鉄道がある風景  

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   Page Start 2007.7.8 最終更新日【2009.1.4】  

CountryLink:Canberra XPL
カントリーリンク「キャンベラXPL」:キャンベラ~バンゲンドア

DATA
CountryLink


ACT周辺RailMAP (ARM)
ACT内を走る唯一の定期列車はカントリーリンク(CountryLink)が運行するエクスプローラ号(Xplorer)のみとなっています。カントリーリンクはニューサウスウェルズ州の長距離列車(XPT、XPL)と長距離バスを主体とする旅客運送会社です。

キャンベラで運行される列車はシドニーからやってくる列車で平日土曜に午前午後にそれぞれ1往復、日曜日は朝夕の2往復運転となります。オーストラリア最大都市シドニーと首都とを結ぶ列車とあってさぞかし立派なものかと思われますが、単なるDCカー3両の短編成でしかも1日2往復という有様です。

これは所要4時間強という遅いスピードが災いしビジネス客が鉄道を敬遠するためで、たとえば車だと高速道路が整備されているため、シドニーからキャンベラまでざっと2時間半ほどで着いてしまいます。バスも同様に3時間ちょっとということで、車内で少し仕事をしたいとか、気分転換に使いたい、鉄道の旅をしたいという観光客向けの、ニッチな交通手段になっています。

シドニーからは途中ゴウルバーンまではしっかりした線路で時速160kmでぶっ飛ばすのですが、支線に入るとカーブが多く路盤も貧弱でスピードが出せず、また、途中列車交換場所では日本のタブレットのようなルールで列車の交換あるなしにかかわらず鍵の交換で停車したりするので結果的に所要時間がかかります。(列車交換することは基本的にない過疎ダイヤ)

そうしたことから、シドニー~キャンベラ~メルボルンを結ぶ新線構想が良く浮上するのですが、すでに飛行機がそうした高速移動手段として定着しているため、大きな投資をしてまで新線を建設しようという声は大きくなりません。現にキャンベラへのビジネス客はほとんどが飛行機利用となっており、また大量輸送をするほどの移動ニーズもないのが現状です。

さて、ACT内のエクスプローラ号の路線ですが、域内を走るのは終点キャンベラとその1つ手前の駅クイーンビヤン(Queanbeyan)の間のみ。その先ゴウルバーン方面へはバンゲンドア(Bungendore)手前までが線路が州境となっていますが、ほとんどがニューサウスウェルズ州を走っています。

キャンベラ近郊は住宅街の中を進みますが、クイーンビヤンを出ると丘陵地の中を進み、急に田舎の風景に変わります。牧場などを横目に時たま森の中を走り、途中いくつかの大きな鉄橋、トンネルなどもあり、次の大きな街は分岐点であるゴウルバーンまでありません。

キャンベラ駅は首都とは思えない小さな駅で、列車が発着するとき以外は寂しい駅となります。夜間のみ列車を留置していますが、特に車庫などはなく、ローカル線の終着駅となんらかわりない状況です。キャンベラ~クイーンビヤンにあるヤードは現在ほとんど使われておらず、保存鉄道の「ミケラゴ観光鉄道(Michelago Tourist Railway)」が所有する車両群が置かれています。キャンベラ建設時には活況だったのでしょうが現在は使われている感じはありません(まだ石油輸送などがあるかもしれません)。



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