その後、西オーストラリア州も他州同様に鉄道の民営化を進めるべく、2000年に鉄道インフラを管理する州政府機関である「Western Australian Government Railways Commission (WAGRC)」を設けて資産を「WestNet Rail」に長期リース、鉄道運営・管理部分は「Australian Railroad Group (ARG)」の子会社「Australian Western Railroad (AWR)」に売却され、親会社の「Australian Railroad Group (ARG)」が鉄道事業を行うこととなりました。
また、旅客部分はパース近郊と都市間輸送の小さいスケールであり、公共性を重んじて「Public Transport Authority」という州の機関が運行を管理します。パース市内は「トランスパース(Transperth)」によって電車・バス・フェリーを運営管理、パース郊外路線は「トランスワ(Transwa)」によって電車・バスの運営管理を行っています。
最初は1997年に南オーストラリア州の鉄道事業に参入、続いて2000年に西オーストラリア州の鉄道事業に参入しました。ただ2006年に合弁形態を解消するとともに所有株式の売却を行い、西オーストラリア州の鉄道事業は投資会社とQRへ譲渡。南オーストラリア州は合弁相手の1社「Genesee and Wyoming Inc(G&W)」が引き継ぎました。
パースとバンべリーの間にあるピンジャラ(Pinjarra)には、東にある小さな町ドウェリングアップ(Dwellingup)まで走るSL保存鉄道の「ホッサム・バレー観光鉄道(Hotham Valley Tourist Railway)」があります。こちらも運転は2区間設定され、終点のドウェリングアップからはさらに奥へ向け小さなDLと客車を引くミニ列車が走ります。また年に数回パースまで本線上のSL運転も行います。
フリーマントルからフェリーで行くリゾートアイランドのロットネスト島(Rottnest Island)にも鉄道が走ります。島のリゾート運営を行っている「Rottnest Express」によって運行される「オリバー・ヒル・トレイン(Oliver Hill Train)」がそれで、観光ツアーの「Gun and Tunnel Tour」の1つに組み込まれ、このツアーに申し込んだ人だけが乗車できる鉄道となっています。この鉄道は島を一望できる丘の上まで楽に行くことができます。