉄道です。全線9,435 km、幹線は複線電化され、路線の3分の1が電化されています。

列車のスタイルはヨーロッパらしく機関車牽引の客車列車が主体で、幹線のほとんどはそのスタイルです。ローカル線はDC、レールバス、さらにはDC1両+客車2両といったゲテモノ編成も結構存在します。使えるものはなんでもという感じでしょうか。DCが1両の客車を引く編成は意外と標準形、ゲテモノ編成もいっぱいでずっと見ていても楽しいチェコ鉄道全体的に車両不足で郊外向け列車は運転本数も1時間ヘッドだったりします。

プラハ都市近郊はドイツのSバーンのように、区間運転専用の電車が運行されています。電車は民主化後西欧から新たに導入された2階建て電車が多数走りますが、予算不足から共産時代の古豪もまだまだ使われています。古豪電車は懐かしい、丸み帯びた流線型車両で、板ばねで乗り心地は最高に悪く、爆音の吊掛電車です。トイレもついてますが線路丸見えの洋式ポットンです。

運行形態は国内はプラハから放射状に線路が伸び、基本プラハへ列車が集まるダイヤ編成となっています。国際列車も活発で、プラハから近いウィーン、ドレスデン、ブラスチラヴァへは1~2時間ヘッドで急行が運行。また東欧と西欧を結ぶ回廊でもあることから貨物輸送も活発です。

列車タイプは国際列車のスーパーシティ(SC:SuperCity)、ユーロシティ(EC:EuroCity)、ユーロナイト(EN:EuroNight)、スーパー特急、特急、寝台という具合。国内はインターシティ(IC:InterCity)、Ex(Expres)、R(Rychlík)、Sp(Spěšný)、Osobní(Os)という順に、特急、急行、快速、準急、普通という感じでしょうか。超昭和な顔つきで吊り掛けモーター音全開の旧型電車

スーパーシティーはイタリアの高速列車「ペンドリーノ」が使われ、プラハとオストラヴァ、ウィーン、ブラスチラヴァを結びます。大半の列車は客車で、客車はコンパートメントタイプとボックスタイプ両方があり、DCや電車はボックスタイプのクロスシートが主流です。幹線には1等車が連結、地方路線や近郊電車には設定がありません。

料金は他の欧州諸国同様、特急料金などは設定されません。ただ国際列車でチェコを跨いで乗車すると、国内料金がかなり割安なため、値段が上がったりします。優等列車では座席しても可能で、座席Noに予約ラベルが入ってる場合で空きの場合、どこかでお客さんが乗ってくるかもしれません。来たら譲りましょう。乗車券はまだドット印刷タイプなのでコレクターとしては満足

乗車券の発行ですが、基本窓口で購入となりますが、英語で買えるところは限られます。地方駅だとメモを渡して買うほうが無難です。割引形態も発達しており、2人以上になると複数割引が、往復なども割引があります。

現在、近代化を進めるべく、プラハ本駅 (Zel.st.Praha-hlavni nadrazi) の大改装が終わり、引き続き旧型車両の置き換えが進められています。ただ昨今の財政難からそのスピードは遅れています。古豪電車などはまだまだ安泰という感じです。


プラハ交通(DPP:Dopravní podnik hlavního města Prahy)

従来のタトラ製に代わって低床タイプのシュコダ製も登場。シュコダもチェコの会社です。 首都プラハには3路線を持つ地下鉄と街中を網目状に走るトラム、ペトシーン公園山上とふもとを結ぶケーブルカーが運行されています。地下鉄、トラム各路線ともチェコ鉄道主要駅との接続も図られ、バスとの接続性もいいものとなっています。 古都プラハを走るトラムは絵になる風景を走り、旅行者にも便利な乗り物です。


その他都市交通

ブルノ、リベレツ、モスト、オロモウツ、オストラヴァ、プルゼニの町にトラムが走ります。また地方にはナロー路線が残り、保存鉄道として運行されているところもあるようです。


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